「モモとナナ」というマンガで、整理収納を伝える活動をしております!
「暮らしハズムお片づけ」
マリカジによるお片づけ情報サイト
整理収納の実例はこちらのページから!
我が家の一人娘は現在高校2年生。
一昨年・去年は娘にとって色々なことがありました。
持って生まれた敏感さや体質の影響もあり、中学の頃の友人関係の悩みや高校受験、そして新しい環境への順応…
そのストレスをうまく処理できなくなってしまった時期がありました。
私も母として、出来る限りのサポートをしているつもりではいましたが、本人が乗り越えなければならない問題も多々ありました。
1年ほど前まで娘の部屋は、かなりモノが多く、常に散らかっていました。
机の上にモノが山積みなんて日常、脱いだ服は散らかしっぱなしでしたし、無くしモノ・探しモノが常でした。
娘は小さい頃から片づけ嫌い・片づけが苦手。
私も娘自身も、ずっとそう認識していました。
私は整理収納を学び、そういう考えから変わり始めてはいたものの、家族に対する働きかけはまだまだ途中という感じでした。
本人が望まないうちに片づけを強要しても良い結果は望めません。なので私は無理に家族に片づけを求めることはしてきませんでした。
けれどその時、娘は散らかった部屋を見て、とても嫌な気持ちだということを言うようになりました。
でも、片づけはしたくない、できない、と。
「環境が変わることを娘は望んでいる」そう感じました。
「片づけ」を望んでいるかはともかく、「環境の変化」は望んでいました。
娘の部屋はもともとは旦那の部屋だったので、旦那の趣味のモノが沢山残っていました。
娘の部屋のモノが多かったのも、そもそも旦那のモノでスペースが埋まっていたからです。
私はむしろこの時、この娘の問題は「チャンス」なのではと感じました。
旦那は娘のために趣味のモノに向き合う必要性が出てきたし、娘も自室のスペースが広くなることで、縮んでいた心にもスペースが生まれるのでは?と…
こういう時、整理収納アドバイザーならこう言いますよね。
「とにかく、全部出して、分けて、動かしましょう!」
旦那の趣味のモノを減らし、大型家具を移動させていくうちに、娘の要望も次々と出るようになりました。
娘自身も「良くなりたい」「部屋を片づけたい」という気持ちはもともと持っていました。
でも、どうしたら良いかわからなかったんです。
どうしたら良いかわからないけど、人に言われた通りにはしたくない…
それが人の自然な気持ちなんだと思います。
どうしたら良いかわからない時、目を向けると良い方向があります。
「好きなモノや好きなことを意識する」
ということです。
誰に指図されるでもなく、自分の心から生まれいずる気持ちに従う…
アドバイザーは、親は、子供が向こうとしているその気持ちの流れを邪魔しないよう、
そっと、周囲の空気の流れを良くしてあげる…
私の今の役目はそれだ、そう思いました。
そしてそのためにも、まずは「娘の要望をきちんと聞く」よう心掛けました。
要望を聞いて一番最初に出てきたのは
『ドレッサーを置きたい!』
というものでした。
コスプレが趣味の娘にとって、メイクは命!
でも、気持ちが落ち込んでいた時は、その趣味ですらやる気力を失っていました…
好きなことですら好きでいられなくなるのは、とても悲しいことですよね…
「片づけて、ドレッサーを置けるようにしよう!」
そうやってドレッサー探しを始めると、少しずつ元気を取り戻してきた娘。
その他にも
『部屋のモノは減らしてスッキリしたい』
『背の高い家具は無くしたい』
『自分で収納も全部考えたい』
と、次々と要望が出てきました!
娘もオタクなので、ここに並んでるフィギュアはみんな娘も好きなキャラですが、自分で買い集めたモノではありませんからね…
そしてテレビも、元旦那部屋の名残。
娘はこの部屋で一切テレビを見ないのに!!
リビングにも同じ大きさのテレビがありますが、旦那がゲーム用に買ったテレビが、置き去りに…
この「ショーケース」と「テレビ」は、旦那部屋の片づけの際に移動!
そしてテレビを置いている棚も撤去。背の高い家具は減らします!
娘の部屋のクローゼットは小さくて奥行が浅い…とても使いづらいし、容量も少ない。
その上ショーケースもあるから、収納の確保が課題でした。
苦肉の策で、ワードローブを縦向きに配置し、その後ろに机と棚を造りつけていました。(DIYで)壁紙も貼って。
動き回れるスペースはごくわずか…
このビフォーの部屋の収納は、私が整理収納アドバイザーになりたての頃に改造しました。
私なりに娘の行動を分析し、動線に沿った収納プランにしました。
しました、が…
その当時の私は娘の意見より、「我が家の事情」を優先していたなと思います。
もちろん娘の意見も聞いてはいました。
でも、私の中で先にあらかた決めてから「確認」のように聞いていたような気がします。
もちろん、
家庭によっては子供の意見だけを聞くわけにもいかないし、兄弟がいればスペースが限られるのは当然です。
それでも…
もっと「最初から」子供の意見を聞かなければ、子供は「自分の意見が優先されている」と感じられないのでは?
『子供が主役のお片づけ』にならないのでは…?
娘が片づけができなかったのも、
「自分の意見がきちんと反映された場所じゃなかった」からでは?
そういう思いは、アドバイザーとして学ぶ中でどんどん強くなりました。
あれ、なんか色が淡すぎたかな
机は旦那のお下がりですが、予算の都合もあったので、そこは娘と相談してこれで問題ナシということでコレに。
卓上は、目の前には極力モノを置かないようにして、左の棚の中身も娘自身で配置決め。
イケアで棚や箱を自分で選び、棚上段は気分が上がるグッズを自分でディスプレイ。
教材は去年だいぶ減ったので、大学の受験科目の勉強をしやすいように娘なりに収納。
もう私はノータッチです。
そして、娘にとって一番重要だった『ドレッサー』!
あちこちのお店で見たりネットで探したりしましたが、結局ニトリ!
「え…もっとモノを置く棚とか買わなくて良いの?」と言ってしまったのですが…
「そんなのいらない、ドレッサーがあればいい!」と娘…
ほら、ね。
母の思いと娘の願いは、こんなにも違う
メイクに興味が薄い私にしてみたら、
化粧なんかメイクポーチ1つあればできるじゃない…なんて気もしますが、
娘にとってはそうじゃない、メイク命。
好きなものは好き、それでいいじゃない。
メイク道具も自分でバイトして買ってるし。
ドレッサーの上に置く収納や、引き出しの中も自分なりに考えて収納。
とても楽しそうな娘の笑顔、それが答えです。
こまごましたモノはこのイケアのワゴンに収納。(IKEA RASKOG ロースコグ キッチンワゴン)
これまた娘がこのワゴンを選び、全部自分なりに収納。
「部屋をキレイに保つから!」という条件でコストコの巨大クマも購入…
1年前まで娘は、自分の将来や未来のことを考えることができなくなっていました。
でも片づけが進んだ頃から、日々少しずつですが、着実に変化していった娘。
もちろん、片づけ以外にも良くなる要因はありましたが、片づけ無しではその他ことも前に進まなかった、あるいはもっと時間がかかっていたのでは、と思います。
そしてあんなに片づけできなかったはずの娘は、定期的に部屋を片づけています。自主的に。
そして、悩み苦しんでいた進路も今は、「大学に行く」と決意しているようです。
私は進路に関しては、以前から「どうぞご自由に」と娘には伝えていました。
でも、なんだろう…言い方が悪かったのか…
「どうぞご自由に」が、突き放されてるように感じたとか?
後日娘がそんな感じで話していました。
私は「自分の人生は自分で好きに決めなさい」と言って育ててきたのですが、
多分言い方が怖かったんでしょうね~…
なんか私が思ったように伝わってなかったみたいです
同じセリフでも、大人と子供では受け止め方は違うかもしれないですよね。
あと命令口調ね…
それと…私自身がちょっと色々苦労して育ってきたものだから、「強く生きろ」的なことをよく娘に言って育ててきたせいもあると思う…
私自身は誰にも縛られずに生きていきたいと思うタイプなので、娘もその方が良いだろうと思っていました。
そして人から何か言われて嫌なら、嫌と言えばいいし、嫌なことは強要はしないと言っていたのですが…娘にとってはそんなに簡単に嫌とは言えなかったり、言っても聞き入れてもらえないと思ったのかもしれませんね…
私、そうとう怖かったんだろうなぁ…というか、私自身も余裕が無かったんだろうなぁ…
とにかく娘はまず「寄り添って欲しい」と思っていたようです。
…というか…
多分、人ってそういうものなんですよね。
でも、「見守る」「寄り添う」というのと
「甘やかす」「過干渉」というのと、
分かっていないと区別が難しいですよね。
整理収納アドバイザーになって、
「モモとナナ」を描いて得たもっとも大きな学びはこの
『寄り添い方』を知ったことです。
過去の私の愛情の注ぎ方に問題があったというよりも、
『娘の望む寄り添い方を知らなかった』んだなぁ…と、
そういう意味での自分の未熟さを、今は実感しています。
…でもこの頃は娘も、私に対して信頼を抱いていてくれているらしいです。
「大切なことはちゃんとママに相談する」と言ってくれています。
一人で悩み過ぎないように気を付ける、と。
進路についてもあくまで相談相手として、娘の話を聞くようにしました。
そうした中で、娘が自ら決めました。志望校や志望学部を。
もちろん、これから先またそれも変わるかもしれません。
でも、変わっても良いと思います。
大切なのは、娘の笑顔ですから。
そして笑顔になれば、大抵のことは大丈夫なんです、きっと。