「牛乳」について
牛乳(ぎゅうにゅう)とは、ウシ(牛)の乳汁である。栄養価が高く、様々な乳製品の原料や、菓子や料理の材料に利用できる。
乳等省令では、種類別「牛乳」を指す。直接飲用する目的で販売する牛の乳をいい、生乳100%、成分無調整で、乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上のものをいう。
成分無調整とは、生乳を殺菌して、牛乳を製造する工程で、成分をまったく調整していないことである。
使用できる原料は、生乳のみで、水や他の原料を加えてはならない。
酪農生産物であって、家畜(乳牛)から採取した生乳から、牛乳や乳製品となる。乳製品は、加工乳、乳飲料、チーズ、バター、ヨーグルトなど多岐にわたる。
加工乳は、生乳に脱脂粉乳やバターなどの乳製品を加えたものであって、乳飲料は、生乳または乳製品を主原料に、乳製品以外の物を加えた物である。
成分調整牛乳や低脂肪牛乳や無脂肪牛乳は、生乳から乳脂肪分を調整した物とされる。
牛乳は、白い液体の食品である。水分中に離散している脂肪や、カゼイン(タンパク質)の微粒子が光を散乱して、白く見えるためで、コロイドのチンダル現象という。
牛乳を温めると表面に膜が張り、これをラムスデン現象と呼ぶ。
摂取の適正年齢について、日本では牛乳を飲用として与える場合は、鉄欠乏性貧血の予防の観点から、1歳を過ぎてからが望ましいとしている。
国連食糧農業機関(FAO)によって、2001年の6月1日が、「世界牛乳の日」と定められた。これを受けて日本では、2008年から、6月1日が「牛乳の日」で、6月が「牛乳月間」とされている。
「栄養素と成分」について
カルシウムを多く含むだけでなく、ビタミンAやビタミンB2の供給源にもなる。また、たんぱく質は不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)や、分岐鎖アミノ酸をバランスよく含む。
「カルシウム」
牛乳はカルシウムを多く含むだけでなく、吸収率は、他の食品(小魚33%、野菜19%)に比べて、40%と優れている。
たんぱく質が消化される過程でできるCPP(カゼインホスホペプチド)が、腸内でカルシウムの吸収を助ける。
「カリウム」
牛乳100g中に150mg 含まれて、多く摂りすぎたナトリウムを、体外に排出する働きをする。
「ビタミン」
成長期に欠かせないビタミンB2やビタミンAの他に、ビタミンB12なども含まれる。
「たんぱく質」
主にカゼインとホエイからなり、体内で合成できない不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)や、筋肉を作るのに役立つ分岐鎖アミノ酸をバランスよく含んでいる。