旅と会話とわたしと | HCAP東京大学運営委員会(HCAP Tokyo)

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HCAP東京大学運営委員会の現役メンバーが更新する公式ブログです。

みなさん、こんばんは!
最近は秋晴れが続いて気持ちのいいお天気ですね。
洗濯日和で主婦(おばぁちゃん?)照下は本当にうれしいです!笑

さて、私は今回の夏休みに一人でトルコ・ブルガリアを20日間ほど放浪していました。バックパッカーおばあちゃんでした。

「大学生になったら絶対一人で海外を旅するんだ!」
それが私の高校時代のささやかな夢でした。笑
自己紹介でもふれましたが、私は中高と岐阜の山の中で寮生活していました。
携帯電話も持ち込み禁止、テレビ、ゲームなどは一切ない環境でしたので、妄想する時間がどっぷりあったわけです。
個室の壁にでっかい世界地図を貼り、世界史の授業で使う資料集を見ながら「あぁ、ここ行ってみたいな~」という妄想を膨らませる時間が寮長、部屋長の仕事と受験勉強とを両立させながら生活していた私の中における至福の時間でした。
で、なぜ今回最初の目的地をトルコにしたのかというと、それもやはり高校時代の世界史の影響が大きくイスラーム建築やアジアとヨーロッパの文化が混在した異国情緒あふるるトルコに魅力を感じて止まなかったからです。
出発前に一度母校を訪問し、当時世界史を教えてくださっていた教頭先生から「地球の歩き方2001」をいただき(10年前の。笑)、ホテルもなんにもとらずにただ飛行機のチケットとバックパック一つで成田を旅立ちました。

現地ではここでは書ききれないほどの経験をさせてもらいました。
現地のトルコ人はもちろん行く先々で世界中からきたバックパッカーの同志にも出会うことができました。(日本からきたバックパッカーに、10年前のガイドブックを使っていること、最初の一人旅にトルコを選んだことなどを怒られましたが。笑)

私が、旅においてもそうですが、日常から大切にしていることは「会話」です。人とコミュニケーションをとるうえにおいて、会話することはとても大切です。
会話を通じて、その人のバックグラウンドの、ほんのひとかけらにすぎないかもしれませんが、今、自分の目の前にいる人の何かしら情報を得ることができます。

佐藤健二教授のことばをおかりすると、人間が使う「ことば」は個人を析出し社会を形成する現象を素材とする道具なのです。

他者を理解し、社会を理解するには積極的な会話のかたちでのコミュニケーションが必要だと思います。HCAPではミーティングや勉強会を通じて積極的な会話が行われています。またカンファレンスにおいても重要なのは、この会話です。ハーバード生との会話を通じて一つの空間を共有していかなければなりません。

自分の思っていること、考えていることを、声という道具を用いて身体を共振させ他者と空間を共有する。それが意味の共有につながり、社会の形成につながる。

普段、何気なく行っている会話には社会をつなげる役割があるのです。

旅先で出会ったいろんなバックグラウンドをもった多くの人たちと会話することを通じて、自分の身体をふるわせ、空間を共有したことで、自分がいつも広げていたよりもさらに広い範囲で意味の共有を広げられることができました。

旅という行為は、日常の中における非日常性を経験する場であり、新鮮な感覚を得られるものです。
しかし、そこに普段行っている会話という慣れ親しんだ行為を付け加えてみても、その何か新しいことに触れるという感覚は減るどころか、自分と他者とをつなげるということでより新たな発見ができ自らの社会を広げることができるのです。

高校時代の夢を果たすことができたこの夏、私はより広く自分と他者との関係をつなぎ、広げることができました。

次はアフリカにバックパック一つで旅する予定です。
アクティブなおばぁちゃんは会話することを楽しみながら、余生を過ごしていきますよ。笑