マンモグラフィ検診の落とし穴 | 広島で乳がん治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二のブログ

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。

 

 60代前半のその方が、左乳房の内側上部に腫瘤を自覚したのは、予定されていた検診日の一月前でした。小指の先ほどの大きさでもあり、その方は予定通り検診を受けることにしました。

  検診の当日には、問診はあったものの、視触診のないマンモグラフィ検診が行われました。そして、後日手元には「異常なし」の通知が届きました。

  それから2か月してその方は、ひがき乳腺クリニックに来られました。しこりが大きくなったと。

診察すると、皮下の感染性の腫瘤でした。念のため、2方向でマンモグラフィをとると腫瘤は確認できました。

  乳房の中で内側上部は、マンモグラフィの撮像範囲から外れることがよくあります。しかも、大きさが小さいとなおさらです。

  この方のように良性であれば、何も問題はありません。しかし、実際に腫瘤があるのにマンモグラフィ検診の所見は問題なしとされると、許容はできません。

  なぜならば、腫瘤の診断には、少なくともエコー検査が必須です。その辺の説明が、検診センターでされていないのは残念です。

 

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。