なんとかなるさ ~AYA世代のひとり がんと向き合う気持ち~ その2 | NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

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2024年4月、10年目突入。肺がん患者・家族の「いきる勇気」につながればいいなと思っています。

前回の前半の続きです。前回はがんのこと、仕事のことなどを聞きました。今回は、女子トークな感じで恋愛や結婚のことのことからスタートです。AYA世代には欠かせないテーマですね。

 

 

 

 

 

 

― 恋愛のことを聞いてもいいですか。結婚を考えていますか。
 

病気がわかったときも、今も恋人はいません。将来的には結婚したいという気持ちは当然あります。一応気になってる人はいて、自分の夢に向かって今頑張ってる途中なので、それは邪魔しちゃいけないなと思いながら、今はまだ片思いです。同じくがん患者の方で、同い年です。
 

いろいろ考えちゃうんですよ。その人は今は夢に向かってやっていて、でも、その職に就いたとしても、多分、収入的にはそれほど多くはないから。その人のがんは落ち着いてるのかな。昼間は働いて、夜間学校に行っています。すごいなと思って、そこから尊敬っていうか、あこがれというか。でもまだ片思い。私片思いが好きみたいで。妄想してる自分が好きみたい。
 

病気になってから、一回、頑張って見つけようと思って、お見合いパーティーとか、そういうところには行ったんです。そのときは正直に全部話して、それでもいいって言う人じゃないと嫌だっていう気持ちがあったので、私、病気持ちですとか言いました。そして、ちょっと体調崩しちゃってと切り出して、どうなの?どうなの?と聞かれて、いや、実は肺がんですと言うと、やっぱりカップルにはならなくて(笑)。
 

それはよくないなっていうのは勉強して、何回か行って、そこでちょっと気が合いそうだなと思った人と2回ぐらい遊びに行って、すごい楽しかったんです。けれども、そういう話をちょこっとして、そしたら転勤になるって言われて、それ以降連絡がなくなりました。
 

それはそれでいいかなみたいな(笑)。隠してまで恋愛したくないというのはありますね。でも、違うがんの患者だけど、病気になってから結婚した人によると、つき合ってから言っても全然問題ないよって。もしくは、結婚とかになると言わないといけないけど、つき合うだけだったら隠しておいてもいいんじゃない?みたいなことも言われた(笑)。うーん、そうか、そうなのかと思って。
 

でも、病気のことは隠すつもりは全然ないです。(実名でやっている)Facebookでも、普通に言ってます。肺がんになっちゃったことは仕方ないので、共存していくしかないなって、病気になって数カ月でもうそう思うようになりました。しょうがないなと思って、長生きしてくれやみたいな感じです(笑)。
 

今もまだ悩んでるんですよ。恋人にするならば、同じ経験を持ってる人がいいのか、健常者のほうがいいのか。同じ経験してる人だと、どちらも稼げなくなる場合もあるじゃないですか。そうすると生活はきつくなるなと。でも、健常者と結婚したら、健常者の収入はあると思うんですけど、子どものことを考えると、健常者の人は難しいのかなとか。
 

子供は産めないことはないと思うんですけど、2、3年薬をやめなきゃいけないじゃないですか。2、3年やめたら、私、死んじゃうなと思うんですよ(笑)。だから健常者の人で子どもはいなくていいよみたいな人だったら別にいいんですけど、なかなかね。それに本人はいなくてもいいよって言っても、両親が孫の顔見たいとか言うかもしれないし。
 

20代のときは、子供が欲しいという気持ちが自分にありましたけど、病気になってからは別にいいんじゃないって。ペットとかと一緒に過ごせればいいんじゃないかなって思います。
 

治療開始前に卵子をとっておくという話は主治医はしてくれなくて、私もそういうのは全然調べなかったです。たとえ卵子を取ってたとしても、どうなのかな。それが使える日は来るのかな。今の状況だと薬を飲んでる限り使えないじゃないですか。飲まなくていいよっていう日がいつかくることもないじゃないですか。どうなんですかね。
 
 
 
 
― 治療について勉強していますか。
 
 

調べて、生存率を見て、低すぎたので、これは調べると私はだめになると思って、調べることをやめました。あえてやめました。調べすぎて、逆に落ち込むんだったら調べないほうがいいと思って。ただ先生に言われたことをやってりゃいいかなと思って。無知でいたほうがいいこともあるかなと思って。すごい調べて、治験とかも調べて、この治験やりたいとかっていう人もいるじゃないですか。すごいなと思うんです。
 

 
― がんが分かって、友達の反応はどうでしたか。
 
 
 

友達には病気のことをメールで知らせてしまったので、後々怒られました。そんなことメールでするなっていって(笑)。率直にステージ4だって伝えました。そしたら、一部の友達はすぐ集まってくれて、ご飯食べに行こうっていって、大丈夫だよっていって励ましてくれて。一部の友達はそういうお水がいいよ、ラジウムがいいよ、て調べてくれて。あと、お守りいっぱい買ってきてくれたりとかしてもらいましたね。
 

子育て中の友達はちょっと疎遠にはなってはいますけど、一番仲のいい3人の友達は離れてないですね。病気のことも話しますね。また脳転移しちゃったよみたいな、またちょっとやってきちゃったみたいな感じで、深刻にならないように。
 

一人の友達が自分の身内にもがんを経験している方が多くて。私を外に出してあげないと悲観的になっちゃうって思ってくれて、結構いろいろ外に連れ出してくれます。ここ行こうよ、あそこ行こうよって。あとの2人は心配症なので、あんまり遠くへ行くと疲れちゃわない?とか心配してくれます。
 

病気になる前と後で、自分も変わってないし、友達も変わってない。ちょっと、がんが加わっただけ。Facebookにそれを書いて、離れていく人は離れてってもらって構わないし。今、結構Facebookってがんの友達のほうが多いんですよ。新しい友達は、ほとんどがん関係の人のほうが多くて。

 
 

― 若年性がんサバイバーの交流会があるんですね。やっぱりワンステップと違う?
 
 
 
 
交流会は今はSTAND UP!!とみのりcafeがほとんどです。STAND UP!!は若年性で、罹患の年が35歳までの人たちの集まりなんですけど、そのほかの方の集まりもあって、それが、みのりcafeっていうところでやってる交流会なんです。基本的にはSTAND UP!!のメンバー半分ぐらい入っています。そこでお酒飲んでいろいろ語り合ったりとかして。
 

ワンステップは若干年齢層が高いですよね。STAND UP!!は、学生の乗りみたいな感じなんですよね。みんなでわいわいみたいな(笑)。STAND UP!!に入る人って結構元気な人が多い。体調的にも、精神的にも元気な人。みんなから元気もらえるし、私も元気あげてるのかわかんないんですけど。だからお互いにWin-Winみたいな感じで。
 
 
STAND UP!!も、みのりcafeも、四半期に1回会合があるので、都合が合えば毎回行っています。STAND UP!!は若干若い子が多くなってきて、話についていけなかったりしてます。
 
 

 

― 若いのに保険に入っていて、しっかりしてますね。どんな保険ですか。
 
 
 

掛け捨ての生命保険で、特約でがんの一時金オプションをつけていたんです。卒業後、正社員で最初に入社したときに、保険のおばさんが来て、貯金もできて結構手厚いからっていって、入りました。がんと診断されたら、保険料を払わなくてもよいという特約を付けていたので、保険料は払っていません。ただ、30年契約なので、48歳までしか使えないので。その間にまた新しいのに入れたら入りたいんですけど、なかなか今ってないじゃないですか。
 

脳転移のサイバーナイフのときも手術という扱いで給付金は出ました。入院や手術ではお金はもらえますが、抗がん剤の通院では出ないです。25歳ぐらいに一回見直そうと思ってたんですよ。だけどなかなかしなくて、そしたら病気になっちゃった。生命保険に入ったのは、たまたまですね。保険のおばさんに押し切られた感じ。私ががんになってからは家族はがん保険に入ったか、入り直しました。
 

 
 
― 20代でがんになったことをどう思っていますか。
 
 
 
 
祖父がC型肝炎から肝臓がんになって亡くなっています。あと、祖母の姉が乳がんを経験したけど治って老衰で亡くなっています。がん家系って言えるのかな。
 

がんになったのは、多分働きすぎかな(笑)。早朝6時から夕方5時までを週5でお弁当屋さんで働いていたので、ほとんど家には寝に帰るようなもんでした。休みの日もゆっくり休めてはなかったので、多分それがたたったのかなっていうのはあるかな。
 

がんになって、ほどほどでいいんじゃないか、フルで働かなきゃいけないっていう考えはないです(笑)。もし、がんになってなかったら、今も同じようにフル回転で働いていると思います。がんになってよかったのは、まず体を休めることは大事だなっていうのはわかりましたね。
 

病気になる前は、そうは思えなかったですね。パートだったんで、働けば働くぶんだけお金になるっていう感覚だったので、お金、お金みたいな感じで(笑)。正社員だったらまた違ってたと思うんですけど、パートだったので、人がいなかったら、じゃあ替わりに入りますみたいな感じで働いていました。今が、いい感じです。
 

 
 
― がんになってからの肉体的な辛さはありますか。
 
 
 
 
 
気管支鏡の副作用の40度の熱が出たときが一番つらくって。あとは特にないですね。体力低下はもともとだったからな。
 

体力を維持というよりも気分転換的に毎朝起きたときにラジオ体操はやっていました。今はちょっとさぼり気味ですけど、ベランダ出て日を浴びながらやります。それから、家の掃除、床ふきとか家事をして体力をつけるようにしましたね。あとは天気のいい日は午後に散歩行ったりとか。、区のスポーツセンターで一回いくらかで使えるところに行ったりします。
 

 
 
― がんになってからの精神的な辛さはありますか。
 
 
 

最初の薬を飲み始めたときは、夜寝るときは怖かったですね。次の朝、目覚めなかったらどうしようって。薬の効果が出てるのかまだわからず、これを飲んでて大丈夫なのかって不安でした。次の朝、目覚めて、生きているわって思う。CT撮って、薬の効果が分かるまで続きました。睡眠薬を飲んだりはしていないです。明日目覚めなかったらどうしようって思いながら、ぐわーって寝ちゃうんです(笑)。
 

 
 
― 今、何か目標ありますか。
 
 
 

私が会うSTAND UP!!の人は、芯が強い人、やりたいこと、目標がすごいしっかりしてる人が多いかもしれないです。医療系の道に進む人が多いので、多分病気が関連してるんじゃないのかな。私は鍼灸が気にはなったんですけど、学校いくのにお金がかかるじゃないですか。治療費でいっぱいいっぱいなので。時間もかかるし、急変したら卒業できるという保証もないし、無理かなって思ってます。STAND UP!!の人はみんなそういう道に行っているから、自分もいかなきゃいけないみたいな感覚に最初なったんですけど、自分は自分。自分ができることを、自分の好きな仕事してればいいんじゃないかな。
 

目標は今は特にありません。まあいずれ誰かと結婚できたらいいかなとは思います。
 
 
 
 
― 主治医の先生とはうまくいっていますか。
 
 
 

主治医の先生は、ずっと同じ人です。やっぱり最初の頃はちょっととっつきにくい先生だなとは思ってました。でも、今は言いたいことは言えてますね。
 
 
 

― 好きな言葉はありますか。
 
 
 

好きな言葉は、「なんとかなるさ」。だめなとき、だめなものに対してああだこうだ言ってもしょうがないじゃないですか。
 
 
 
 
 
 
 
 
なかちょんに賛同いたします

 

 

 

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