お久しぶりです!
HCAP東京大学運営委員会6期渉外担当の宮野です。
今回のテーマは「好きな本」です。
私は少し変わっていて印象的だった本と、好きな小説とを紹介しようと思います。
印象的だった本として紹介するのは吉野源三郎『君たちはどう生きるか』です。
私は高校時代、何かの読書案内で見て借りてみました。タイトルから想像して、青少年に向けた少し固めの本だろうと思っていたのですが、手元に届いたら驚きました。岩波文庫でありながら表紙にも中にもかわいらしい(昭和な感じの)絵が書かれていたのです。内容は、中学生のコペル君が日々の出来事を通しておじさんと対話しながら精神的に成長していく、という物語でした。
この本の特徴は、「常に自分の体験から出発して正直に考えてゆけ」「世間の眼よりも何よりも、君自身がまず、人間の立派さがどこにあるか、それを本当に君の魂で知ることだ」といった教え・思想が、コペル君の日常の経験と結びつけられながら素直な言葉で語られることで、生き生きとしたものになっていることです。高校生向けの本ではなかったな、と思いながらも読んでみると改めて考えさせられることがたくさんありました。
この本は恐らく、人生のいろいろな地点で読みたくなるような、経験を重ねるにつれて毎回気付きがあるような、そういう類の本です。このように一生つきあえるような児童書はすてきだと思います。小学生の頃読んだアミーチスの『クオレ 愛の学校』も、昨年受験期に少しめくっていたら深い話が多くて驚きました。
次に、好きな小説として紹介したいのはフランソワ・サガンの「悲しみよこんにちは」などです。
サガンの小説は、人物の感覚がすてきな表現できらりと描かれていて、その観察と表現の鋭さ・的確さにしばしば驚かされます。舞台であるフランスのおしゃれな雰囲気も好きです。
特に代表作である「悲しみよこんにちは」はサガンが十代の頃書いた小説で、
当時高校生だった私には主人公の思考・感性などがとても共感できるものでした。感傷的ともいえるかもしれませんが私にとってうっとうしい感傷ではなくて、たまたま波長が合ったというところでしょうか。
それにしても新たに読みたい本も読みなおしたい本も山積みです! (机の上に文字通り。泣)
宮野