- 明日の記憶/荻原 浩
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荻原浩著「明日の記憶」読了
2005年に渡辺謙主演で映画化された物語の原作です。
この本を購入した当時の記憶が無いのだが...ヤバイ!
当家の本棚にあったので読んでみました。
50歳の主人公が若年性アルツハイマー病を発症し
記憶が段々と曖昧になっていく。その過程での家族関係を
描いている。
あまり期待せずに、暇つぶしのために読んだのだが、
「意外に」というと失礼なのだが、面白かった。
特にラストは、今後の主人公の家庭の状況とかを考えると
暗澹たる気持ちになるのだが、なぜだがホッとするような
ちょっと涙がでてくるような、清々しいとまでは言わないが
よい終わり方をしている。
推理小説はもとより、小説の最後のしめ方って私はもしかしたら
もっとも重要視しているのかもしれない。
「終わり良ければ、全てよし」である。
最後の最後で「あ~あ、やっちゃった!」というような、チープな
終わり方をしている小説を最近読んでしまったので、
特にこの小説の終わり方は...気に入ったね。
まだ主人公がサラリーマンをやっているときに、段々と記憶が
曖昧になっていくシーンは、ちょっと身につまされる思いがした。
私も、ちゃんとメモを取っておかなければならない事項をその
まま記憶に留め、予定をすっぽかしたこともある。
特に40歳を越えてからは自分の記憶に自信がなく、メモをより
心がけるようになった。
アルツハイマー症ではないのだろうが、これからはもっと魚を
食べようと思ったりもした。
アルツハイマーを発症してしまった人から色々なことを取材する
ということは難しいだろうから、主人公の心情などは著者の想像
なのだろうか?よく描けていると思う。
「心情を描く」というのが、映画などの映像系では難しい面でもあり、
小説の醍醐味のひとつだろう。そういう意味でも面白い作品である
と思う。



