ノボの生き活きトーク 685号: 小沢征爾と江戸京子への感慨(その4) | 生き活きノボのブログ

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ここでは、ノボの聴いた小沢指揮のMCO演奏会の内容を、一つ一つ個々に取り上げませんが、印象に残っている事柄を少しだけ紹介します。

まず、小沢がステージに現れる時は、オケのメンバーが着席して準備を整えた後、聴衆の拍手に迎えられて登場するのではなく、楽員とともに出てくるのです。それだからいつの間にか小沢が登場していたということになります。その上、何か打ち合わせをしたり、指示したりもしています。最後の最後まで演奏の準備をしていましたね。また、アンコールには、モーツァルトのディヴェルティメント(k136)を好んで取り上げていました。それも第2楽章から演奏し、それが何度聞いても素晴らしかった。もう、あのk136の生演奏が聴けなくなったかと思うと、やはり淋しい。

そしてまた、MCO演奏会には、吉田秀和がドイツ人の奥さんとともに、中央後方の席に着いて、聴いていました。奥さんが亡くなられてからは、一人で聴かれていた。演奏が終わり、拍手が巻き起こると、吉田秀和は席から立って、盛んに拍手を送っていたのを何度も見ました。勿論、小沢はたくさんの花束をいただきましたが、花束を持った女性から楽員に誰それにあげてくれと頼まれ、喜んで受け取り、その楽員に届けたりもしていました。実は、2004年7月7日の第58回定期演奏会の時、小生は長女とともに最前列中央の席で聴きました。その時演奏前に、芸術館関係者らしい貴婦人から大きな素晴らしい花束を渡して欲しいと長女に依頼されました。演奏が終わると、長女は真っ先に花束を上げましたが、小沢はニコニコして、喜んで握手をしましたね。長女は桐朋学園高等部に在籍していましたので、小沢の後輩ということになりますが、大喜びでした。拍手も鳴り止み、聴衆はATMホールから退場しますが、混雑していたので、しばらく最前列で待機していました。しばらくして、客席後方を眺めると、何とまだ吉田秀和がいるではないか。小生は、長女に吉田秀和のサインを貰おうと誘いました。長女がプログラムを持って近づき、サインをお願いすると愛想よく応じてくれました。そして長女がプルグラムの裏表紙を開くと、余白はありましたが、缶ビールのCMも掲載されていました。それを見て、吉田秀和はここは場所がよくないね、と言って、表紙の見開きを開け、スラスラとサインしてくれました。小生がそばでお礼も込めて会釈すると、ニコニコ笑って会釈を返してくれましたね。ノボはサインを貰いませんでしたが、学生時代から知っていて尊敬している超有名人に接したのですから嬉しかったですね。

ところで、芸術館が開館してしばらくの間、芸術館会員は無料で小沢とMCOのリハーサルを聴くことができました。その後、水戸市内の小中学生に限定されて、会員は聴けなくなりましたが、ノボは大喜びでこのリハーサルを聴きに出かけました。これが何とも面白かった。 つづく。  (令和6年2月25日)