初めまして。HCAP東京大学運営委員会11期の登坂直樹(とさかなおき)です。11期内では渉外と新歓代表を務めています。高3生で東大を目指している読者の皆さん、お会いできるのを楽しみにしています。
簡単に自己紹介を。私は都内中高一貫校を卒業していますが、絶望的なほど苦手だった英語が足をひっぱり、浪人生活を経て東大に入学しました。高校同期に1年の遅れを取ってしまったため、何か新しいことに挑戦したいと思ってHCAPの採用に応募し、現在に至っています。私は現在文科2類(経済学部に進む学生が最も多い学科)に所属していますが、関心分野は教育・大学制度にあります。
さて、ハーバードカンファレンス5日目の紹介に移りましょう。
午前中は、パネルディスカッションが行われました。ハーバード生も他のアジアの参加学生も、少しでも多く自分の意見を言おうと必死で、全く太刀打ちできませんでしたが、議論の進み方や英語の表現などを観察し、非常に密度の濃い時間を過ごすことができました。
昼食後、Tokyo delegatesは3つのグループに分かれて別行動。私はグループ2に参加しました。
グループ1はハーバードのメディカルスクールを訪問しました。メディカルスクールだけで東大駒場ほどの敷地があり、まずその広さに圧倒されたようです。医療の現場などに立ち入ることはできなかったようですが、医学部図書館などを訪問する中で、初の腎臓移植手術(1936年と、非常に近年の出来事!)の記録を見るなどできたそうで、訪問した和田(3日目の投稿)は海外医療への挑戦意欲が非常に高まったと言っていました。
グループ2と3はまず食堂(ハリーポッターのモデルにもなったあの食堂!)を訪れ、2はその後Science Labs, 3はScience Museumを訪問しました。いずれも非常に刺激的な体験でした。さらに2,3は合流後、敷地内のArt Museumを訪問しました。なんとそこにはゴッホやピカソの絵画が平然とおいてあり、ハーバード大があこがれの的になる所以を垣間見たような気がしました。
その後、全グループ集合後、TED Talkに参加。我らがHCAP Tokyoからは髙佐が出演し、「カワイイ文化」について語っていました。各国様々なプレゼンテーションを用意してきており、なかにはジェンダーなどシリアスな話題も見られましたが、全員真剣に聞き入っていました。
夕食後、いよいよパーティタイムへ。本日は「Cheese & Wine」と「Mr. HCAP」の2つが行われました。Cheese & Wineでは、各国の学生は非常に積極的に色々な人と写真を撮っており、私も台湾の学生に「Don't be shy」とそそのかされ、様々な人と写真を撮ってまわりました。
そして、いよいよ「Mr. HCAP」。HCAP Tokyoからは私、登坂と、細谷が参加しました。
Funnyな雰囲気だったTalent Showから一転して、各参加者のアピールは紳士的な雰囲気・・・・・・。
しかしここで存在感を発揮するのが私たちTokyo Delegates。私はピコ太郎に扮し、PPAPを披露。細谷も、ここまでの5日間を総括して、各国の学生のモノマネをし、会場を沸かせました。その結果・・・
・・・
・・・
なんと、Mr. HCAPに私、登坂が選ばれてしまいました!!!
会場全員が「Naokiコール」に包まれ、全員に名前を覚えて貰えたようで、本当に幸せの限りです。
さて、ここまでの投稿で、議論半分、遊び半分、のような印象を受けている方も多いのではないでしょうか。「カンファレンス」の意義とは何なのか、そもそも国際交流にどんな意義があるのかについて少し触れたいと思います。
前日までの投稿でも何回か触れられていましたが、まず日本とアメリカではコミュニケーションの取り方がかなり異なります。日本では、相手の意見をうまく組み取ったり、議論の際には全員の意見をうまく反映することが良しとされる傾向があると思います。そのため、会話のテンポには波があります。一方でアメリカのコミュニケーションは、どんどん話をすることが求められる傾向があるように思います。一方が言葉のボールを投げたら、もう一方はすぐにボールを返すことを求められる、そのような印象を受けました。そのため講義は一方向的なものは少なく、また授業では4コマ中1コマはディスカッションの授業となっており、そこでは「我ぞ我ぞ」とは言わんばかりに学生は発言をします。さらに授業について言うと、発言は居酒屋談義的な内容のないものではなく、明確な知識に裏付けられています。多くのアウトプットをするだけでなく、さらに多くのインプットを求められるのです。
したがって、「コミュニケーション能力」と「自学」が必要不可欠な世界であるように私は感じました。勉強するときはひたすら勉強する、ただし、授業では高速のコミュニケーションを求められるため、彼らはパーティ等であらかじめ仲間と関係を構築したり、コミュニケーション能力の訓練を(それが目的ではないにしろ)行っているのではないでしょうか。
そして、国際交流も、将来協働することになるかもしれない仲間との関係構築のために、彼らにとって不可欠なものなのではないでしょうか。実際、あるハーバード生は、パーティ等に参加することについてこう述べていました。
--勉強だけやっていても、この世界じゃ生きていけない。大学生活で最も大事なことの1つは関係構築なんだ。それはただ授業のためのアイスブレイクや、ただ仲間でワイワイやりたいがためではなく、相手との信頼関係の構築のためでもあるし、あるいはそういうハイテンポな場に慣れておくことで自分のコミュニケーション能力の向上のためでもあるね。とにかく、大学では多くの人と関係を構築することだ、そして私がHCAPに参加しているのはこれが目的でもあるんだよ。
だからこそ彼らは、英語が苦手な私に対しても、積極的に話かけてくれます。実際、私がハーバードや各参加者の出身国の教育制度について舌足らずな英語で話しても、彼らは丁寧に対応してくれました。
人々が信頼関係をより大事にするハーバード大、何て素晴らしいんだ、と思った1日でした。
明日は我らがコメディアン、細谷による報告です。お楽しみに。