農産物の効用と価値 | 作家 福元早夫のブログ

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ショウガ 」について

ショ ウガ(生姜)は、ショウガ科ショウガ属多年草である。根茎部分は、香辛料として食材に、また生薬として利用される。熱帯アジアが原産で、各地で栽培されている。

 

「生薬」として

 タネとして植えた根茎は、新根茎ができても、腐敗せずにある。これをヒネショウガといって、辛味が強く生姜(しょうきょう)と称して生薬に用いる。

 漢方の生薑(ショウキョウ)は、本年に形成された根茎を秋まで育てて乾燥したもので、中国では紀元前500年頃から薬用として利用されている。

 

 局方生薑は、秋まで十分に生育させて葉が枯れてから、根茎を掘り上げて水洗いして、石灰をまぶして天日乾燥したものである。

 発散作用、健胃作用、鎮吐作用があるとされる。発散作用は、主に発汗によって寒気を伴う風邪の初期症状の治療に使われる。

 

 健胃止嘔作用は、胃腸の冷えなどによる胃腸機能低下防止などに使われることが多い。辛温(辛味により体を温める)の性質を持つために、中医学で言われる熱証(熱を持ちやすい体質)には用いない。

 大棗(おおなつめ)との組み合わせで、他の生薬の副作用をやわらげる働きがあるとされて、多数の方剤に配合されている。

 

 表面の皮を取り去って、蒸して乾燥させたものは、乾姜(かんきょう)と呼ばれる。興奮作用、強壮作用、健胃作用があるとされる。

 生姜よりも熱性が強い辛熱の性質があるとされるので、胃腸の冷えによる機能障害では乾姜を使う場合が多い。

 いくつかの研究では、妊婦の吐き気や、嘔吐の緩和に役立つかもしれないとの報告がある。

 

 日本薬局方においては、単に乾燥させた根茎を生姜(しょうきょう)、蒸してから乾燥させたものを、乾姜と区別している。

 なお、乾生姜(かんしょうきょう)とは、新鮮な生姜(鮮姜、せんきょう)に対して区別する言葉として使用されていて、日本薬局方の「生姜」と同じものである。

 

 民間療法では、食欲不振、悪心嘔吐しゃっくり風邪の症状緩和などに、生の根茎(生姜)を用いる。

 胃の調子が悪いときに、ショウガ1日量3 - 8グラムを、600 ccの水で半量になるまで煮詰めて、3回に分けて毎回温服する用法が知られている。

 

 風邪をひいて寒気がするとき、二日酔いつわり吐き気むかつきには、ヒネショウガをおろして、味噌大根おろし・刻みネギシソなどと混ぜて、熱湯を注いで飲む方法が知られている。

 

 また、生姜を加えた葛湯は、体を温めて、免疫力を高めるため、風邪の民間療法によく用いられる。

 ただし、胃腸に熱がある人への服用は使用禁忌とされている。腰痛や肩こり、便秘には、乾燥保存しておいた茎葉を浴湯料にして用いることが出来る。

 イギリスでは、風邪のひきはじめに、ジンジャーティーを飲む習慣がある。

 

 有効成分としては、精油を0.25 - 3.0% 含有して、辛味成分0.6 - 1.0 %(ジンゲロールジンゲロン)が含まれている。

 ショウガは加熱すると、ジンゲロールが香り成分のショウガオールに変化する。これらは唾液中のジアスターゼの作用を促進する成分を含み、ジンゲロールやジンゲロン、ショウガオールには胃液の分泌を促して、消化促進の効果がある。

 

 ほかに、血液の循環を高めて、発汗を促して代謝を高める働きがある。また香り成分のシネオールには、食欲増進、疲労回復、夏バテ解消の効果が期待されている。

 また最近では、ショウガの中に血液中のコレステロール値や、血圧を低下させる働きを持つ成分もあることがわかってきている。