ちょうれい‐ぼかい テウレイ‥【朝令暮改】
朝に命令を下し、その日の夕方になるとそれを改めること。命令がひんぱんに変わって方針が一定しないこと。(コトバンク)
一般的には良い言葉とされていない「朝令暮改」、リーダーが朝と夕方で方針を変えたりすれば、働いているメンバーには不安が広がってしまうかもしれない。
自分自身、サラリーマン時代には上司の発言がコロコロ変わることに不信を抱いた経験がある。
それが上司の上司からの指示であれば「経営は大丈夫か?」と更に不信は募る。
しかし、これは後に判るのだが「仕事を主体的に考えていれば当然のこと」なのだ。
「仕事を主体的に考える」とは「今やってることの意味を考え、成果にこだわる」こと。
当時の自分には「主体的に」ビジネスを考えるだけの力も意識もなかった。
当時はバブル経済の後遺症でビジネス環境が混沌としていた。
経営陣も試行錯誤であったのだろう。
今のビジネス環境も当時を超えるレベルで混沌としている。
コロナ禍を「武器を使わない戦争」と例える人もいるくらいだから、今はまさに「戦中、戦後」の社会環境なのだ。
物事の価値観が変化し「正しい」と「正しくない」の基準が混迷している。
昨日まで「正しかった」ことが今日からは「正しくない」ことになってしまう。
そして民意は「同調圧力」で変化してしまう。
「ウィルス」に対する考え方、「ワクチン」に対する考え方もそれぞれ。支援金や助成金については「貰えるものをもらって何が悪い」と開き直る、そんな社会。
社会の規範が混迷している。
個人第一主義に走る「大人世代」を尻目に、社会正義に目を向ける「若年層Z世代」
これからのビジネスは「どの価値観にコミットするのか?」をしっかり考えていかなければならない。
今まで通用したビジネスモデルの賞味期限が短くなっていく。
「価値観の格差」が年齢や環境によってもたらされているのであれば、今までのような「画一的なサービス」が通用しなくなっていく。
「安ければ良い」から「高くても安全安心が良い」そして「少しくらい高くても社会に優しい方が良い」商品が売れるようになる。
(そのうちAmazonとかでも「サスティナブル指数」なんて言う指標ができたりするかも)
と言うことで、現在ビジネスを「主体的に」取り組んでいる人たちは日々「悩んでいる」のである。
市場の変化が激しいのだ。
それに「戦中、戦後」は新しいビジネスが誕生する機会だ。
コロナ後に新たなビジネスが育つ可能性が高いのだ。
ということでやっぱり「主体的な」ビジネスマンは「悩む」のである。
「悩む」と「朝令暮改」は発生しやすい。
考えれば考えるほど「新たな手法」が思いつく。
思いついたら実践してみたくなるものだ。
あなたのリーダーが朝令暮改するのは何らかの「思い」があるのだろう。
それに疑問を持つのであれば、リーダーの言葉を聞いてほしい。
朝令暮改には「そうした理由」が必ずあるはずだから。