ほうれい線. 貴族手術プロテーゼの副作用

 
こんにちは、エイチ整形外科のベク・ジョンファンです。
 

貴族手術とはほうれい線を消す為に小鼻の横を高くする手術です。主にプロテーゼが使われてきて、最近は真皮脂肪、脂肪移植、フィーラなど様々な材料も使用されています。今回は貴族手術に最も広く使用されるシリコン、ゴアテックス、メドポアプロテーゼの副作用について話したいと思います。

 

 

 

 

両側の非対称と痛みを訴えたケースです。右側に比べて左側のプロテーゼが左側下方に移動しましたね。左側のプロテーゼは歯茎を突き抜ける寸前で、患者さんは歯茎の痛みを訴えていました。

 

 

 

 

両側非対称の上、ほうれい線の改善は見られず、右側は鼻が詰まったように感じられ、鼻の穴が痛いと訴えるようになったケースです。プロテーゼの位置が中央に集中し、右側の場合は鼻の穴の内側に突き出ました。このような場合、右側は鼻をほじるとき触られます。

 

 

 

 

両側が非対称で、ほうれい線はむしろひどくなり、右鼻穴の奥から痛みを訴えるケースです。右鼻の穴の内側にプロテーゼが少し突出して、左側は上側に移動して、ほうれい線が深くなりました。プロテーゼが上方にずれると、ほとんどの患者は「ほうれい線を消すために手術を受けたのに、かえってひどくなってしまった」と訴えます。

 

 

 

 

両側が非対称で、ほうれい線はひどくなり、右側にしびれ、頬に痛みがあるケースです。両側とも外側上方にプロテーゼがズレてほうれい線がひどくなり、特に右側の場合、プロテーゼが眼窩下の神経を押すために痛みが誘発されました。プロテーゼがひどく上方移動(ズレ)する場合、眼窩下神経を押して感覚異常や痛みを招くことがあります。

 

 

 

 

両側が非対称で、ほうれい線の改善効果は見られなかったと訴えるケースです。プロテーゼが全然左右対称にならず、サイズや形、場所においても残念ですね。顎先に入れたプロテーゼも上方に移動、ズレが観察されます。
 

 

術後の副作用として主に訴える内容は、

1.非対称

2.異物感

3.痛み

4.ほうれい線が改善されず、またはひどくなる

5.笑う時プロテーゼの境界が見える

 

 

簡単だと思って手術を受けがちな貴族手術が、実はたくさんの不便さや副作用があることに驚く方が多いです。もちろん、適切なサイズと高さで、正しい位置に固定された場合には問題がないでしょうが、個人的な経験上、貴族手術後その位置の変化が全くないケースは恐らく50%未満だと思います。

 

貴族手術に最も広く使われる材料であるシリコンは、感染に強くて除去も簡単というメリットがあります。ですが、シリコンの特性上、人体挿入後に周り組織と融合(または接着)せず、プロテーゼの周りに被膜(カプセル)が形成して固定されます。この時、被膜が生じる前にプロテーゼの位置が安定していなければなりませんが、貴族の手術部位は普段から話したり笑ったり噛んだりする時に筋肉を動かすため、プロテーゼがズレてしまうのが問題でした。この問題はゴアテックスやメドポアでも発生します。

 

 

位置の変化を最小化する方法は大きく2つです。

1. 3次元構造で安着するプロテーゼの作成。

2. 筋肉の動きに勝てるしっかりする固定

 

 

硬い固定はスクリューを用いた固定です。糸で縛るなどの操作は筋肉の力に勝てないと思います。3次元構造的に安着するプロテーゼは、人の手で作るのは不可能で、3Dプリント技術がプロテーゼの「彫刻」を実現させてくれました。

 

貴族手術の際あり得る合併症や不便を最小化するために私が使う方法は3Dプリンターを活用したオーダーメード3Dフィットプロテーゼです。PMMA性分の骨セメントと呼ばれる人工骨を使用して3次元構造で人体の骨にぴったり合うプロテーゼを製作しています。

 

貴族手術受けた方や、計画している方々の役に立ったら嬉しいです。

 

 

https://ameblo.jp/hclinic/entry-12503548188.html