体験者インタビュー・ぴあなさん その3 | NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

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2024年4月、10年目突入。肺がん患者・家族の「いきる勇気」につながればいいなと思っています。

みなさん、こんにちは。

 

 

体験者インタビュー・ぴあなさんの3回目です

 

 

 

 

 承認前から次の薬はオプジーボと話していたにもかかわらず、主治医からはドセタキセルを提案され、その後の薬もないと説明されたぴあなさん。納得できなかったため、治験担当病院に転院し、オプジーボを受けました。しかし、3回でそれも終了となりました。今回は、その後の治療、今後のことについて話してもらいました。インタビュアーはこころさんです。

※1回目から読みたい方はこちら

 

 

 

 

 

― 承認されたばかりの分子標的薬・タグリッソへ

 

 

 

 

 その後、運よくタグリッソというイレッサやタルセバの耐性に対する分子標的薬がそろそろリリースになるという話がこの頃ありました。気管支鏡で組織を取って、T790Mという変異が発現していて適応になって、タグリッソをやりました。これが非常によく効いて、CEAは半分になって、CA19-910分の1ぐらいまで下がって、画像上も非常に縮小がみられて、肺がきれいになりました。

 

 

 

 

 ここまではよかったのですが、息切れが始まってきたんです。間質性肺炎にかかりました。それでタグリッソが中断になって、半月ほど入院しました。ステロイドを投与して、とにかく間質性肺炎をまず治療しました。

 

 

 

 

オプジーボとタグリッソやイレッサを同時に投与する治験が行われていて、6割ぐらいの人に間質性肺炎がみられるという異常な事態が起きて、その治験は中止になったそうです。私もオプジーボを3回打ってからタグリッソをやっているんです。そういう情報がちょうど入ってきたので、まだオプジーボが体内に残っていて、ひょっとしたらその治験でやっているのと同じような状況が起きて、間質性肺炎起こしたのではないだろうかということでした。

 

 

 

【参考:日本臨床腫瘍学会2016713日「オプジーボ投与後にEGFR-TKIを使用した患者に発生した間質性肺疾患について」】

http://www.jsmo.or.jp/news/jsmo/20160713.html

 

 

 

 

 

 間質性肺炎が落ち着いてきてから、TS-1という薬をやりましたが効かなくて、それでこの9月からドセタキセル、ラムシルマブという2剤の併用で、9月に1回目の投与をしました。初めて髪の毛が全部抜けちゃって・・・やっぱり体調が非常によくなくて、食欲もないし、おなかがすかない。ようやく今までの7割ぐらいは食べられるようになりました。いろいろ流動系の栄養ドリンクとかあるようで、いっぱい買ってあり、命をつないでいます。

 

 

 

 

 栄養については病院に相談しました。やっぱり抗がん剤で食べられなくなる人っていうのは結構いるらしいです。入院している患者さんには、病院から食事のときにいろんなもの提供してもらえるけれども、外来で抗がん剤をやる場合、栄養についいてはフォローをされる機会があまりありません。

 

 

 

 

 僕はまずベースの情報を自分で調べて、栄養管理室に問い合わせをしました。1時間ぐらいお話しをさせてもらいました。極端な話、1日に4回飲めば生きていけるみたいな栄養ドリンクを紹介されました。少し食べられるようになっても、やっぱり体力がめちゃくちゃ落ちていて、車で動くにしても、途中でコンビニにちょっと寄りたいなって思っても、降りるのがめんどうくさくなってしまうほどです。体重も6キロ落ちちゃったし、この辺のあばら骨があそこまで露骨に見えるようになるとは思わなかった。一生懸命食べて体重は少し戻ってきていますけど、落ちたところに肉が戻らないですね。違うとこにつくような感じになる。

 

 

 

 

 あと、やっぱり呼吸が少し辛くて、酸素吸入しています。間質性肺炎をおこしたからだと思いますが、2階に上がるだけでも呼吸がしんどくなってきたので、こんなの(吸入器)つけています。外出のときも、車で行くときも酸素吸入器を積んで行くのが面倒くさいですよね。やらないで2階に上がると、上で息切れして、SpO2測ると90以下に下がるんですよね。吸入器つけていると、苦しいけど、なんとか90台で止まっています。

 

 

 

 

 

― 代替医療、自由診療の経験。死を呆然と待つというのは、多分できないと思う。

 

 

 

 

 ゲルソン療法を励みましたね。それ以外には、免疫療法をやりました。リンパ球を増やしたり、NK細胞増やしたり、Tリンパ球を増やしたり、いずれもやりました。しかしながら、効果があったという実感は1回もないです。前の病院にいた時で、その病院の部長だった人が開業した病院でやりました。それから、高濃度ビタミンCの点滴もやりましたが、効果ゼロだと思います。

 

 

 

 

 5年も10年もやっていれば話は別かもしらんけど、安くはないからそんなに何年もやらないですよ。ちょっと様子見て、だめだったらやめちゃいます。効果がないどころか、治療にマイナスになるんじゃないかなと思ったこともある。主治医にもなかなか正直にしゃべれないじゃないですか。やっぱり主治医は「エビデンスもないようなことをやるな」と思うでしょうね。

 

 

 

 そういった自由診療は、標準治療の合間とか、標準治療が終わってもまだ元気で、すぐに緩和にいくっていうわけではない人たちにとって、受け皿になっている気もしますよね。いい意味でも、悪い意味でも。何にも治療しないっていうのは不安でしょう。患者さんの思いというのは、薬で治るという期待を持って何かをやっていたいんでしょうね。つまり、死を呆然と待つというのは、多分できないと思う。

 

 

 

 

 悪意を持ってやっているとこもあれば、あるいは本当に良心的に、エビデンスがないといっても、何人かは効果がある人もいるから、一生懸命やって、良心的にやっている病院もあります。いい意味でも悪い意味でも、それは両面あるかなっていう気がします。

 

 

 

 ハイパーサーミアも期待していないですね。ハイパーサーミアの先生に質問したんですけど、その答えにすべて象徴されていて、「いろんな考え方があります」としか言わないんですよ。どういうロジックで、がん細胞がやっつけられるのですかと聞いてみると、それなりに先生の意見を言うんだけども、結局「これ以外にもいろんな考えがあるから」というふうに結ばれちゃう。なので、あまり期待してないです。

 

 

 

 

 

― ホスピスも終の棲家と考えればいいかな。でも今すぐはないですね。

 

 

 

 

 「治療がない」と言われるのは近いかもしれないし、そうでないかもしれない。でも、ないと言われたら、ホスピスで生活するか、在宅で緩和医療受けるかしか現実にはないでしょうね。そうすると僕は1人なので、最終的にはホスピスが終の棲家になるのかなと、考えています。先日、ホスピスに1週間体験入院してきたんですよ。はっきり言って非常に寂しい生活ではありましたけども、自然にかこまれた環境は非常にいいです。病院に併設されている街の緩和病棟よりも、そういうリゾートみたいなところで過ごすのがいいかなとは思いました。

 

 

 

 

 とにかく痛いのはかなわないので、痛みだけは取ってもらって、落ち着いた時間を過ごせるようなところで生活したいと。ちょっと年齢的には早いけど、ホスピスというよりも、終の棲家というふうに考えるのもいいのかな。自分の最期の生活の家。

 

 

 

 今すぐに、ホスピスに行って、そういう生活に入ることは気がすすまないけれども、今回も副作用が散々でうんざりなので、あの苦痛だったら楽になりたい。だから現実的に考えて、ホスピスを見て回りました。現実的なところはわかったけれど、精神的にどう受け入れるかっていうのは、違う次元ですね。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

▼知っておくべきこと

今、告知されたばかりの方、これは読んでくださいね。キイトルーダという薬の無償提供が始まっています。

http://ameblo.jp/hbksakuemon/entry-12230180586.html

 

 

 

 

 

 

 

一般向け情報誌出ました!

http://www.lung-onestep.jp/sashi.html

 

 

 

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