おしゃべり会 開催しました① | NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

2024年4月、10年目突入。肺がん患者・家族の「いきる勇気」につながればいいなと思っています。

みなさん こんにちは

 

 

 

416日(土)東京の麹町にておしゃべり会を開催しました。遅くなりましたが、今回はその報告です。

会議室は(株)JPRさんが無償提供してくれました。

集まった人数は50名ほど。たくさんのかたに集まっていただきました。家族の参加が多かったです。また、宮崎県の押川勝太郎先生(腫瘍内科医)も急遽参加してくださいました。

みなさんのご協力の下に開催できました。ありがとうございます。

 

 

 

さて、内容ですよ。

・がん患者会シャローム 代表・植村めぐみさんのお話

・腫瘍内科医の押川勝太郎先生の質問・相談コーナー

・おしゃべり

こんな3部構成で進みました。

 

みなさんにおしゃべり会の模様をお知らせしたいと思います。

 

 

 

 

<がん患者会シャローム 代表・植村めぐみさんのお話>

 

「家族をはじめ、多くの方のお力やお支えをいただいて、今日まで生かされてきた。だからこそ弱さを負ったがゆえにできることはなにかと模索し、双方向で何かをシェアできる場を作りました。それが、がん患者会シャロームです。」

16年ほど前、がんを患った植村さん。埼玉県杉戸町で活動しています。県内・県外問わず、相談はひっきりなしに舞い込みます。必要と感じれば、診察同伴することもあるそうです。

大切にしていることは、「弱さで触れ合うこと」

「がんになっても、前向きに生きています。そういう生き方を知って欲しい」という患者さんが訪れることがあるそうです。そういう方には、「この患者会はあなたにはむいていません。ほかの患者会へいってくださいね」というそうです。強い方は自分でやっていける。だからこの会に向いていないので、入会をお断りするのだとか。私・さくえもんは昨年から勉強会・さくらんぼの会(再発・転移患者の会)・「医師を囲むオフ会」などに参加させていただいています。

では、おしゃべり会でお話されたことの中で、印象的な言葉を書いていきます。

 

 

 

<自己紹介>

はじめまして植村めぐみです。

私は大きな喪失感を未だに引きずっており、がんを受け入れている訳ではありません。今も、元の体に戻りたいと思い続けています。がんを受け入れていなくても、こうして生きることが出来ることも併せてお伝えしたいと思います。

 

 

 

<患者会入会の条件>

入会の資格は、がん患者もしくは、がん家族、がん遺族のみです。そこには、学歴も職歴も職位も経済状態も不要です。また、『がんを抱えても、強くたくましく、笑顔で頑張っています。こんな者もいるということを皆さんに知ってもらいたくて・・・』という方も、入会をお断りしています。そういう方は、他の患者会を当たって欲しいと言います。弱っている人が、元気な方の話を聴いても、何の参考にもなりません。もともと、お元気な方がもっとお元気になるだけです。―×―=+ です。-×+=-です。樋野興夫先生から学びました。言い得て妙と心からそう思います。

 

 

 

<精神・根性論は不要>

前に向きましょうと言われて前に向けるのでしょうか?『どうやったら、前に向けるのか教えろよ。』と激しく抵抗したくなります。『そうできないから、悩んでいるのに、馬鹿にするな!』と、怒りたくなります。簡単に前に向けるのであるなら、苦労はないし、悩みもありません。そうしようとするとそれが頭から離れず、返ってストレスとなります。前に向けなくても、がんを受け入れられなくても、人は生きていけます。前に向けなくても大丈夫。事故や犯罪で亡くなった子供を、遺族の証言で、『子供を返して下さい。』と訴えますよね。『前に向けないよね。』とか、『子供返して欲しいよね。』そういって、その思いをしっかり受け止める。そのまんまの気持ちに思いを重ねる。そんな患者会を当会は目指しています。私も未だにがんを受け入れていません。それでも、私生きています。だから、大丈夫です。そのまんまで大丈夫です。毎日を重ねてきましょう。そしたら、いつの間にか、積み重なっており、立ち止まって振り返ったら、頑張った自分が確認できます。

 

 

 

 

<偉いなぁ~という言葉>

小学生と中学生のお子さんの三人を残してご主人ががんでお亡くなりになりました。ものすごく一生懸命頑張って生きておられるので、思わず、『誰々さんって偉いなぁ~。』と思わず口にしました。すると、キッと向き直って、『誰だって、こういう状況になったら当たり前に生きていかなきゃいけないのよ。特別なことじゃないの。そういう言い方は、されたくない。』と言われました。その時は、そういわれた意味が分かりませんでした。でも、自分ががんにり患した時、『植村さんは、偉いなぁ~。私だったら、あなたのようにはがんと闘えない。』と言われた時、無性に腹が立ちました。そして、さきほどの彼女の言葉がやっと分かりました。偉いなぁ~という立ち位置は、自分は、ちょっと上にたっており、そこから評価しているということであり、自分は、その立場にはなっていないという、立ち位置の違いを見せつけられるような言葉であることがやっと分かりました。

 

 

 

 

<家族としての態度>

これからお話しすることは、ご相談に対応した事例です。

ご家族の方が、家の女房も患者会にでも入ればよいのですが・・というご相談に対して、「あなたが、がん患者になればそうされればよいのですよ。奥さんは、今、命を担いでがんと闘っているだけでも、本当にすごいことなんです。あなたの考えを押し付けないで下さい。奥さんらしさを尊重して下さい。」と申し上げました。

 

 

 

 

<同じ体験とは限らない>

ある日、特発性血小板紫斑症の友人がこんなになるのよと内出血した足を見せてくれました。私は思わず、『私も時々なる。同じね。』と言ったら、『私のは、あなたとは違うのよ。そういう風に軽く言わないでよ。あなたは、薬飲んでるわけじゃないでしょ。』と叱られてしまいました。言われてみればその通りで、時と場合によっては、相手の気持ちを軽減させるどころか、あなたは、軽いのよ・・・と言わんばかりの言葉であることが分かりました。

 

抗がん剤で苦しい方のお話を伺う時は、『私もそうでした。よく理解出来ます』と体験をお話しすると、とても共感に感謝されます。しかし、病名が違ったり、程度が違ったりした場合、分かりますとか同じですと、簡単に言うことで、相手の気持ちを逆なですることもあるので注意しなければ・・・と思ったことでした。

 

 

 

 

<『生きる意味が分からない。』というご相談に対して>

再発した患者さんに「私の生きる意味はなんでしょうか?」と問われたことがあります。私はその患者さんにこう答えました。

 

私も、ずっと生きる意味が見いだせず、毎日、地を這うようにして生きてきました。どうして生きなくちゃいけないのか、意味があるのかと。でも、今、私、あなたの目の前にいます。あの時の苦しみが今、無駄でなかったと思えています。あなたの苦しみを理解することが出来るからです。あの時の生きる意味は、こうして、体験を生かした働きをなすために必要だったと振り返ってみてそう思います。全て意味のないことはないってことが分かりました。あなたの場合、どんな意味があるのか、それは私にも分かりません。だけど、きっと、意味があるのだと思います。

 

そして、相談した患者さんは、「今、分からなくてもいいのですね」と言ったんです。

 

 

 

 

<「ガ」のつく言葉>

まったく、根拠はありません。でも、私、が“が付く言葉は、なるべく遠ざけるようにしています。そっちの方が生きやすいと思うからです。例えば、我慢する。がんじがらめ。ガンガンやる。頑張る。ガチガチ。がんこ。ガチャガチャ。ガクガク。ガシガシ。ガブガブ。ガツガツ。

 

 

 

 

<希望>

がん患者には希望がないのでしょうか?

これは、朝日新聞社の精巣がんの上野創さんの講演会で聞いたお話です。世間一般の希望は、壮大で輝かしいものです。(家を建てるとか、海外旅行行くとか、こんな職業につくとか)でも、がん患者にとっての希望は、ちゃんとそれに匹敵するものであることが分かったと言われました。明日、手が動いて欲しい。明日、ジュースを飲みたい。明日、自分でトイレに行きたい。それは、比較して大きい小さいではなく、自分にとっては、とてつもなく大きな希望だということでした。そんなお話をきいていて、希望の定義が変わりました。そして、このお話は、私にとってとてつもなく大きな希望でした。

 

 

 

 

<折角がん患者になったなら>

もう、こうなったら、折角がん患者になったのだから、楽しいこと。嬉しいこと。美味しいこと。幸せなこと。ワクワクすること。自分を喜ばせるために、時間とお金を使いたいと思っています。

 

 

 

 

<障害年金>

がんが再発・転移をした方は、がん患者の障害年金をだいたい受給しています。これは、自分が今まで納めた年金を受け取れるまで、もしかして、生きていられないかもしれない人たちに対する前倒しの救済制度です。年金法にちゃんと定められています。ですから、当然の対価。当然の権利です。是非、申請して下さい。がん発覚から一年半後から申請出来ます。ご遺族になってからでも、申請出来ます。

 

 

 

 

植村さんのお話はここまでです

ありがとうございました。

植村さんはほぼ毎日、ブログを更新しています。障害年金のこと、緩和ケアのことなどいろいろと書かれています。ご興味あればどうぞ。

★ブログはこちら★

 

 

 

次回はおしゃべり会の② 続きます

 

 

 

 

 

毎日新聞「医療プレミア」さんに取材していただきました。

 

こちらです。見てくださいね~

http://mainichi.jp/premier/health/articles/20160415/med/00m/010/022000c

 

 

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