3.11後の日本について | HCAP東京大学運営委員会(HCAP Tokyo)

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こんばんは。「3.11のときにやっていたこと、その後思ったこと・考えたこと」というテーマに関連して、今回は3.11後の日本について、思いを綴りたいと思います。

日本の歴史上稀にみる危機であった3.11後、日本社会では、被災地の救済・復興という直面の問題に関する声の後を追う形で、この危機が日本社会を長年覆っていた閉塞感を打破する一種のきっかけになるのではないか、という声が海外メディアを含め、随所で聞かれたと思います。この背景には、危機的状況の中で、試練に立ち向かうという共通目的のもと、利害関係等を超えた本質的な議論が可能になるのではないか、新たなリーダーシップが浮上するのではないか、といった期待がありました。

しかし、震災から半年以上がたち、被災地は(依然支援の必要性は高いものの)着実に復興している、というニュースを聞きます。その一方で、日本社会の閉塞感という問題に関しては、打開されなかったという声が強いように思います。これは、そもそも私たちが「何らかの変革が起こる」という漠然とした期待を持ってしまった側面があるのではないでしょうか。「変革」は当然自然発生的に沸き起こるものではなく、人々が起こすものです。その「変革」の兆しが見えず、停滞を感じ、国家としての将来の方向性が不透明であることが、閉塞感の原因の一つだと思います。そして、そのような国家としての方向性、ヴィジョンを見出すことが求められているのではないでしょうか。それは、震災が起きたから、という理由だけで必要になったのではなく、ここ二十年以上常に求められてきつつも実現しなかった課題だと思います。

日本は変われない、と断言するには時期尚早です。しかし、自分自身を含め、私たちは自ら変化を起こさない限り、何も変わらない、ということを意識することが大切だと感じます。その変化が果たして何なのか、私自身今後模索していく必要があると強く思います。

それでは拙文失礼しました。今後ともHCAP6期内メンバーと思いを共有し、外部の方々の意見を伺うことで、考えを深めていきたいと思います。