今年の1月。

手術を受けた後、休養中に、とても嬉しいニュースが舞い込んで来ました。

 

以前翻訳させていただいた、

著書ショーン タン Red Tree が

読書探偵作文コンクールの中高生読書感想文コンクールを受賞した、というニュース!

 

読書探偵作文コンクールとは、小、中、高校生に翻訳書を読んでもらい、その本について作文を書いてもらうというコンクールです。

 

最優秀賞を受賞された古屋さん(当時中3)の作文をこちらでご紹介させていただきます。

 

僕は、レッドツリーを読んでみて、これまでに自分が読んだことのない形の絵本に驚きました。
 この本は、孤独で何かに悩んでいる少女が主人公で、この少女は心が折れそうになって悲観的になっている人の心の中をそのままにしながらも、易しく単純な言葉で次々と代弁していきます。
「すべてが真っ暗。」「だれも、何も分ってくれない。」「まわりはすべて、冷たい機械のよう。」
 僕がこの中で最も共感が湧いたのは、「楽しいことは、すぐに過ぎてしまう。」です。楽しいことをして現実から目を背けて、つかの間の休息を得ようとします。
 それでも、心のどこかで不安がくすぶっていてソワソワし、そして終わってしまうとそれが流れ出ると共に、空虚感が流れ込んで来る、そのような感覚を僕は何度も感じましたし、これからも何度も味わうことになるでしょう。
 しかし、そのような思いを持っていた主人公も最後は自分が待ち続けていたものは、実は自分のすぐ近くで待っていたことに気が付き、ハッピーエンドで終わります。僕はここに作者の本当に伝えたいことが込められていると思います。その思いは、絵にも表れています。
 最後のシーンで主人公は題名にもなっている赤い木を見上げているのですが、その他の全てのページの中に、赤い木の葉が一枚だけあるのです。もし赤い木が主人公の求めていた答えなら、一枚の木の葉はその答えのヒントだったのではないかと僕は考えています。
 僕はこのようなことから、この絵本の作者が伝えたいことは、何かに対する答えは、ただひたすら待って勝手にダメだとあきらめるのではなく、自分から探しに行って少しでもつかもうとすることが大切だという当たり前のことだと思います。
 僕は、自分が今できることをしっかりやっていこうと思いました。

 

タンさんの素晴らしいイラストを感じ、しっかりと読んでいただき、そしてこの本が意図することをご自身の言葉で書いてくれたことに、感動しました!

そして、私自身、すごく古屋さんの言葉に勇気をもらいました!

 

この本を手にとってくれて、ありがとうございます!



こういうコンクールは、いいですね!

詳しいことは、こちらまで。


読書探偵作文コンクール 中高生部門


読書探偵作文コンクール 小学生部門