DフィットPMMAプロテーゼの特徴:既存プロテーゼとの違い、メリットとデメリット

 
こんにちは、エイチ整形外科のベク・ジョンファンです。
 
 

顔面部の美容整形手術で最も多く使用される術法がプロテーゼ挿入です。おでこ、顎先、貴族、猫、前頬骨など、顔面骨の比率を変えるに比較的簡単な方法なので多く施術されています。

 

主に使われる材料はシリコン、メドポア、ゴアテックスプロテーゼですが、この3つの材料のメリットとデメリット比較は下記の表をご参考ください。

 

 

 

 

3Dフィットという単語を命名した時、私は3Dプリンターを用いたプロテーゼの最も大きなメリットが、人体の3次元構造にぴったり合うところだと思いました。それでその名前を「3Dフィット」と決めたんですけど、今はこの名前を他の病院でも使っていそうですね。

 

「人体工学的デザイン」という言葉をよく耳にしたことがあると思います。人体が使用したり着用するある道具や物体が人体の形に合わせて作られ、その機能が既存のものより人体に優しいという意味を含んでいます。

 

 

 

 

この椅子のように人体の曲線に合わせてデザインすると、人体がより楽に感じるのを言います。

 

 

 

 

このキーボードのデザインも使用する人の手首がより楽になるようにデザインされていますね。美的デザインに機能的デザインを加えたものです。

 

 

 

 

 

マットレスが人体の曲線によって変わると、人体にかかる圧力がほとんど感じられません。それと同じ論理で、3次元構造で人体にぴったり合うプロテーゼは骨侵食という副作用を改善した製品です。

 

プロテーゼが人体の骨格にぴったり合わない場合、その圧力が一部にかかって骨侵食を誘発することになります。既存のプロテーゼデザインは単に凹んだ場所を埋めるという概念だけに充実していました。

 

貴族手術症例でよく見かけるプロテーゼの移動、変位、回転などの副作用は、3次元構造的な適合性が落ちるために発生します。貴族手術の副作用については下記リンクをご確認ください。

https://ameblo.jp/hclinic/entry-12573623010.html

 

 

 

 

貴族手術と猫手術を一気に解決する貴族猫(ノーブルキャット noble cat)というプロテーゼはこういう形です。

 

患者の3D CTデータをもとに骨格を3Dプリンターで出力した後、挿入しようとする場所の屈曲に合わせてプロテーゼを作成します。これが3DフィットPMMA貴族猫プロテーゼです。

 

 

 

 

このように既製のプロテーゼとは全く違う、一人だけのためのプロテーゼが出来上がります。

 

3DフィットPMMAプロテーゼと既存プロテーゼのメリットとデメリットを比べてみましょう。

 

 

「骨侵食の程度」

骨侵食はプロテーゼが人体の骨にかける圧力が高いほどひどく発生します。ゴアテックス、メドポア、シリコン、3DフィットPMMAプロテーゼどちらからも生じられます。

 

その程度を決める要素は大きく3つです。3次元構造適合度、材料の硬度、材料の厚み、この3つの変数のうち、厚みが一定すると仮定する場合、

シリコン > メドポア > 3DフィットPMMA > ゴアテックス

順で侵食が多く発生すると判断します。

 

 

「感染のリスク」

デッドスペース(dead space)、つまり人体挿入プロテーゼと人体の間に空きスペースが多いほど感染の発生比率が高まります。

 

ゴアテックスとメドポアは材料の内部に空きスペースを持っていて、その空間に人体組織が育ち入れるところをメリットとしますが、逆に炎症の発生可能性が高くなります。

ゴアテックス > メドポア > シリコン >= 3DフィットPMMA

順で炎症の発生可能性が高いです。

 

「回転、移動、変位の可能性」

3次元構造とプロテーゼの物性が変数として作用します。人体組織がプロテーゼの中に育ち入る物性の場合、回転・移動・変位の可能性は減ります。しかし、組織が育つまで3週間ぐらいは移動や変位の可能性があります。なので、ゴアテックスやメドポアの場合、他の材料より硬く固定します。シリコンは破けるデメリットがあって固定しにくいです。

シリコン > ゴアテックス > メドポア >= 3DフィットPMMA

順で移動変位が発生しがちです。

 

 

「異物感」

異物感はプロテーゼの3次元構造と材料の物性が作用します。3次元構造的に人体に完璧に接していると、材料がいくら硬くても異物感が少なく感じます。つまり、プロテーゼと人体骨の間に空きスペースが少ないほど異物感が減ります。

メドポア > シリコン > ゴアテックス >= 3DフィットPMMA

順で異物感があります。

 

以上、大略的に見た既存のプロテーゼと3DフィットPMMAプロテーゼのメリットとデメリットでした。

 

 

 

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