(1)木質系セメント板の概要
●木質系セメント板とは?
・木毛、木片などの木質原料とセメントとを混合し、板状に圧縮成形した材料。
〇JIS A 5404 木質系セメント板 HW,MW,NW,HF,NF
・主原料として木毛・木片などの木質原料及びセメントを用いて圧縮成形し,主に建築物の壁,床,天井,屋根などに用いる板。
●特長
・木材に由来する断熱性、調湿性、軽量性とセメントに由来する防火性を兼ね備えている。
・吸音性、遮音性にも優れる。
・原材料の木毛や木片は間伐材や端材から製造できるため、省資源という特長もある。
・アスベスト、ホルムアルデヒドなどの有害物質を含まないため安全性も高い。
・のこぎりで切断したり、くぎを打ち付けたりすることもできるので、加工性、施工性も良好。
●種類
・使用する木質原料の最大長さ及び製品のかさ密度によって分類される。
〇木毛セメント板(もくもうセメントばん)
・主に間伐材・未利用材及び製材残材等をリボン状に削り出した木毛をセメントと混練し圧縮・成型した建築用のボード。
〇木片セメント板
・木質原料の最大長さが50mm以下のもので、木質原料-フレーカーを用いて製造した薄片(フレーク)とセメントを主原料とし、少量の水などと混練した混合原料を、板状に圧縮成型した材料。
・製品のかさ密度が0.6以上0.9未満のものを普通木片セメント、かさ密度が0.9以上のものを硬質木片セメント板をいうが、普通木片セメント板は、現在国内での生産はない。
(2)木毛セメント板
1)木毛セメント板の特徴
〇省資源
・間伐材・未利用材の有効活用。
・製造時の端材・残材等のリサイクルを推進している。
〇防火性
・木毛セメント板は、建築基準法の代表的材料として明記されている。
〇安全性
・アスベストなどの有害物質は一切含んでいない。
・シックハウスの原因となる有害物質は含んいない。
〇音響性
・遮音性及び吸音性に優れている。
〇断熱性
・空気層による断熱効果を発揮する。
〇調湿性
・水分の吸・放出効果により室内の調湿性を行う。
〇脱臭性
・アンモニアやメチルアミン等の脱臭性に優れている。
〇加工・施工性
・切断が容易であり、釘、ビス留めができる。
2)主な用途
・断熱性・吸音性・遮音性その他様々な各種性能面より、主に屋根や外壁の下地材として使用されている。
・住宅のモルタルの下地に適しているほか、工場、学校、スポーツ施設、ホールなどの屋根下地や壁下地に使われている。
・特徴のある意匠性により内装材などにも使用されている。
(3)硬質木片セメント板
1)硬質木片セメントの特徴
〇耐火性
・所定の材料との組合せによる構造で、屋根や外壁の防耐火構造として認められている。
〇加工・施工性
・曲面施工が可能で、さまざまなデザインに対応できる。
・平板18mm製品は曲率半径8mまでのアーチ状に施工できる他、曲面加工された製品では最小2.5mの曲率半径まで対応が可能。
・表面は粗いストランドで形成されており、強靭で滑りにくく、安全に施工できる。
・のこぎりでの切断や釘打ちができるなど加工性、施工性に優れている。
〇遮音性、断熱性
・優れた遮音性能に加え、断熱材との複合製品では高い断熱性能を発揮する。
2)主な用途
・主用途は鉄骨造の屋根下地(野地板)。
・その他に外壁や軒天井などにも用いられる。
・難燃材料であり、防火地域の住宅等の外壁として使用が可能。
・モルタルなどのセメントを基材とする資材は、クラックが入りやすいといった欠点があるが、木片セメント板では、木材を混入することで耐凍結融解性が高くなりクラックが起こりにくくなる。