昨日は昼の部を観てきました
・夏祭浪花鏡
『夏祭浪花鏡』は浪花の夏芝居、大好きな演目のひとつで楽しみにしていました
序幕の「住吉鳥居前の場」では、出牢してむさくるしい身なりの団七が床屋に入って髪や髭を整え颯爽とした浴衣に着替えて現れるところ、さすがに染五郎さん、かっこよかったです
そのあとの団七と松也さんの一寸徳兵衛が達引をみせ、団七女房のお梶が割って入る立ち廻りも粋でかっこよかった
二幕目の「難波三婦内の場」では高津宮の夏祭を背景に、徳兵衛の女房お辰は、顔に鉄弓を当てて火傷をしても自分の気持ちを曲げない義侠心、そして顔は傷ついてもここだよと胸をたたいて花道をいくお辰、時蔵さんもかっこよかったです
大詰は、泥場とも呼ばれる「長町裏の場」です。
欲深い舅義兵次を団七九郎兵衛が長町裏の泥沼で手にかける場面で、親殺しは死罪とわかりつつも、悪態をつく義兵次を追い込んでいく団七九郎兵衛、見得見得の連続でこれぞ歌舞伎の様式美という感じでした
近くで高津宮の祭囃子が聞こえ祭の灯りも見える泥場で陰惨な殺し、明暗がくっきりしてこれも歌舞伎らしい色彩美、悪の美学でしょうか。
以上、今回『夏祭浪花鏡』をみて印象に残った部分の羅列でした
初めて『夏祭浪花鏡』をみたのは、大阪城の西の丸庭園であった平成中村座でした
団七九郎兵衛は勘三郎さんで、義兵次は笹野高史さん、それはそれは壮絶な殺しの場面、祭囃子は大阪市内の某神社の社中が担当されお祭りモードそのままにすばらしく、ニューヨーク市警のポリスがでてきたりとダイナミックでエンターテインメントな演出で『夏祭浪花鏡』が大好きになりました
二度目にみたのは愛之助さんの団七九郎兵衛、これは通し狂言で、お鯛茶屋の場からはじまり、特に磯之丞と傾城琴浦の関係性とかが分かりやすく、今回もその時の番付を出してきて予習しました
その時の番付をみて、傾城琴浦が尾上右近さんだったとは、もっとちゃんとみておけばよかったと思いました(鯉つかみの時の小桜姫は覚えてますよ)
今回三度目の『夏祭浪花鏡』 話しの内容も繋り、ラジオの邦楽ジョッキーで中村隼人さんが「歌舞伎役者なら、団七九郎兵衛は一度はやりたいお役」っておっしゃってたのもよくわかりました
やっぱり『夏祭浪花鏡』見どころ満載の素晴らしい舞台でした
・二人道成寺
白拍子 花子 中村時蔵
白拍子 桜子 片岡孝太郎
お二方ともに、ベテランでいらっしゃるので、舞踊も安定しているし、衣装の引抜きなども何気なくされるので、黒子さんは大変なのだろうと思いますが、観てるほうとしては楽しく拝見しました。
『夏祭浪花鏡』と『二人道成寺』、良い取り合わせでした
昨日は12日でしたが、もう舞台写真もでてました今月は早いですね