悔やまれること | 広島で乳がん治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二のブログ

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。

 

 年に一回、ひがき乳腺クリニックに来られる乳がんの卒業生の表情は暗く見えました。お話を伺うと、以下のようになります。

「母親が2週間前から背中や腰が痛かったのを放置していましたが、症状が悪化したのでかかりつけの医院に行くと、すぐに広島市民病院を紹介されました。私が仕事中だったので連絡がついて広島市民病院に駆け付けたときは、母がカテーテル検査を終えたばかりで元気そうでした。担当医からは心筋梗塞で狭くなった冠動脈を拡げましたと説明をうけました。それから、しばらくすると母の容体は急に悪化して帰らぬ人となりました。心破裂と説明をうけました」とのことでした。

 お母様に症状があったことは、後から聞かれたそうです。心破裂は心筋梗塞などで血流が途絶えた心筋が壊死に陥る状態を指します。「1時間でも早かったら・・・」と担当医に言われたそうです。

 私は2週間前から腰痛がありましたが一時的に軽快していました。しかし、くしゃみをすると腰に響くので嫌な予感はしていました。

 その後、針生検などの検査を契機に一気に腰痛が悪化した時は、経過をみるという選択はありませんでした。MRI検査で診断が確定した腰椎の圧迫骨折は、私の頭にあった鑑別診断のなかで最も軽いものでした。

 タラればは無意味です。しかし、2週間前にMRI検査をしていれば、ずいぶん早い段階で処置ができたと反省しています。

 外科医としての私のモットーは、「やらない後悔よりもやった後悔」だったはずですが・・・。

 

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。