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セミリタイアを目指すサラリーマン大家 マンション管理のお勉強

ワンルームマンション7部屋所有するサラリーマン大家。セミリタイアを見ざし、管理組合理事としてのマンション管理の勉強、賃貸の自主管理に向けての勉強を行っています。

令和7年のマンション関係法改正により、マンションの新たな再生手法(建物・敷地の一括売却、一棟リノベーション、建物の取壊し等)、それらに対応した事業手続等が創設されたことを踏まえ、既存のマニュアル等の見直しが検討されています。検討状況の資料を参照し、気になった点をメモ書きしましています。今回は令和7年8月29日の第1回の検討内容についてです。

第1回(開催:令和7年8月29日)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr2_000064.html

●「建物の更新(一棟リノベーション)」の対象工事
・一棟リノベーションを行う際の必須の要素として、耐震改修工事が含まれていると認識。
築 40 年以上の建物のうち、既に新耐震基準のものも含まれていると考えるが、この場合でも耐震改修工事は必要か。
→一棟リノベーションを行う際、耐震改修工事を行うことは必ずしも要件でない。ただし、躯体の維持回復は必須であり、対象の建築物が新耐震基準に適合しているかどうかに応じてその程度の問題はあると考えられる。

●「建物の更新(一棟リノベーション)」における転出権利者
・転出する権利者から売渡しで取得して販売せざるを得ないとなったときには、既存の躯体が残っている点で、売主責任の部分のハードルが非常に高くなる点が課題。既存躯体の調査から維持回復の部分も含めて、技術的な指針等、最終的なお墨付きとなるよう、例えば認定、評定のような制度も示していただけると事業者としては参画しやすくなるのではないか。

●客観的事由の判定方法
・要除却等認定の取得が必須ではなくなり、「客観的事由に該当する」という専門家、コンサル、ゼネコン等による判断がどこまで有効か、という点で、要除却等認定を取得することが多くなるのではないか。
・除却等を必要とするかの判断は困難であり、結局は要除却等認定を取得しなければ進められず、現行のマンション敷地売却事業とそこまで変わらない可能性があるのではないか。要除却等認定によらない手法がマニュアルの中で示すことができるのか、興味深い。
・ 耐震性不足は活用しやすい事由であるが、他の事由は実務的には判断が難しい面も多く、客観的事由の判定方法については、実務的な側面からもマニュアルの中で整理されることを期待したい。

●賃貸借の終了請求(手続き・補償)
・借家人ヘの通損補償について、「公共用地の取得に伴う損失補償基準(昭和 37 年 10 月 12日用地対策連絡会決定)」(以下「用対連基準」という。)に準拠すべきか、改めて検討が必要。特に営業借家への補償に懸念があり、合意形成や事業成立が困難となる事態が容易に想定される。深掘りする必要があるのではないか。
・現行のマンション敷地売却事業と同様に、省令等で用対連基準を規定することになるのか。規定するのであれば、そこに当てはまるのかという議論でしかないかと思うが、実務的には、現行のマンション敷地売却事業でも、事前の立退き交渉のような形で進めていかなければ、資金的には成り立たない。
・ 全ての事業で用対連基準をまともに活用するとなると、その是非は別として、事業として成り立たなくなる中で、マニュアルに記載できるかは別として、用対連基準の活用が原則的になるのか、進め方がどのようになるのか、については実務上非常に大きな問題。
・現在でも、必ずしも用対連基準を活用せずに任意の交渉等の手法でやっている事例がある中で、用対連基準はあくまでも1つの手法として参考にするものであり、必ず用対連基準を使わなければならない、というわけではない。
・ これまでどおり、賃貸人と賃借人の間の任意の交渉や、建築物としての状態が非常に悪い場合に借地借家法に基づく解約申入れ等による立退きもあると思われる。
・ そういったことが困難な場合、補償金が青天井とならないよう、交渉のベースラインとなるような金額を支払うことで基本的には賃貸借が終了する、という点をお示しできればと考えている。
・今回の賃貸借終了制度は、これまでの賃貸借終了事例を全否定するわけではなく、建替え決議がなされた場合が賃貸借終了の事由として1つ増えたとして考えるべきであり、青天井になるのを防ぐ非常に大きな意義。活用方法、最終的には用対連基準よりも低い金額になるという点をマニュアルとしてしっかりと示すことができれば、建替等の場面における非常に大きな武器。
・実務的には、営業借家以外はこれまでもトラブルもあまりなく、住宅についてはわざわざ用対連基準を持ち出す必要はないと考えており、賃貸人と賃借人との間の通常の交渉の中で進めていくことが基本であると解釈できるような書き方でお願いしたい。

●売渡し請求における時価の考え方
・論点の1つとして、正常価格か、特定価格かという点がある。売渡し請求における時価を正常価格として考えている鑑定士が非常に多いが、最有効使用は基本的に建替えを前提としたそのときの計画案が元となるため、特定価格であると考えている。
・ 一棟リノベーションやマンション敷地売却について、当該建物敷地の最有効使用をこれまでほとんど鑑定したことがなく、今後整理を考えていき、色々と他委員のご意見もいただきたい。

●マンション再生事業等における登記手続
・売渡し請求において、所有権移転登記ができない売渡し請求をかけた組合が登記名義を得られないというケースが多々存在し、事業によっては二重譲渡をされるリスクもあるということで、わざわざ処分禁止の仮処分の登記を行うなどしており、まさに円滑な事業推進の障害になっているところもあるため、登記関係から見た事業円滑化の推進の方法についても色々と検討していきたい。
・実務上、組合がいつどのような登記ができるのか、また、相続が発生している、住所が異なっている等、組合員の協力を得られなければできない登記も多数あり、マニュアルの中でも記載できれば一番望ましいと考えている。

●除却認定の見直し
・現行のマンション敷地売却決議では、決議前に買受計画の認定手続が存在し、その中で代替建築物等提供計画を定めることになっていたが、今回の法改正により、代替建築物等に係る規定が基本的になくなった。一方、合意形成の円滑化のためには、事業者にあまり負担にならない程度で、住宅政策と連携しながら、代替建築物をどのように提供するのか、という点について、法的な位置付けがなくなったこともあり、マニュアル上では少し丁寧に記載する必要。
・代替建築物等提供計画について、今回の法改正により、居住の安定確保に関する責務に置き換えられたと認識しているが、この点をマニュアル上しっかりと明記いただきたい。