【人間原理:参考1(ミクロとマクロの関係)】 | ピアの窓

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徒然に気の向くままに

人間原理で良くでてくる物理定数の大数問題。これを人間原理から帰着しようとしているようですが、まだ知られぬ法則が潜んでいるような気がしてならない。

■私のブログで過去に「ゆらぎ」について調べ投稿したことがある。簡単にいうとミクロの分子の動きがが中間階層(メゾスコピック*)のゆらぎを経て、マクロの現象に影響を与えているという。 一例としてマクロな電気伝導率がミクロな電流の熱的揺らぎ に起因していることが知られている。

熱雑音(ゆらぎ)の影響を受ける世界の理論である平衡統計力学や線形非平衡力学が構築されてきたが、これはオングストローム程度のミクロな力学世界とセンチメートル程度のマクロな世界の橋渡しを担っている。「ゆらぎの定理」は例えば温度差のある物質間のエネルギー等の移動に関して、多数回の測定値にバラツキを生じる。このバラツキの頻度分布を問題にするもので、生命体や創薬の研究等に広く応用されているという。

 

■更にこの階層性は 何段にもわたる事がある。気体はその典型である。まず完全にミクロな運動を記述する方程式(相互作用している古典的多粒子の Liouville或いは Newton運動方程式)から分子の平均自由行程のス ケールで成り立つボルツマン方程式を導き、最後に、ここからマクロなスケー ルの流体力学的方程式をだす (Chapman-Enskog)に到達する。

■又、東京大学の研究チームは、マクロな世界の基本法則である熱力学第二法則を、ミクロな世界の基本法則である量子力学だけを用いて理論的に導出することに成功したという。