(1)繊維強化セメント板の概要
・石綿以外の繊維で強化成形したスレート(波板及びボード),けい酸カルシウム板及びスラグせっこう板の総称。
●種類
〇スレート
・セメント、繊維および混和材料を主な原料とした製品。
〇けい酸カルシウム板
・石灰質原料、けい酸質原料、繊維および混和材料を主な原料とした製品。
〇スラグせっこう板
・スラグ、せっこう、繊維および混和材料を主な原料とした製品。
(2)スレート
1)スレート波板の用途
①大波
・屋根、外壁
②小波
・外壁
2)スレートボードの特徴、用途
①フレキシブル板
・高い強度と靭性を持ち耐衝撃性にも優れる。
・素材のまま、あるいは有機・無機塗料などによる化粧板として、ビル・工場・駅舎などの内壁・外壁・天井などに使用される。
・板厚の厚いものは、その高い性能から、鉄道・道路の遮音壁に使用され、また無機質塗料化粧板によるトンネルの内装仕上げ材としても使用されている。
②フレキシブル板A
・フレキシブル板と比べて吸水率は若干高くなるが、吸水による長さ変化率を小さくした材料で、主に内装に使用される。
③軟質フレキシブル板
・主にこれを基材として塗装、化粧シート、つき板などで化粧し、化粧不燃材として内装に使用されている。
・曲げ強さはフレキシブル板と同様であり、加工性、化粧性、可撓性に優れているが吸水率は若干高くなる。
④平板
・フレキシブル板に次ぐ性能でスレートボードの普及品。
・住宅の台所や軒天井など内外装の防火用建材。
⑤有孔板
・スレートボードに吸音用の貫通孔をあけたもので、グラスウールやロックウールのような他の吸音材料組み合わせて効果的な働きをする不燃吸音材料。
・公共施設の内壁・天井、騒音の激しい地下鉄の駅の内装として使用されている。
・住宅の換気用軒天にも不燃材として使用されている。
※各材料とも、化粧板下地としても利用可能。
(3)けい酸カルシウム板
・けい酸カルシウム板は、オートクレーブ処理をしているため、強く安定した結晶構造を持ち、結晶構造を持たない他のボードと比べて経年変化、温湿度による変質・変形が少なく、安定した品質を持つ不燃材。
・軽量で加工性に優れ、断熱性能も兼ね備えている。
1)タイプ2(かさ密度0.8と1.0)
●特長
・ウエットマシンで抄造。
〇不燃材
・主原料が無機質。
〇内装材としては比較的水濡れに強い
・オートクレープ処理(高温高圧蒸気養生)した、強く安定した結晶構造を持った製品。
・内装材の中では比較的水濡れに強く、厨房、洗面所、便所等室内の水周りおよび地下室に使用できる。
〇耐衝撃性
・繊維質の補強効果による粘り強い材料で、耐衝撃性に優れている。
〇寸法安定性
・オートクレープ処理(高温高圧蒸気養生)を行っているので、安定した結晶構造を持ち、湿気に対する寸法変化が小さい。
〇施工性・加工性
・軽量で粘り強く木材や合板と同様にのこびき、ドリリングねじ、くぎ、ステープル等で簡単に留め付けられる。
〇カビ抵抗性
・アルカリ性なので、カビ抵抗性がある。
〇仕上げを選べる
・塗装、クロス張り、タイル張り等各種の表面仕上げが選択できる。
●用途
・主に天井・壁などの内装用に使用される。
・ビル・工場・倉庫・店舗・学校・病院・学校などの天井、壁や軒天井。
・特殊建築物・高層ビルなどの防火区画壁や内装制限を受ける天井、壁。
・積層板(厚物)は、カーテンウォール等のバックアップ材、立体駐車場や倉庫などの耐火外壁。
●種類
①平板
・けい酸カルシウム板の素板で不燃、防・耐火建材としてそのまま使用したり、化粧板の基材となる。
②積層板
・平板を2枚以上積層(接着)した厚板。
③有効板(貫通板)
・平板に貫通した穴を開けた製品。
・裏面に空気層を設けたり、ロックウール等の吸音材を併用したりする事により、より優れた吸音性能が得られる。
④化粧板
・平板の表面をサンダー処理などで平滑にし、シーラー処理後にUV塗装、シート張り、突き板張りなどの化粧仕上げを行った製品。
2)タイプ3(かさ密度0.2と0.5)
・ボードプレスで圧縮成形。
・主に鉄骨柱・はりの耐火被覆用及び不燃内装用として使用される。
●特長
〇不燃材
・加熱されても有毒なガスや煙を発生しない。
〇軽くて丈夫
・取り扱いが簡単で作業性に優れる。
〇加工性に優れている。
・木材と同様にのこびき、くぎ打ち、かんながけ等が容易で施工が簡単。
〇材質が安定
・オートクレープで高温高圧で水熱合成反応を行っているので材質が安定しており、経年変化、温度による変質、変形が少ない安定した品質を保つ。
〇仕上げが容易
・製品表面の精度が良く、クロス張りなどの仕上げが容易にできる。
※各材料とも、化粧板下地としても利用可能。
(4)スラグせっこう板
・製鉄所から産出する高炉水砕スラグと、火力発電所の排煙脱硫装置等から副生される二水石膏を主原料として、常圧で反応硬化させた不燃材。
・スラグ・石膏の他に、新聞古紙を主体とした補強繊維と、軽量骨材などを混合して、丸網抄造機による抄造法で成形する。
この成型法は製紙の技術(紙抄き)を応用したもので、繊維に粉体を吸着させて、円形の金網で連続的に抄き上げ、それを規定の厚さまで円形のドラムに巻き取り、その後平面に展開して板状とするもの。
●特長
〇防火性能
・石膏はもともと多量の結晶水を持っているため、火災の際は、その結晶水が気化熱を奪い雰囲気の温度上昇を遅らせる。
〇環境負荷
・せっこうは火力発電所の排煙脱硫装置等から産出される副産物で、スラグも鉄の生成過程から産出される副産物。その他、新聞古紙などの繊維も再利用している。
〇加工性
・木に近い柔らかい材質で、木材同様に丸鋸や錐・カッターなどを使用できる。
〇経済性
・硬化反応の過程でもオートクレーブなどの多量のエネルギーを使わないので、価格的な優位が保たれている。
●用途
・一般住宅の軒天及び内装。
・病院・ホテル・オフィスビル等の内装・間仕切壁など。
・防火性能が高いため、軒天やベランダ下地などの建築現場に積極的に採用されている。