minolog

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「生き方支援Company」
株式会社パセリホールディングス
代表取締役

▼株式会社パセリホールディングス
https://hd-paseli.co.jp/

▼「学びで自分を磨く」BrushUP学び
https://www.brush-up.jp/

▽過去ブログ
https://paseli.typepad.jp/minolog/

これまで、中小企業における営業マンの仕事といえば、大きく二つに分けられていた。

 

 

「新規顧客の獲得」と「既存顧客のフォロー」である。

 

 

自社の商品やサービスを新しいお客様に使ってもらう。そして、すでに利用しているお客様が離れてしまわないよう、関係を維持する。

 

 

当社も例外ではなく、かつての営業マンの仕事は、まさにそうしたものであった。

 

 

しかし最近、営業マンの役割が少しずつ変わってきているように感じる。

 

 

もちろん、すべての業種に当てはまる話ではないだろう。だが、少なくともサービス業の世界では、その変化が顕著に現れ始めている。

 

 

その変化とは、「外部との協業を探り、新しい市場をつくる」という役割である。

 

 

当社の事例で恐縮だが、実際にこんな変化が起きている。

 

 

当社が運営する「BrushUP学び」は、大人の学びの場を紹介するプラットフォームである。

 

 

1998年に事業を開始して以来、30年近くにわたり、このビジネスを続けてきた。現在では、日本最大級の顧客数を持つサービスに成長している。

 

 

長く大人の学びに関わり、その市場を見続けてきたからこそ、強く感じる不安がある。

 

 

それは「市場の縮小」である。

 

 

これは大人の学びに限った話ではない。

 

 

日本では人口減少が続き、少子高齢化も進んでいる。多くの業界で、国内市場は確実にシュリンクしている。

 

 

しかも、その流れが改善する兆しは、今のところほとんど見えない。

 

 

従来のBrushUPは、すでに「何かを学びたい」と考えている顕在層を集め、講座やスクールへつなぐことを中心に成長してきた。

 

 

しかし、市場が縮小するなかでは、すでに存在する顕在層だけを獲得し続ける方法にも限界がある。

 

 

同じ市場の中で、競合企業と限られた顧客を奪い合っているだけでは、やがて売上を維持することさえ難しくなる。

 

 

そこで我々が目を向けたのが、「隣接異業種との協業」である。

 

 

詳細については守秘義務もあるため控えるが、簡単にいえば、自前主義から脱却し、他社と協力することによって新しい需要を生み出す取り組みである。

 

 

自社の商品を売ることだけを考えるのではない。

 

 

異なる業界やサービスが持つ顧客、情報、機能、信用を組み合わせ、新しい利用者や新しい価値を生み出していく。

 

 

漁に例えるならば、「投げ網漁から養殖漁への転換」のようなものかもしれない。

 

 

これまでは、すでに魚がいる場所を探し、網を投げて捕まえていた。

 

 

しかし、魚そのものが減っているのであれば、網の投げ方を工夫するだけでは限界がある。魚が育つ環境をつくり、将来の市場そのものを育てなければならない。

 

 

もはや市場は、「どこかにあるものを確保する」のではなく、「自分たちで開拓し、育てる」ものになっている。

 

 

こうした方向性を判断するのは、もちろん経営陣の役割である。

 

 

しかし、具体的な企画立案から実行まですべてを経営陣だけで進めることはできない。

 

 

そこで当社では、現場の営業マンを含む若手メンバーに、その役割を託すことにした。

 

 

日々、顧客と接している営業マンは、市場縮小による危機を肌で感じている。

 

 

以前と同じことをしているのに成果が出にくい、お客様の予算が減っている、これまでになかった相談や要望が増えている。

 

 

こうした変化を、経営者よりも早く感じ取ることさえある。

 

 

だからこそ、その危機に対して自ら考え、行動することが、これからの営業マンのやりがいになるのではないか。

 

 

「会社から渡された商品を売る人」ではなく「顧客と一緒に課題を発見し、社内外を動かして解決策をつくる人」へと変わっていく。

 

 

そうした役割意識を持つことができれば、営業マンの行動は大きく変わるはずだ。それが我々の考え方である。

 

 

今のところ、いくつかの取り組みでは成果が出始めている、しかし、まだまだ道半ばだとも感じている。

 

 

自分自身、こうした営業マンの役割変化を、他社との付き合いの中でも感じる場面が増えている。

 

 

先日、当社にとって非常にシビアな交渉があった。

 

 

その場に取引先の責任者が同行し、当社の立場を理解したうえで、交渉が有利に進むよう力を貸してくれた。

 

 

その人にとっては、必ずしも目先の利益になる話ではなかったかもしれない。

 

 

それでも、顧客である我々のことを考え、一緒に悩み、一緒に交渉し、行動してくれた。

 

 

感謝の気持ちは、いくら伝えても伝えきれない。

 

 

そして、こうした人とは、これからも長くつながっていきたいと心から思う。

 

 

顧客のために一緒になって考える、必要であれば、交渉の場にも立つ、社内外の関係者を動かし、実行まで伴走する。

 

 

一見すると、すぐには自社の利益にならないことでも、顧客の利益を考えて行動する。

 

 

そうした姿勢が信頼を生み、その信頼が新しい相談や取引、協業へとつながる。結果として、回り回って自社の業績にも返ってくる。

 

 

これからの営業では、売上は「売り込んだ結果」だけではなく、「信頼を積み重ねた結果」として生まれるものになるのかもしれない。

 

 

市場が縮小している日本では、これまでのような狩猟型の営業スタイルだけでは、いずれ限界が訪れる。

 

 

既存市場の中で、限られた顧客を奪い合う、値引きや条件競争によって競合他社から契約を取る。

 

 

もちろん、そうした営業が必要な場面もある。

 

 

しかし、それだけを続けていては、市場全体が疲弊してしまう。

 

 

今こそ、顧客との間に真に信頼できる関係を築き、共に危機を回避し、新しい市場を開拓していくべきではないだろうか。

 

 

営業マンには、これまで以上に広い視野と深い見識が必要になる。

 

 

顧客の業界だけでなく、社会や経済の変化を知ること。

 

 

自社の商品だけでなく、他社のサービスや強みを理解すること。

 

 

そして、目の前の要望に応えるだけでなく、顧客自身もまだ気づいていない課題や可能性を見つけること。

 

 

さらに何より大切なのは、社内外に対してスピード感を持って行動できる力である。

 

 

市場が変化してから考えるのでは遅い。

 

 

気づいた人が声を上げ、周囲を巻き込み、まず動き始める。

 

 

これからの営業マンは、単に商品を売る人ではない。

 

 

顧客と企業をつなぎ、社内と社外を動かし、新しい市場を生み出す人である。

 

 

市場縮小という危機を乗り越える鍵は、営業マンの人数を増やすことではない。

 

 

営業マンの役割そのものを変えることにあるのだと思う。