「治験」てなに?② | NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

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2024年4月、10年目突入。肺がん患者・家族の「いきる勇気」につながればいいなと思っています。

みなさんこんにちは。

今回は2回目。今日のテーマはこちら!

 

 

  

この治験の話を進めていく上で、とても重要と思っていることがあります。それは、「基礎知識を知る必要がある」ということです。私たちも、みなさんも、治験とは何か、なんてあまり考えたことはないですよね。でも最低限の知識を知っておかなければ、正しく判断できない。誤解が生まれることもあるでしょう。いくつか参考になるものをあげていきますので、一緒にみましょう!

 

 

 

 

 

まずは!

▼がん情報サービスの「臨床試験を知る」

http://ganjoho.jp/hikkei/chapter3-1/03-01-07.html

 

5分もかからずに読めると思います。重要なことがまとまっています。

これ、絶対に読んでください

 

 

 

続いて!

▼同じくがん情報サービスの「臨床試験のQ&A基礎知識」

http://ganjoho.jp/public/dia_tre/clinical_trial/ct_qa01.html

ちょっと難しくなりますけども、目を通してくださいませ

 

 

 

そして、こちらの動画がオススメです

昨年のアキバキャンサーフォーラムで、帝京大学の関先生が臨床試験に関して説明してくれています。 

http://www.cancerchannel.jp/posts/2015-08-08/26757.html

 

 

 

 

 

あさかぜ2がポイントをいくつかまとめました

 

 

<アキバキャンサーフォーラムでの関先生の講演>

治験について学ぶ機会を持ったのは、昨年8月のアキバキャンサーフォーラムでの帝京大学関先生の講演です。治験を知るうえで良い講演でしたので、ご存知の内容もあると思いますが、ポイントをご紹介します。

 

  1. 治験の仕組みと安全性の担保

  • 治験は、臨床研究や臨床試験と異なり、薬の承認申請を目的とするもので、患者にとっても実効性、実現性の高い試験。医師主導型と企業主導型の2種類がある。治験の段階と目的は以下の通り。

     

段階

目的

第1相(フェーズ1)

安全性の確認・新薬の推奨投与量の決定

第2相(フェーズ2)

上記推奨投与量の効果

第3相(フェーズ3)

治験薬と標準治療の効果の比較

 

  • 治験の実施については、倫理面を考慮した厳しい実施基準が定められており、18項目にわたる説明事項が定められている。できる限りの安全性の担保と被験者へのインフォームドコンセントの徹底が求められている。

 

  • 患者はCRC(治験コーディネーター)から、治験に関する十分な説明を受けることができ、治験を勧める理由、治験の参加を検討できる時間の猶予、他の患者の経験談等を知ることができる。また治験に関してセカンドオピニオンを取ることも可能。

 

 

  1. 患者が治験に参加するメリット

  • 治験に参加した場合、生存期間の改善が見られる。肺がん、大腸がん、乳がんで効果が認められており、肺がんでは26%の改善が見込まれる。

  • 臨床試験を実施している医療機関の医師のスキルが高い。治験を全く実施しない医療機関のスキルを1とすると、治験を実施している医療機関においては、年間の治験者が19人の場合2.6倍、10人以上の場合3.6倍に達する。

     

     

  1. 治験に関する情報と実施施設など

  • 治験の情報は、「がん情報サービス」サイトで得ることができる。サイト上で癌腫と地域を指定し検索すれば、現在実施中の治験に関する情報を知ることができる。

  • 治験の実施の主体は多施設共同試験グループと呼ばれ、日本では、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ、国立がん研究センターなど)、WJOG(西日本がん研究機構)、NEJ(北東日本研究機構)の3つがある。例えばJCOGは、参加者が大規模になる第Ⅲ相でも、十分に対応できる能力を有する。

  • 平成24年から始まった厚生省の第2期がん対策推進基本計画における個別目標として、「医薬品・医療機械の早期開発・承認に向けた取り組み」が新たに追加され、癌対策に資する研究を一層推進することとしている。患者の皆さんとともに、臨床試験を円滑に進めていきたい。

 

 

再度、関先生の講演ビデオを見てみました。治験に積極的に取り組まれている医療関係者がいらっしゃることがわかり、力づけられる感じが持てました。なお治験参加者の生存期間の延長については、当日のQ&Aセッションでは、治験に参加する層の健康状況が良好なこと、治験の参加する患者の治療に対する意識が高いこと等が上げられていましたが、過去20年ほどの間に相次いで開発された肺がんの新薬を、治験参加者が先んじて利用できる機会を得たことをシンプルに反映したものではないでしょうか。

 

 

 

 

 

ということで今回はここまで。

しこいですけども押さえておくポイントを紹介します。

 

 

新しい薬の候補が本当に効くのかどうか、安全に使えるのかどうかを調べる方法が「臨床試験」(治験)です

 

整った環境のもとで新しい治療法を受けられる可能性がある一方で、それほど効き目が高くないことや、副作用が強いことがわかる可能性もあります。

 

適格審査があります。体調がよいこと、持病がない、年齢制限など条件があり、誰でもできるわけではありません。

 

治験と臨床試験は違う

評価したい薬や治療法などを、対象の患者さんに行う研究を臨床試験といいます。「治験」とは、厚生労働省に新薬としての承認を得ることを目的として行う臨床試験のことです

 

 

 

治験には段階があり、それぞれ目的が異なっている  

 

 

段階

目的

第1相(フェーズ1)

安全性の確認・新薬の推奨投与量の決定

第2相(フェーズ2)

上記推奨投与量の効果

第3相(フェーズ3)

治験薬と標準治療の効果の比較

 

 

 

以上です。

 

次回は「そもそも治験とは?その2」です。

 

※この記事は公益財団法人正力厚生会の助成金によって作成されました 

 

 

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