1回目泣かされた話はコチラ




 

本日の読書感想文


 

103歳、名言だらけ。なーんちゃって

石井哲代



あらすじ 

 


103歳(当時)の著者が人生で得た知恵や経験を、ユーモラスで軽快な語り口でまとめたエッセイ集


時に飄々と、時に深い洞察を交えながら、日常や人生、老いについての名言や格言が語られる


読む人に前向きな気分と、人生を楽しむヒントを与えてくれる



 

泣かされポイント 

 


哲代おばあちゃんのことばに触れたとき、またまた胸が熱くなった



子どもを授からず農家の嫁として「失格感」を抱え、教師も家事も畑仕事も全力で務めたと語るその文は、私にも重なる部分が多い



昭和の田舎の暮らしで、家族に囲まれても、孤独や焦燥に耐えてきた女性の姿が浮かぶ



私自身、子どもがいなくて、悩まないふりをしても、家庭や社会の期待に押し潰されそうになる日がある...



子どもも授からなんだからね、農家の嫁として失格じゃあ、という気持ちを抱えて生きてきました。
子だくさんが当たり前の時代に、後継ぎがおらんのじゃもの。
後ろ指を指されようこと、教師の仕事も畑仕事も家のことも精いっぱいやりました。

あのころは、ここにのんびり座る時間などなかったなあ。外側では気を張って、内側では涙を流しておりました。 

(本文より)

 

 



結局、前作と同じ内容の箇所で涙腺崩壊えーん







「家庭」と「仕事」、いくつかの居場所があることが救いになる、と、よく思う


学生時代は「学部」と「部活(サークル)」があってよかった、と思った


どちらかにつらいことがあったとき、もう片方が自分を受けとめてくれる、ことがある



哲代さんは、外では気丈に振る舞い、内では涙をこらえ、長い年月を生き抜いてきた


その強さとしなやかさに、どうしようもなく共感した








親もその日生きることに精一杯な時代、
子どもは親にめったに甘えられないのですから。
手を握り、頭をなでて伝えてやりたかったんです。
あなたが大切なんよ、いとおしい存在なんよって。

 


このフレーズには、子育ての経験がなくても、共感できる



家庭も仕事も、どちらの世界にも自分を肯定してくれる人が(ひとりでも)いるだけで生きやすくなる



哲代おばあちゃんは

「体は思うように動かんけれど、心だけは自由です」

とも書いている


できなくなることが増えても、人生の灯は消えない


仕事や地域、趣味の場など、いくつもの居場所を持っておくこと


それぞれが、気持ちの逃げ場や安心のよりどころになっているのだ



悩みながらも前を向き、日々の小さな幸せに感謝する、

そんな哲代さんの生き方が、私には心強い



居場所がいくつもある人生は、孤独に溺れずに済む



共感されたい女性たちへ、そっと寄り添ってくれる一冊


タイトル通り、名言だらけ、オススメです



 

著者について 

 


2025年、105歳になられたそうです!ニコニコ



「広島県尾道市の石井哲代さんは4月29日に105歳になりました」

https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/635850

 
 
 
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