第60回日本肺癌学会レポート 「いつもと逆」ロングバージョン その③ | NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

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2024年4月、10年目突入。肺がん患者・家族の「いきる勇気」につながればいいなと思っています。

みなさんこんにちは!

 

 

 

今回実施するアンケートでは肺がん患者における遺伝子パネル検査に関わる状況を把握し、今後の肺がん領域における遺伝子パネル検査の実施環境をより良くすること、および、検査結果データのガイド作成を検討することを目的としています。

 

 

是非ともご協力をお願いします。

 

 

アンケートはオンコロさんのページにて!

 

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今日は、
第60回日本肺癌学会学術集会 患者・家族向けプログラム
「いつもと逆? 医療者から患者・家族に聴きたいこと」
 
ロングバージョンでの「いつもと逆?」(全4回)
第3回です✨ 早速どうぞ目
 
 
 
<第3回>
 
昨年開催された日本肺癌学会学術集会の患者・家族向けプログラムでは、医療者からの質問に患者・家族が回答する機会を設けました。
題して、「いつもと逆? 医療者から患者・家族に聴きたいこと」。今回は8つ目の質問からお届けします。

 
 
8つ目の質問は、「がん治療において、最も望むことは何ですか?」
選択肢として、(1)OS(=全生存期間)、(2)PFS(=無増悪生存期間)、(3)QOL(=生活の質)、(4)治療費が安い、の4つが挙げられました。

 
 
ですがそもそも回答者がOSやPFSの意味を理解しているかが不明で、医療者から説明がなされました。
それによれば、OSは「どのくらい長生きできるかということ」で、医療者の世界ではこれが一番大事と考えられているとのことでした。

 
 
またPFSについては、「薬を使いながら収まっているいまの状態が、どのくらい続くかということ」という説明でした。
くわえてQOLは、「いろいろな副作用があっても、それを乗り越えて治療を続けていくかということ」という説明がありました。

 
 
回答を募ったところ、(3)のQOLに「YES」とした人が半分以上で、(4)に「YES」とした人は2名でした。残りは(1)と(2)が半々、という結果になりました。
 
 
この結果については医療者から、アメリカでこうした質問が出た場合への回答と比較した発言がありました。日本では健康保険がほとんど適用されるので(4)という回答は少ないが、アメリカでは2番目くらいにくるとのことでした。
また研究者は(2)に手を上げるが、臨床医は(3)を一番とするとのこと。それは日常の診療で患者の声を聞いているから、とのお話でした。

 
 
 
続く9つ目家族への質問で、「手術後、家族は血まみれの、生の肺を見ながら手術の説明を受けたいですか?」でした。
結果、「YES」という回答が15名ほどからありました。

 
 
これには会場の医療者から説明が加えられ、「血まみれの肺を見たいか」でなく、「手術で取った肺を見ながら説明を受けたいか」という主旨の質問だのことでした。
また、ゲノム医療が進んだ昨今では、遺伝子診断に支障がないようにと考えると、摘出後1時間以内に冷凍庫に収めなければならないという事情も伝えられました。

 
 
その上で再度回答が募られると、それでも「YES(手術で取った肺を見ながら説明を受けたい)」という人は1名になりました。
 
 
会場からは、「事前にそうした説明があればいい」との意見が出ました。
説明なしに「見せられません」では納得がいかない。でも、「取った肺はすぐに検査に出すんで」といわれれば、とのことでした。
手術の事前説明のときに、そうした説明があれば問題ないのではないかとの意見もありました。

 
 
 
さて、10番目の質問「予後の説明は、診断時、治療変更時など、どのタイミングがよいですか?」でした。
「予後」自体の説明が必要ではないかという発言が会場の医療者から上がりましたが、「余命のこと」という説明や、「この場合は、今後の治療方針なのでは」という意見もありました。

 
 
この質問をした人の本意が分からないので判断は難しいが、それでも会場の意見が聞きたいという医療者の発言があり、回答が募られました。
結果、「診断後」「治療変更時」のいずれも多くなく、「どちらの時点でも必要」という回答が圧倒的でした。

 
 
医療者からは、この質問では「予後の説明」といわれているが、医療者としても予後がはっきり分かっているわけではないという発言がありました。
よって、「教えてほしい」といわれてもなかなか難しいこともある。そういうことを知っておいていただければというお話でした。

 
 
 
くわえて、11番目の質問
それは、「患者としてどこで亡くなりたいですか? 家族としてどこで看取りたいですか?」でした。
(1)家で、(2)病院で、(3)その他の3つの選択肢が示され、患者、家族それぞれに回答が募られました。結果、患者からの回答は「病院で」が圧倒的でした。また家族からは、「家で」と「病院で」がほぼ同数の回答を得ました。

 
 
この結果を前提に会場の参加者からは、「医療者からのアドバイスがほしい」との意見が出ました。
その背景には、「人生会議」が話題となってもいる昨今、在宅で看取ると家族は「頑張ったね」といわれ、病院で見送ると「病院にお任せなのね」と思われがちなのではないかという懸念があるようでした。

 
 
それに対しては在宅医療の経験もある看護師さんから、「どこで亡くなりたいか」よりも「どう生きたいか」が問題なのではないかという発言がありました。
 
 
ぎりぎりまで自宅で豊かに過ごしても、最後の最後はそこでは難しいという場合もある。それにあえて白黒をはっきりつけようとせず、揺れてしまうこともあっていい。
人生の最終段階をどう生きるか、どこでどう誰と生きるかということが大事なはず。なのに「どう死ぬか」という議論になってしまう――そのことに対する残念な思いが示されました。

 
 
また病院での診療に携わる医療者からは、「患者さんそれぞれであっていい」という意見が出ました。
 
 
自宅に帰るのがハッピーな人もいるし、かえって不安になる人もいる。在宅になれば、訪問看護などのサポートを受けても家族の負担はそれなりだし、最後の最後に家族がくたびれてしまうこともある。
「こうじゃなきゃいけない」ということはなくて、「私はこうしたいんだ」といってもらえるとみんながついてくる。なので、ぜひそういうふうにしていただければ、というお話でした。

さてここまでで、「YES」「NO」で答えられる質問は終わりました。
最後に、会場の医療者からのコメントが求められたり、「YES」「NO」では答えられそうにない質問についての議論が続きました。
ですが、それはまた次回に!




 

 

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