狼少年が肯定される時代 ② | 広島で乳がん治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二のブログ

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。

 

 8月30日(金)の早朝、私だけでなく、ホテルに宿泊した3人のスタッフ、そして当日ひがき乳腺クリニックを受診された22人の患者さんは同じことを考えました。

「何、これ。雨も風もほとんどないじゃない。それなのにバスや電車が止まっている・・・」と。

 その日は、午前だけで診療を終わらすことにしました。22人の方は、ほとんどが空模様を見たうえで、自家用車、アストラムライン、自転車、徒歩で来られました。

 一人一人と待ち時間もなく、ゆったりと診察とお話ができました。診療が終わり、私は外に出ました。

 予報では、午後から強い雨が降ることになっていました。電車通りに出ると、タクシーは定位置に停車していました。

 本通を歩くとそごうや福屋に合わせて閉店している店が目立ちました。2か所でテレビ局が取材をしていましたが、私には声がかかりませんでした。

 もし、お声がかかればこう言おうと思いました。

「世の中からリスクを排除することは大切です。しかし、そうなればなるだけ、サービスは低下していきます。やはり、両者のバランスは必要です。今回のことで私は、もう少し柔軟に対応してもよかった気がします。例えば、安全が確保できる範囲で運行し、危険と判断したら即座に運行を中止するとか・・・」と。

 昔、イソップ物語に登場する狼少年は否定的な評価でしたが、今では(例え、予想がはずれたとしても)リスクを強調して注意を喚起することが望まれているのだと、改めて感じました。台風一過の翌日(土曜日)の午後、アンデルセンも店を開け、本通はいつものように賑わっていました。

  

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。