術前診断の限界 ⑥ | 広島で乳がん治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二のブログ

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。

 

 60歳のその方は、1年前マンモグラフィで異常を指摘されたため、乳腺クリニックで針生検をうけ、良性と診断されました。このたびもマンモグラフィで構築の乱れを認めたため、別の施設で針生検をうけられました。

 結果は、悪性度が高そうなルミナールBタイプの乳がんでした。幸い、PET-CTや造影MRIでT1N0M0乳がんと判定されました。

 その方は、広島市民病院乳腺外科で、半年に及ぶ術前化学療法をうけられました。Ki-67が、50-80%と高かったためです。

 手術は乳輪温存乳房全切除、センチネルリンパ節生検、そして広背筋皮弁による同時乳房再建手術が行われました。今は、ひがき乳腺クリニックで、レトロゾールを処方させていただいています。

 もしこの度、1年前の針生検の結果を信じて経過観察をしていれば、さらに悪化していたことは予想できます。私たちは、針生検の結果といえども、100%でないことを知っておかなくてはなりません。

 

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。