「カボチャ 」について
カボチャ(南瓜)は、ウリ科カボチャ属に属する果菜の総称である。原産は南北アメリカ大陸だが、主要生産地は中国、インド、ウクライナ、アフリカである。
皮を含む果実を食用として、不飽和脂肪酸、ミネラル、たんぱく質、βカロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、これらのビタミンを含んでいる。
種には、炭水化物と脂肪が含まれる。若葉、茎、花も、可食可能である。種は油、カリウム、マグネシウム、カルシウムを含み、パンプキンシードオイルの原料となる。
「栄養」について
炭水化物が多く、エネルギーは可食部100グラム (g) あたり、西洋カボチャが91 kcal、日本カボチャで49 kcalで、野菜の中でも、カロリーは高めである。
β-カロテンをはじめ、抗酸化作用のあるビタミンC・ビタミンEが突出して多く含まれていて、ビタミンB群、カリウム、食物繊維もバランス良く含まれている。
β-カロテンは、カロテノイドとよばれるカボチャの黄色い色素成分のひとつで、体内で吸収されると、ビタミンAに変換される。
ビタミンA・C・Eは、俗に「ビタミンエース」(ビタミンACE)とよばれて、抗酸化作用によって活性酸素を取り除き、免疫機能を高める効果があると言われている。
ビタミンCは、俗に「美容ビタミン」とも呼ばれて、皮膚や粘膜を健康に保ち、皮膚のしわやシミを防ぐ効果があって、風邪の予防にもよいといわれる。
ビタミンEは、俗に「若返りのビタミン」ともいわれ、毛細血管の血流を促して、老化を防ぐ働きがあるといわれている。
ミネラルではカリウムが豊富で、ナトリウムを体外へと排出する働きによって、血圧を下げる作用がある。
カボチャ100gで、ビタミンA・C・Eの、1日必要摂取量の約半分を摂ることができて、β-カロテンが多いニンジンと比べても、一度に量を摂取しやすい。
カボチャのエネルギー源は、糖質であって、葉物野菜の数倍を含み、特にセイヨウカボチャは、果物に匹敵するほどの糖質を含んでいる。
カボチャ245gのうち、タンパク質は1.8g、脂肪は0.2g、炭水化物は12g含まれ、そのうち、食物繊維は2.7g含まれるだけであって、糖質の含有量が高い。
このために、カボチャは、穀類や芋類として分類されることもある。葉物野菜類のビタミンCは、長期保存によって減少してしまうが、カボチャの場合は、あまり減少しない。
カボチャのβ-カロテンやビタミンEは熱に強く、油と合わせて調理すると、より吸収率が高まる。
『食材以外での利用』について
「生薬」として
薬用とする部位は、果実と種子で、果実は南瓜(ナンカ)、乾燥した種子は南瓜仁(ナンカニン)と呼んで生薬とする。
果実は、胃腸を温めて食欲を増進して、疲労倦怠、食欲不振に効果があるとされる。また種子は条虫、回虫駆除に用いられる。
民間療法としては、果実は調理して食べるが、種子は1日量5グラムを、600 ccの水で煎じて、3回に分けて服用する用法が知られている。
また、種子を炒って殻を取り除いて食べても、同様によいとも言われている。