大阪万博「子ども無料招待事業」に教職員・自治体が猛反発! 大阪府民“ほぼ無関心”の深刻事態
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6月5日、大阪府教職員組合が、大阪・関西万博に子どもたちを無料で招待する事業に対し中止を求める要望書を大阪府教育庁に提出した。教職員は3月に万博の建設現場で爆発事故が発生し、安全性への不安、会場へのアクセスの脆弱性を指摘している。
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また、5月には、大阪府交野市の山本景市長が参加を希望する小中学校がなかったことを明らかにしたうえで、「学校単位で行かなくてよい」という見解を示した。山本市長は6月10日の会見で、「回答があった学校のうち約75%が来場を希望すると回答した」とする大阪府の意向調査の中間発表を改めて批判。大阪・関西万博に逆風が吹きつつある。
筆者も小学生の子供がいる大阪府民にヒアリングしてみたが、「75%が万博に来場を希望」とする大阪の意向調査は“いささか盛り過ぎ”ではないかという実感。どちらかというと、"万博に関心ナシ"の層が多い印象がするのだ。
「正直、親としてはどっちでもいいというか、判断材料がそこまでないので…。確かに、舞洲は遠いし、メタンガスの問題もありますし、心配ではありますね」(30代・母親)
「そこまで大阪府民が万博を楽しみにしているかというと、そうではないんですよね。大阪府はめっちゃ盛り上げようと躍起になっている感じはしますが」(40代・父親)
「正直、舞洲ってアクセスが悪くて、学校の先生が小学生を引率して行くのってちょっと心配ですよね。バスもタダでさえ、運転士不足なのに、用意できるのかなって。街中でバスの運転士時給2000円とかデカデカと告知されてますが、そんな躍起になって集めて、逆に運転士の人件費も大丈夫なのかって不安になりますね」(40代・母親)
無料招待事業を運営する大阪府教育庁の超楽観的な見通しを聞いてビックリ
筆者も大阪府民なのだが、小学生2人を含む3人の子どもから“万博”というワードを一度も聞いたことがないし、子ども同士で“万博”を話題にしている様子も見かけない。かろうじで万博のマスコット・キャラクターである“ミャクミャク”の名前は聞いたことはあるが。子ども達の中では、“ミャクミャク”と“万博”はリンクしていないようだ。
無料招待事業を運営する大阪府教育庁教育総務企画課に話を聞いた。
ーー教職員組合から中止を求める声があがっている。
「メタンガスの問題もあり適さないのではないか、というご意見に関しましては、今月中に博覧会協会のほうで、方針が表明されます。その情報を受け取り、教育現場と連携を持って進めていき、対策を講じていきます。また、移動に関してですが、今回の意向調査のデータを受け、交通機関の手段が見えてきたところで、対策を講じます。現在、バスを3000台確保しておりますが、想定を上回った場合、それ以上に確保する努力をしていきます」
ーー交野市は行かないという判断をしたが。
「子ども達に先進の技術、多様な価値観、パビリオンをみていただくだけでも教育の効果はあると思っております。当然、学校長の判断によりますので、学校がある場所も違うので、その学校の判断を尊重します」
ーー大阪府民がイマイチ盛り上がっていない印象もする。
「まだ、パビリオンの予約が始まっておらず、パビリオンの状況が見えてきていませんので中々、盛り上がれないのではないでしょうか。秋頃にパビリオンの予約が始まる予定ですので、もう少し立てば、知っていただける機会も増えると思います」
どうも盛り上がりにかける大阪・関西万博。大阪府民が置き去りにされていてる気がしてならない。
完全に、日本国内では、「どうしても行きたい」と言う意見は少ないと言える。それは、この前の「ガス爆発事故」のせいだろう。
「夢洲」自体が、何で埋め立てされたか分からない物だけに、交通アクセスも悪いし、もしも「爆発」に巻き込まれたら?という不安が先に立つ。
こんな「非常に危ない万博」は、中止以外に対応策はない。来年4月下旬の開会に間に合わないパビリオンもあるとか?
この問題は、政府にも、大阪府・大阪市にも大きな責任がありそうだ。元々は、「IRの建設」があっての、会場選定だから、「安全性」等の確認は十分に行われていないのだろう。
訪れる人は、命を大切に。