ステージ4で20年生きると言われた男・てるっちさん① | NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

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2024年4月、10年目突入。肺がん患者・家族の「いきる勇気」につながればいいなと思っています。

 

肺がん患者の会 ワンステップ!がお送りする企画モノ。

ザ・インタビュー「万里一空」と題して、患者さんの体験を聞いていくコーナーです。

さまざまな肺がん患者さんが登場し、その貴重な経験をお伝えしていきますよ。

 

今回は「ステージ4で20年生きると言われた男」てるっちさん(40代)の登場です!

 

 

 

このインタビューに登場する方には、お名前の前にいつもキャッチフレーズをつけています。今回は悩みました。てるっちさんはさまざまな顔を持っていて、一つじゃくくれないんです。それならば、ということで、毎回キャッチフレーズを変えることにしました

 

 

一回目「ステージ4で20年生きると言われた男」

 

二回目「がんでクビ!解雇された男」

 

三回目「治療は迷わず治験一本の男」

 

四回目「個別化治療で大当たり!大逆転男」

 

こんな感じかな。面白そうでしょ。では、はじめます。どうぞ~。

 

 




<病歴>

201012月  治験① パクリタキセル カルボプラチン ABT861

2012年     TS-1

2013年     治験② PD-1抗体薬(たぶんオプチーボ)

2014年     胸膜播種
                         治験③ ABC1234(仮名)

2015年     ザーコリ

 

 



千葉県で奥様と女の子2人の子供と暮らすてるっちさん

銀行員として精力的に働いていた40代半ばで、がんを患いました。

 



―――きっかけは?

 

2010年の12月かな。市で行う健康診断があったんです。近くの病院に行ったところ、肺に影があるということで大きな病院に行きました。そこで肺がんの疑いがあるということになり、告知を受けたという経緯です。

さらっと言われました。「がんです」と。これは告知?みたいな形でした。本当にさらっとしてました。女房も横で聞いていてびっくりしていましたし、泣いていたんですけども。あれが告知だったんだね、と。そのあと、国立がん研究センター(築地)にいって、またCTをとって精密検査をして、ステージ4ですねと、いわれたんです。

 

ああ、なっちゃったんだ。これからどうなっていくんだろう?肺がんなんだから、肺を取ってしまえばよくなるのではないか?とも考えました。先生からは、手術、放射線治療、抗がん剤がある。手術は、肺の深いところにできているから難しいだろう。その場で外科の先生にも連絡を取ってくださって、他に転移をしているから手術で取ったとしてもまた再発の恐れもあるって。であれば手術は、やめたほうがいい。飛行機に例えて、エンジンひとつなくなっても飛べるけれども、あとがなくなる。次の武器がなくなる。武器として20個あるところが10個しかなくなってしまう。それであれば手術はせずに抗がん剤治療やっていったほうがよいんじゃないでしょうか。というふうにいわれて、はいわかりましたと。

 

 

てるっちさんのタイプは「腺がん」

EGFRの遺伝子変異やALKはありませんでした。

でも、先生からは驚きの説明が!

 

 

がんセンターからは、このがん細胞の顔は、腺がんですよ。でもこのがんについては、おそらくすぐに亡くなるとかそういうことではなくて、当分は大丈夫です。治療しながらやっていけば大丈夫ですと。
そこで家内がどれくらい生きられるのですか?と聞いた時に、「今の医学であれば20年は大丈夫です」と言われました。

 


―――20年。なんですか20年って?そこは普通、1年とか言われるんですよ。

 

あ、そうなの?

 

―――そうそう。なぜ20年?

 

いや、わからないよ。先生がそう言ったんだから。

 

 ―――・・・

 

 




インタビュー中止!

 

 


20年っていったい何なんだ?気になって気になって進めないよ!ということで、てるっちさんには、次の外来でその理由を聞いてきてもらいました。

で、聞いたところによると・・・

 

「進行性ではない」という説明でした。

 

ちょっとこれ以上わからないので想像します。
たぶん、「分化」のことを先生は言っているのではないか、と考えます。「分化」知ってます?がんの細胞分裂の度合いのこと。「高分化・中分化・低分化」ってあるんです。


「低分化」は、細胞の分裂が少ない状態→つまり、これからどんどん分裂・増殖していく。例えると、赤ちゃんみたいな感じかな。どんどん育つ。進行が早い。


「高分化」は、すでに多く細胞分裂し、成熟した状態→つまり、分裂のスピード遅い。例えると、高齢者のような感じでしょうか。


まとめると、がん細胞にも、元気なものとそうでないものがあるってこと。てるっちさんのがんは、この「高分化」しているものだったのかもしれないと考えます。ちなみに私・さくえもんは「低分化」と診断書に書いてありました。てるっち、うらやましいぜ。
(※全部想像です)

 

それにしても、「肺がんのステージ4で20年生きられる」って言われる場合があることに驚きです。というか、そういう場合はちゃんと前もって言ってくれるんですね。

 

 


20年生きられる。先生から言われたのは、平均寿命は80てるっちさんの場合は、80歳までは生きられないだろう。でも60歳までは生きられるのではないか。そのとき下の子供は小学校一年生。その子の成人式を迎えられる。それなのであればまだよかった。

そう考えると、すぐにということではなかったので少し安心したかな。

 

 

今回はここまで。

次回はキャッチフレーズが変わって
「がんでクビ!解雇された男」
です。

てるっちさんのド根性物語です。しびれますよ。すぐアップします。

 

 

 

★お知らせ!


 

ワンステップ!次回の「おしゃべり会」日時・場所決定です。 

 

9月5日(土)午後3時から5時まで 2Hくらい
場所は日本肺癌学会の会議室です
東京都中央区日本橋3-8-16
JR東京駅から徒歩5分
浅草線 日本橋駅から徒歩5分
銀座線 日本橋駅から徒歩3分

今回、お部屋を貸していただけることになりました。ありがとうございます。


おしゃべり会は、普段は話せないことでも、自然と話すことができる、そんな場だと思っています。同じ肺がん患者です。不安や苦しみ、同じ体験をしています。

ぜひ参加してください。お会いしましょう。

 

 

肺がんの患者さん、家族、お知り合いなどなどでも参加可。

来てくださる方は一本メールくださいね。
mail@lung-onestep.jp

 

飛び入りでもOKです。




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