二宮翁夜話(にのみやおうやわ)は、二宮尊徳の高弟である福住正兄(まさえ)が、著した尊徳の語録である。
1845年(弘化2)、22歳で尊徳に入門して,以後6年間、随身し直接教えをうけた著者が,のちにそれをまとめたものである。
50歳頃から起稿して,1884から87年(明治17~20)に、15巻本として出版された。斎藤高行著「二宮先生語録」が、漢文体であるのに対して、本書は平易な和文体で,尊徳の思想を広めるのに大きな役割をはたした。「二宮尊徳全集」に所収されている。
二宮尊徳(にのみやそんとく・1787―1856)は、江戸時代の後期から末期の農政家で、通称金次郎とよばれる。
相模(神奈川県)の人で、少年期に父母を失い,苦学して学業に励み,没落した一家を再興した。
倹約実践家で,神・儒・仏に基づく報徳精神を説いて農村復興に尽力して、報徳社運動が全国に展開された。
人間の生き方について彼は語っている。
「農は万業の大本なり」