先日『TENET』を観て、映画館で映画を観る楽しさを思い出しました。
家でのんびり観るのも好きですが、映画館だと作品への期待度と集中力が倍増、いえ三倍増くらいになりますね。
ハズレたときのガッカリ感も大きいけど‥
期待を膨らましつつ、先日は映画
『82年生まれ、キム・ジヨン』を観ました。
原作は2016年に発売されています👇🏻。
鑑賞前に読んでみました。
この装丁、以前からちょっと気になっていました。
小説の内容をごく簡単に説明するとこんな感じでしょうか。
1982年生まれ。
ごくありふれた名前のキム・ジヨンさんは現在一児の母です。
優しい夫と可愛い子どもがいて幸せに暮らしているように見えたジヨンさんですが、ある時精神のバランスを崩します。
精神科医のカルテには、これまでジヨンさんが体感・体験してきた数々の性差別や不平等が淡々と綴られています。
読後、「韓国の男尊女卑の風潮はかなり根深いんだな」と思いましたが、考えてみたら日本でも同じような経験をされている方はたくさんいるんじゃないでしょうか。
思い出すと親戚の集まりではいつも母や叔母たちが食事作りや配膳、食器の片付けにお酒の補充と、忙しく動いていました。
かたや祖母や男性達は、お酒を飲みお喋りをして、トイレに行く以外立ち上がることもなかったような‥。
この状態って考えてみたらとても不公平ですよね。
今でも職場をはじめ何かの集まりではこういう光景になりがちな気がします。
個人的には、形ばかりの女性の登用や上辺だけのフェミニズムより、男女の区別無くお茶汲みや雑事をやることが当たり前の世の中になって欲しいと思います。
ジヨンさんの周囲では男尊女卑の考え方がそれこそ空気のように存在していて、それを言葉や行動に表す人たちにはほとんど悪意がありません。
本の後書きにあるように、韓国の歴史的背景や徴兵制が男性優位の考えに繋がっている一面も確かにありそうです。
そんな社会の中でたくさん傷つきながら自分の居場所を見つけたジヨンさんの母や元上司のような女性たちもいましたが、ジヨンさんの心はそこにたどり着く前に壊れてしまいます。
小説では希望を見出せない状態のまま終わりますが、映画では描き方が少し違いました。
余談ですが、今回ご夫婦役のチョン・ユミさんとコン・ユさんは、あのゾンビ映画🧟♀️『新感染 ファイナル・エクスプレス』で共演されていましたね。
怖かったなーあの映画‥
チョン・ユミさんは原作のキム・ジヨンさんそのままに、特徴のあまり感じられない女性を演じています。
映画を観ている女性が自分を投影しやすいようにあえてそうしているんでしょうね。
コン・ユさん演じる夫のチョン・デヒョンさんは、原作よりも妻を理解しようと努力するかなり理想的な夫でした。
少しできすぎな感じもしますがカッコ良いです。
一番印象に残ったのは母親役のキム・ミギョンさんでした。
原作で感じたままの、働き者でとても頼りになる、深い愛情で子供たちを見守る優しいお母さんです。
病気になったジヨンさんを不憫に思って号泣するお母さんの姿はとても痛ましかった‥。
原作ではジヨンさんのお母さんやお祖母さんの時代の女性の社会的な地位や役割についても触れています。
これは私の印象ですが、男女の差別や不平等への問題提起というイメージが強い原作に比べると、映画ではジヨンさんの病の一つの要素である『産後うつ』により焦点を当てていて、子育てをする女性の孤独や社会の不寛容を描いていたように感じました。
映画を見ながら自分が子育てしていた頃を思い出しました。
確かにあの頃、家庭以外に自分の居場所がないことに不安を感じることがよくありましたっけ‥。
子どもが3歳になると保育園に預けて働き始めたのですが、今あの時の自分に会えたら「そんなに焦らなくていいんだよ」と言ってあげたい気もします。
映画では明るい余韻が残る終わり方なので、気持ちが少し救われました。
老若男女問わずお勧めしたい映画ですので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
前回のブログで郵便物が行方不明になったことをお伝えしましたが、先方にちゃんと届いていたことがわかりました。
84円の普通郵便をきちんと配達してくれる郵便局の皆さん、いつも有難うございます。
郵送事故を疑ったりしてすみませんでした。
昨日のご飯
約一年ぶりに学生時代の友人達とランチができました。
モーレツに喋って食べて飲んで楽しい時間でした。
受験生のお母さんがいるので次の約束は受験シーズンが終わった来年の3月にしました。
どうか◯君が合格しますように。