前回に引き続き大月町で虫を探しています。
風と稲
この日は風が強くて何度も帽子を飛ばされました。
稲もまだ小さいのに吹き流しみたいに靡いています。
激流の枡
用水路の水はガンガン流れています。
止水の枡
流れてないのもありました。
なんかいないかなーとのぞき込むと・・・
なんかのヤゴ
泥底がモゾっと動きました。
動かなかったら完全に泥の一部ですね。
シオカラトンボ
近くにはシオカラトンボやシオヤトンボが飛んでいます。
シオカラトンボの♂の複眼、コンデジだと色の再現があんまりうまくいかないんですが、このカメラだと肉眼に近い色合いが出せます。
緑とも青とも言えない深みのある色をしてますよね。
シオカラトンボと田んぼ
謎のスペース
おや?ここはなんでこんなことになってるんだろう?
雑草がいっぱい生えて湿地状になってる。
削って田んぼにすればもっと植えられるのに。
なんか意味があるのかな。
まあいいや、こういう所はトンボにとってはいい環境です。
ここにはきっとあれがいるはず・・・
ヨツボシトンボ
ほらいた。
初夏のトンボといえばこれよ。
毛深くて内臓が透けててちょっと凝ったデザインなのが意味不明で好き。
謎のスペースその2
ここにも謎の湿地状の土地が。
最近重機が入った痕跡があり、横に土が盛られてるので多分、放棄水田だったのを畑かなんかにする途中なんじゃないかと。
土を採った場所に一時的に雨水が溜まったのでしょうか。
ちょっと覗いたらでっかいガムシが見えましたがすぐに草の中に潜って消えていきました。
トンボはホソミイトトンボが1匹いたくらいで特に珍しいのは見えません。
謎のスペースその3
田んぼの横の川を眺めていて見つけました。
明らかに山水を誘導する作りです。
経験上、こういう所の上には小さな水たまりのようなダムがあるはずです。
ちょうど傍に川をまたぐ道が山に向かって続いています。
行ってみるか!
ハラビロトンボ
細い山道を少し登ると、田んぼにはいなかったハラビロトンボが笹の間をうろちょろしています。
これは匂うぞ・・・水の匂いだ。
この下か・・・
藪漕ぎでダニまみれになるのを覚悟しましたが、意外にも下り口が見つかったので使わせてもらいました。
こんなとこに何で人が入るんだよ・・・とつぶやきながら入っていく私。
バーーーン!
少し下ると松林にぽっかり穴があき、キラキラと輝く水面が現れました。
水の透明度に「うわあ・・・」と思わず声が漏れました。
水草たち
小さな水たまりですが植生は豊富です。
外輪にはススキ、その内側に生えているのはショウブかガマか・・・
水面に浮いてるのはアゾラじゃなくてウキクサの類ですね。
コナギやセリがたくさん生えています。
そうか、この道はセリを採りに来る人の道なのかも。
藻を食むイシガメ
ヨツボシトンボ
水生動物はイシガメとイモリ、トンボはヨツボシトンボが多数。
ガサガサしたらミズカマキリくらいは採れそうな雰囲気ですが、あれがいそうとかこれがいそうとかは特に思いつきません。
植物相は違うけど、動物相は下の田んぼの方とあんまり変わらないんじゃないかな。
まあ季節の進行とともに様相も変わると思うので、また見に来るとしたら秋かなあ。
???
穴からよいしょと抜け出して空を仰ぐと、大きなトンボが飛んでいるのが見えました。
オニヤンマ・・・?
???
まともな写真が一枚も撮れませんでしたが、飛び方やシルエットがオニヤンマのそれではありません。
腹端の形状はオニヤンマ科ではなくヤンマ科の特徴です。
でもこの時期に飛ぶヤンマってギンヤンマとクロスジギンヤンマ、アオヤンマにサラサヤンマくらい?
どれでもなさそうだけどなあ・・・
!!!
横を向いてやっと分かりました。
ヤブヤンマの未成熟♂です。
ひとよりトンボのことは知ってるはずなのに、全然頭に無いのがいきなり出てくると分からないもんですね。
ヤブヤンマは黄昏飛翔性で夏の薄暮の時間に飛ぶトンボです。
このときまだ15時をまわったばかり。
未成熟の個体がこんな明るい時間に林の高所を飛んで餌を捕るなんて全然知りませんでした。
この水たまりはこいつの発生場所でもあるみたいですね。
というか5月初旬にヤブヤンマは早すぎだろwww
あ、ヤブヤンマがいるならマルタンヤンマもいそうだな。
いそうな生き物、今思いつきました(笑)
前言撤回。秋になる前にもう一度来てみたいです。