<艶が~る、二次小説>


古高俊太郎様、花エンド後の話も、もう9話目です涙


あれから三人はどうなったのか!!相変わらずの駄文ではありますが…良かったら、また覗いていって下さいませキャッ


※俊太郎様、花エンドを迎えていらっしゃらない方や、俊太郎様を攻略していらっしゃらない方にはネタバレになりますので、ご注意下さい。


【第8話のあらすじ】

その後、秋斉さんの家で夕飯を披露しながら楽しい時間を過ごし、半ば幕末時代の記憶を取り戻し始めた秋斉さんが気になりつつも、俊太郎さんの運転で家まで送ってもらうことになったのだった。


現代版ですし、私の勝手な妄想ではありますが…少しでも、俊太郎様を感じて貰えたら嬉しいです…。


↓俊太郎さんと、秋斉さんの私服姿はこちらから見られます(-∀-)イヒッ

*俊太郎×秋斉*


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【古高俊太郎~花end後~】第9話



「……もうそろそろ、時間切れやな…」


彼の哀しげな吐息と共に、ずっと絡まったままだった指がゆっくりと離され、その甘美な余韻を残したまま、また心が切なさに襲われ始める。


時計は、もうすぐ9時になろうとしていた。


(出来れば、あと10分でいい。時間が戻ってくれたら…)


「ずっと…このまま一緒にいたい…です」

「そない言われたら、ほんまに帰せへんようになる…」


そう言うと、彼はまた柔和な笑みを浮かべながら、止まったままだったエンジンを動かし始めた。


「…また明日、これで迎えに来るさかい」

「…はい。あの、明日はどこへ行きましょうか?結局、どこへ行くか決まっていませんでしたね…」

「あんさんの行きたいところやったら、どこでも。東京はよう知れへんし…」

「じゃあ、あの…水族館へ行きたいです」


俊太郎さんは、「ええよ」と、言うと、いつもの微笑みを見せた。


(本当は、ディズニーシーへ行ってみたかったんだけど…日曜日だもんね…)


「迎えに来るんは10時くらいがええやろうか…」

「あ、そうですね…待ってます」


どしゃ降りだった雨が、次第にその勢いを弱め始めた頃。


彼は「今のうちや…」と、言って、後部座席に置いたままの上着を手にすると、ドアを開けてまわり込み、助手席のドアを開けた。


「俊太郎さん?」

「…挨拶、せんとな」

「えっ…」


(それって…もしかして、うちの両親に対してってこと?)


彼は、私の真上に上着を被せるようにして微笑んでいる。


「礼儀や」

「俊太郎さん…」


その上着を傘代わりにして、玄関前まで辿り着くと、私はドキドキする胸を抑えながら玄関のドアを開けた。


「…た、ただいま!」

「おかえり~…って、えっ!」


丁度、真正面のトイレから出て来たお母さんと鉢合わせる。


「あの、お母さん!この人が、俊太郎さん」

「ちょ、ちょっと…連れてくるなら連れてくるってメールでもしなさい!突然、びっくりしちゃったじゃないのよ」

「…ごめん」

「初めまして、こんばんは。急にこない時間にすみません。お嬢さんとお付き合いさせて頂いている、古高俊太郎と申します」


お母さんは、軽く会釈する俊太郎さんの紳士的な態度に少し笑みを浮かべると、「こちらこそ」と、言って私を見つめた。


「生憎、お父さんは残業があるとかで留守なんだけど、上がっていってもらう?」

「ううん、これからまた、俊太郎さんは川崎まで戻らなければいけないから…」

「明朝、またお嬢さんをお迎えに参りますが、今度また、ゆっくりとお邪魔致します」

「そうですか、あの…これからも娘をよろしくお願いしますね」

「…はい」


(…なんか、二人のやり取りが擽ったいなぁ…)


挨拶を終え、お母さんと一緒に傘を差しながら、俊太郎さんを乗せた車が見えなくなるまで見送った。


「なんて顔してるのかしらねぇ…」


どんな顔をしていたのだろうか、お母さんが私の隣でにこにこしながら呟いた。


「良い人そうね、彼」

「うん、とっても素敵な人だよ」

「これはこれは、ご馳走さまっ」


いつの間にか雨は止み、雲間から綺麗な満月が顔を出していた。


(…今夜も、また眠れないだろうな……)


さっきの、キスを思い出して…。




*艶が~る幕末志士伝* ~もう一つの艶物語~




秋斉×俊太郎 side



「探していた…か」


彼は、黒い半袖Tシャツに、グレーのスエット姿でバスタオルを頭から被せたまま、缶ビールを片手にベランダに出ると、夜景を見やりながら夜風に身を預けた。


(…なんで、こないに気になるんや)


彼女の笑顔に見覚えがあると共に、ずっと昔から知っていたような懐かしさを感じる。


(俺も、誰かを探しているのかもしれへんな…)


「…お帰り」


リビングのドアが開く音と共に俊太郎の帰りを確認した秋斉は、一声かけると、部屋の中へ戻り冷蔵庫から缶ビールを取り出し、ソファに腰掛ける俊太郎に手渡した。


「で、襲ったんか?」

「ああ…」


そう言いながら、俊太郎はビールを受け取ると、秋斉に車の鍵を手渡しながらいつもの微笑みを見せた。


「ほんまに襲ったんか…」

「…これでも、堪えたほうやけどな」


秋斉は、少し唖然としながらも、美味そうにビールを飲む俊太郎の隣に座り込む。


「どこまでが本気でゆうとるんか分からん…」

「はは、それより…秋斉」

「なんや?」

「さっきのことやけど…」

「……探していた、いうやつか?」


そう秋斉に尋ねられると、俊太郎は、「そうや」と、言っていつもの微笑みを見せた。


「お前もいずれ、幕末時代の記憶を完全に取り戻す日が来るやろう…」

「…幕末時代?」


最初は、何を言い出すのかと苦笑交じりに聞いていた秋斉だったが、俊太郎が話し始めて間もなく、彼は自分がその時代で生きていたということを意識し始め……


その一つ一つを手繰り寄せていった結果、もう一人の俊太郎と、自分に辿り着いた。


「……俺は、幕府の為に身を粉にして働いていた…」

「どうやら、少しずつ思い出したようやな」

「…ああ」


(そうや、思い出した…。俺は、藍屋の楼主として生きようとしたんやった。全ては、幕府の為に。そして、あいつを守り、共に生きる為に…)


俊太郎との記憶、そして、彼女との記憶が徐々に甦り…誰よりも大切にしていた人に辿り着く。


(慶喜……)


「何故、再び彼女と出会い、幕末時代での記憶を思い出すことになったんかは、わてにも分かれへん。せやけど、彼女の存在自体が…わてらがあの時代で共に生きていた証…」


そして二人は、彼女が現代へ戻って行ったあの日、自分たちの年齢が今の年齢であったことに気付かされた。


お互いに、まだ全ての記憶を取り戻せたわけでは無いものの、思い出す度に胸が締め付けられるような気持ちになっていく。


「あの日…新選組に囚われたわては、彼女のことを想い…初めて死ぬんが怖なったんや」


元治元年、六月五日。祇園祭の宵山の最中に起こった洛陽動乱(池田屋事件)は、新選組による容赦無い拷問の末、古高俊太郎が自白したことによって起こった捕り物であった。


これにより、多くの土佐藩士や長州藩士らの尊い命が犠牲になると同時に、攻め込んだ新選組隊士の中からも犠牲者を出す中、この新選組の働きにより、京都守護職である松平容保と天子様の命、ひいては、京の都を守ることになったのだった。



「事件後。坂本龍馬殿の計らいによって、壁越しではあったが彼女の哀しげな泣き声を耳にした時……胸が張り裂けそうやった。こないわての為に…涙を流してくれはるとは、と…」



そして、洛陽動乱から数日が経った、七月二十日。


三条新地牢屋敷へその身を移された彼は、禁門の変によるどんどん焼けと共に、京の町が燃えさかる中。


坂本龍馬らの計らいにより、ほんの一瞬だが、愛しい人との再会を果たすこととなる。



*艶が~る幕末志士伝* ~もう一つの艶物語~


『俊太郎…さまっ…』

『生きて…幸せになっておくれやす…』

『いや、私はあなたの傍を離れないっ!』

『わてが…愛したんは…あんさんだけや。たとえ結ばれへんとしても…わては、あんさんの情を忘れへん…これからも…未来永劫…』


つかの間の抱擁。


気が付けば、愛しい人を手離していた…。



「あの時わては、薄れゆく意識の中で確かに見届けたんや。彼らが消えた瞬間を…」

「で、彼らが未来へ戻ってきて間もなく…俊太郎はんと出会うたゆう訳か…」

「そういうことになるな…」


俊太郎は、秋斉の言葉に一つ頷いた。


「まるで、神事のようやないか…」

「せやな。彼女は、ほんまに……わてにとっての天女やったのかもしれへん」


……その夜。


二人は時間の許す限り、それぞれが負った心の傷を慰め合い、自分達の信念を貫き通した栄華について話し続けた。




ヒロインside



月明かりだけに照らされた部屋の中で、ベッドに横になりながら、今日一日の出来事を振り返っていた。


この現代で、生まれ変わった俊太郎さんや秋斉さんとの出会いがあり、俊太郎さんは更にあの時代で生きていた記憶を取り戻しつつあるようだった。


「もしも、秋斉さんの記憶が戻ったら…どうなるんだろう…」


車が家の前の道路を走り去る度に、白い光が天井を揺らし、何故かそれを目で追いながら、さっきのことを思い出す。


(…キス、しちゃったんだよね…)


【もう、我慢出来ひんかった…】


(…きゃぁあああっ…どうしよう…眠れないよぉ…)


俊太郎さんの吐息交じりのキスと、耳を擽る低い声。


そして、優しい温もりが再び脳裏に甦る…。


【もう、わてだけのものやいうのに…まだ、あんさんを抱くことは叶わへんままや】


(……っ…)


いつか、俊太郎さんに抱きしめられる日がくるのだろうか。


(…ああ…もう、考えるの止めよう。本当に眠れなくなっちゃう…)



そう思いながらも、明日のデートのことも考え始めてしまった私は、半ば眠るのを諦めていた。




【第10話へ続く】




~あとがき~


お粗末さまどした汗


俊太郎さんと秋斉さんの男同士の会話って、どないなんやろ?やっぱり、多少はそういう話もするのかな?などと、思ったりして汗


んでもって、秋斉さんの記憶が戻り始めました涙そして、次の日の俊太郎さんとのデートは、いろいろ考えて、水族館へきらハート


本当は、皆さんからのご意見(東京デート出来るならどこへ? )も、参考にして、ディズニーランドなんぞへ行ってと、考えていましたが…日帰りで京都へ帰らなければいけない俊太郎さんのことを考えると…水族館のほうがいいかな…と。浴衣持参していたなら、浅草デートも良いかと思っていたんだけれど。


いずれにせよ、もう一泊出来るのなら…夜中まで一緒にいられるのになぁ…。


明日の半日デートの後には、またしばしの別れが…。そして、次に出会うかもしれない旦那はんはいったい誰なのか?


秋斉さんの探している大切な人なのか?それとも……。


こげな駄文ではありますが、また良かったらお暇な時にでも遊びに来てやってくださいませ涙


今回も、遊びに来て下さってありがとうございましたウフフ


阪神は……勝ったのだろうか?涙