体験者インタビュー・大西幸次さん その2 | NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

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2024年4月、10年目突入。肺がん患者・家族の「いきる勇気」につながればいいなと思っています。

 みなさん、こんにちは

 

肺がん患者の会 ワンステップがお送りするお馴染みの企画ザ・インタビュー「万里一空」

 

 今回インタビューしたのは三重肺がん患者の会 代表の大西幸次さん(60)です。

 

 

 

ライター:なかちょん 

 
 
 
 

<前回までのあらすじ>

一回目「がん発覚まで」、「家族の反応」、「迷い~命の選択」をお伝え致しました。

今回二回目は「セカンドオピニオン」、「治療と副作用について」、「代替治療への興味と食事」をお伝え致します。

 

 

 

では早速どうぞ~。

 

 

 

 

 

-セカンドオピニオン-

 

 
 

 

 

 検査結果翌日、紹介状を持って大きな病院へ行き、3時間ぐらいの待ち時間のあと、やっと診察室に入って聞いた結果は、やっぱり肺腺がん、ステージ3Aで、そこでも手術はせず抗がん剤と放射線の治療をやりますといわれましたね。そのとき地元の病院で言っていた「抗がん剤で小さくして切る」という話をすると、 うちでは小さくなった腫瘍を切らないです。せっかく小さくなったのに、それを切るって言わずそのまま治療を続けます。と、言われさらに、この病気はとにかく治療が終わってから5年は最低でも通わないといけないので、病院は近いほうがいいですよ。

それと、今の治療は教科書どおりですから呼吸器科の先生であれば、ほとんど皆同じ治療をします。これが整形外科とか産婦人科のドクターだと全然違いますけど、同じ呼吸器科の医者であれば同じ治療法をすると思いますので、そこは安心してください。万が一、そちらの病院で小さくなってから切りましょうかっていうふうなことを言われて、すごく迷われたとき、または切りたくないと思ったときは、いつでもうちへ来てもらったら、うちで継続して治療をしますので、安心して来てくださいねと言われてました。

 

 その言葉は、失敗してもバックアップがあるみたいな感じで、地元の病院がだめでも、こっちの大きな病院があるというような、すごく大きな安心感をもらえました。

 

 じゃあ、地元の病院で治療を受けさせてもらいますって言ってその日は帰ったんですね。で、またその翌日、地元の病院へ行き主治医の先生にあったことすべて伝えて、こちらで治療をしたいですというふうに頼みました。

 

 

 
 

 

-治療と副作用について-

 

 
 

 

 

 治療はカルボプラチン+タキソール(3週間に1回)+放射線64Gy(35回)の 化学放射線療法を実施。保険に入っていたので入院させてもらい、放射線治療35回の7週間はずっと入院でちょうど3クールが終わって、ちょっと1週間ぐらいはもう治療がないので自宅へ帰り、また4回目の抗がん剤の投与のときはもう一度入院して、1週間ぐらい入院しました。要は白血球が上がってきたら退院というふうなことで確か2007年の25日に入院して、最終退院したのは420日なんです。

 

 副作用は手足の痺れが酷くて抗がん剤を投与した翌日から違和感というか、砂利を踏んでるような感覚で足の裏の痺れがすぐ出てきて、それがもう回数を重ねると4クール目なんて本当に歩けないっていうか何かベッドに寝ておれんという痛さ。ものすごく痛くて、まだ歩いたほうがちょっと楽かなっていうような。だから夜寝れなくて病院の廊下を深夜徘徊したりしてましたね。その足の痺れは今でも残ってます。普段は忘れてるので気にならなくなるんですけど、こういう話をしたときに一番痺れが出てきますね。

 

 あとは退院してから1カ月後にちょっと咳が出るなとレントゲンを撮ったら放射線肺炎になってたんですけど、特に風邪を引くなって言われただけで幸いにも3年間特に熱を出したっていうことがなかったので、自然治癒で今は全然放射線肺炎も治ってます。それ以外の治療はまったく何もやってません。

 

 

 

 

副作用が重い、軽い、またその改善や治癒も個人差があり千差万別、人それぞれです。その症状が完全に治る人もいれば、後遺症のように残る人もいます。大西さんの場合、痺れが多少後遺症のように残ってしまわれたようですが、生活をしていく中での支障は然程ないようです。

 

 
 

 

 

-代替治療への興味と食事-

 

 

 
 

 

 最初に放射線と化学療法をする前に、今の主治医に免疫療法っていうのがあるらしいんですけど、それはだめなんですかね?と素直に聞いたんですよね。じゃあそれは最後の手段にしましょうといわれました。治療効果の確率が高いものからやっていって何も治療の手がなくなったときやりましょうと。

 

 例えば、100枚のくじが入っていて、その中に当たりが30枚入ってるものを引くのか、1万枚のくじの中から1枚だけ当たりがあるものを引くのかっていうと、やっぱり100枚のうち30枚当たりがあるような確立の高いものから引いていって、それで最終的に何やっても当たらなくなって、わらにもすがる思いで1万枚に1枚でも引かないより引いた方がいいか、という状態になったときにやるような治療ですと、その説明に納得して標準治療を受けました。

 

 それと食事療法っていうのかな?食事も変えないと駄目なんかなと思っていましたが、放射線治療をするので食道に放射線が当たってしまいますので、食道がただれて飲み込みがすごくやりにくくなる可能性があります。ですから食べれるうちに好きなものを食べられるだけ食べてくださいって、こう言われたので特に食事の制限はないんだと思い何も変えませんでしたね。

 

 食事療法で玄米とかいいますけど、うちは百姓をしているので玄米はたくさんありますが、あまりおいしくないんですよ。玄米は精米しておいしくするのに、あえてそんなまずいものを食べて体にいいかなあって。例えば、体に良くてもそんなまずいものを20年食べて生き延びるよりは、おいしいものを5年食べたほうがいいんじゃないかなあっていう考え方なので、食事療法は僕には合わないと思い、食事はまったく変えませんでした。

 

 ただ、少しだけチャレンジはしましたよ?僕は野菜があんまり好きじゃないんです。農家ですけどね(笑)、野菜の中でも特にネギが嫌いなんですが、抗がん剤したときにちょっと味覚障害とか出るじゃないですか?これは、嫌いな野菜も食べれるようになるかも知れないチャンスやと思ったんです。この味覚障害があるときに、もっとも嫌いなネギを食べたら、おいしく食べれるようになるかもしれないと思って、チャレンジして食べたんですけど、やっぱりネギはネギでした(笑)

 

 入院中はいろんな人がお見舞い来てくれて、一瓶2万もするキノコやタヒボ茶とか、何かわけのわからないものをいろいろ持ってきてくれるんですが、僕一人でそんないろんなもの飲めないですし、何一つうまくないんですよ。主治医の先生に、こんなものもらったんですが飲んでもいいですか?と聞くと、治療の邪魔になるから治療が終わってからにしてくれと言われたので、せっかくもらいましたが後から丁寧にお返し致しました。

 

 

 

結局、大西さんはこの9年間タバコを止めた以外、食事や生活習慣を特に変えることなく、今まで過ごしてきたそうです。

今回はここまでにしたいと思います。次回は「仕事について」、「いままでの闘病生活で辛かったこと」について触れていきたいと思います。

 

 

 
 
 
 

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