人間の生き方 | 作家 福元早夫のブログ

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人生とは自然と目前の現実の、絶え間ない自己観照であるから、
つねに精神を高揚させて、自分が理想とする生き方を具体化させることである

  ウィリアム・シェイクスピア1564年1616年)は、イングランド劇作家詩人で、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物でもある。

 

 シェイクスピアの戯曲の多くは、洋の古今東西を問わず、世界全体の中でもっとも優れた文学作品として評価されている。

 

 1623年に、ジョン・ヘミングスヘンリー・コンデルによって編纂されたファースト・フォリオにおいて、これらの作品は悲劇・史劇・喜劇という3つのジャンルに分けられた。シェイクスピアの作品は、その全てが多くの国の言葉に翻訳されて、各地で上演されている。

 

 当時としては一般的なことであるが、シェイクスピアの戯曲は、他の劇作家の作品に依拠しているものや、古い説話や歴史資料文献に手を加えたものが多い。

 

 例えば、おそらく『ハムレット』(1601年ごろ)は、現存していない先行作品(『原ハムレット』と呼ばれる)を改作したものであることや、『リア王』が同じ題名の過去の作品を脚色したものであることなどが研究の結果明らかとなっている。

 

 また、歴史上の出来事を題材としたシェイクスピアの戯曲は、古代ローマ古代ギリシアを舞台としたものと、近世イングランドを舞台としたものの2種類に大別される。

これらの作品を執筆するにあたって、シェイクスピアが資料としておもに用いたテキストは2つある。

 

 前者の材源は、プルタルコスの『英雄伝』であって、後者が依拠しているのは、ラファエル・ホリンシェッドの『年代記』である。

『年代記』は史劇だけでなく、『マクベス』や『リア王』の素材ともなっている。

 

 またシェイクスピアは、同時代の劇作家クリストファー・マーロウの文体を借用していると考えられることもある。

 シェイクスピアの作品の中でも、劇作法、テーマ、舞台設定などの点からみて、もっとも独創的といえるのは『テンペスト』である。

 

 シェイクスピアの戯曲のいくつかは、四折判の単行本として刊行されているが、多くの作品はファースト・フォリオに収録されるまで未刊行のままであった。

 シェイクスピアの作品を悲劇・喜劇・史劇に分類する伝統的な区分は、このファースト・フォリオの構成に従ったものである。

 

 喜劇的な筋書きでありながらも、倫理的な悩ましい問いかけを提示するような複雑な作品もいくつか存在するが、フレデリック・ボアズやW.W.ローレンス、E.M.W.ティリヤードといった近代の批評家は、これらの作品に「問題劇」ないし悲喜劇の用語を与えている。

 後期の喜劇作品に「ロマンス劇」の語が適用されることもある。

 

 シェイクスピアの戯曲の正確な創作年代については、多くの議論がある。またシェイクスピアが、生前に自作の信頼できる版を刊行しなかったという事実によって、シェイクスピア作品の多くがはらんでいるテキスト上の問題が起きている。

 

 つまり、すべての作品の刊本の版ごとに、多かれ少なかれ原文に異同のある異本が存在しているのである。

 このために、シェイクスピアが実際に書いた部分と、別人による改変を特定ないし推定する本文批評が、現代の研究者や編者にとって大きな問題となる。

 

 ベン・ジョンソンのような、他の劇作家と異なって、シェイクスピアは自作の定本を刊行することに関心を払っていなかったと考えられる。

 こうした異本は、底本がシェイクスピアの自筆原稿であったか、筆耕者の手を経た清書稿であったかにかかわらず、印刷業者のミスや植字工の誤読、原稿の読み違えで正しい順に詩行が配置されなかったことなどによって生じる。

 

 一つの作品について、極端に異なる二つのバージョンが存在する場合に問題は深刻になる。バッド・クォートと呼ばれる、ズタズタに切り刻まれた粗悪な刊本が数多く存在するが、これらはファースト・フォリオの編者が、「盗用された海賊版」と非難しているものと考えられる。

 

 それほど台無しにされたわけではない異本については、一概に無視できないものがある。たとえば、『リア王』の四折判と二折判には大きな違いが見られる。

 伝統的に、編者は両方のバージョンからすべての場面を取り入れて融合することにしている。

 

 しかし、マドレーン・ドーラン以降は、両方を別物とみなして、『リア王』という1つの戯曲に2つのバージョンの存在を認めるという動きもある。

 ゲイリー・テイラーとロジャー・ウォーレンは、共著の"The Division of the Kingdom"において、『リア王』にみられるような異同は、1つのテキストが異なる形で刊行されたのではなく、テキスト自体が異なる形で2つ存在していたためだという説を提唱している。

 

 この仮説は、一般に広く受け入れられてはいないが、その後数十年間の批評や編集の指針に影響を与えており、ケンブリッジ版とオックスフォード版の全集では、『リア王』の四折判と二折判のテキストが両方とも別個に収録されている。

 

  ウィリアム・シェイクスピア(1564年1616年)はイングランド劇作家詩人で、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物でもある。

 卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写によって、もっとも優れているとされるイギリス文学の作家である。

 

 人間の生き方について彼は語っている。

「望みなしと思われることもあえて行えば、成ることしばしばあり」