膨張予算、財源で迷走 「平時」回帰は道半ば 24年度〔深層探訪〕
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2024年度予算案は社会保障費、国債費といった歳出分野が過去最大を更新し、一般会計総額は過去2番目の規模に膨らんだ。内閣支持率の低迷で国民の負担が増えるのかどうかを巡る議論が迷走し、岸田政権は財源の想定の甘さを露呈。急ごしらえの定額減税に「政治とカネ」を巡る問題も加わり、コロナ禍で膨張した予算を「平時」に戻す取り組みは道半ばだ。
▽財源探し奔走
24年度予算と合わせて閣議決定された「こども未来戦略」。首相肝煎りの少子化対策の道筋がようやく示されたが、財源の一つの「こども・子育て支援金」(仮称)は医療保険料に上乗せして徴収することになった。「実質的な追加負担は生じさせない」と説明してきた岸田首相。しかし、最終的に子育て世代の負担も増える結果となった。
「増税以外の財源はないか」。衆院解散・総選挙をにらむ自民党幹部は今夏、増税を封印するよう財務省や内閣府に持ち掛けた。税よりも国民が負担を感じにくい医療保険を狙い撃ちした形だが、同支援金の設定にも「実質負担が生じない範囲」と枠がはめられた。負担を生じさせないという首相の発言につじつまを合わせようとする思惑が見え隠れするものの、徴収額が目標に達しなければ、「国債(借金)に頼らざるを得ない」として財務省幹部は頭を抱えた。
▽「負担とは言わない」
医療や介護に使う社会保障費の削減で、少子化対策の安定財源を捻出するという首相のもくろみは外れた。24年度の予算編成の焦点だった「診療報酬」の改定は、薬の公定価格である「薬価」部分の引き下げにより、全体では0.12%のマイナス改定で決着した。しかし、医師や看護師らの人件費に当たる「本体」部分は引き上げ。財源と見込んだ国費の抑制効果は400億円程度にとどまった。
「保険料は増えるけど、負担とは言わない」。診療報酬本体を引き上げれば医療費が膨らみ、国民の保険料負担が増える。だが、財務・厚生労働両省は20日、首相が重視する賃上げ実現による保険料上昇分は「負担」に算定せず、むしろ軽減効果が生まれるという独自の解釈を発表。予算編成の最終局面まで、国民負担を巡る首相の発言に振り回された。
▽転換期の財政
岸田政権は、今回の予算編成で新型コロナウイルス対策で膨らんだ歳出の「平時回帰」を目標に掲げた。24年度は金利上昇で国債利払いが大きく膨張。借金漬けの日本の財政は大きな転換点を迎えており、財政健全化の道筋を示すことが求められている。
しかし、首相が支持率回復を狙って打ち出した定額減税に加え、政治資金の裏金化疑惑は、防衛力強化のための増税時期を含む負担増の議論を混乱させた。政治への国民感情が厳しさを増す中、歯止めのかからない社会保障費の見直しといった負担を求める議論を進めるのは、ハードルが一段と上がりそうだ。
政府は、来年度の予算を決定したが、毎年同じことを繰り返しているが、「赤字国債」を予算の約3分の1に入れ込んでいる。という事は、国の借金が増える一方であり、いつまで経っても返還出来る事は無いという事になる。
これらの「赤字国債」は、勿論、日銀が発行するのだが、その今までの合計金額は、既に1400兆円に迫る勢いである。
今後、「金融引き締め」や「ゼロ金利政策」の解除などがあれば、利息が上がるために、返還がより難しくなる。しかし、死に神岸田文雄政権は、「軍事費」を5兆円を超える予算にし、借金返しに使う金額を「27兆円」と決めてしまった。
この、27兆円と言う額は、今の「消費税」の合計金額を超える金額である事から、今後は、更なる「大増税」を行う事となるだろう。
「政治屋」の汚い「カネ集め」が問題視されているにも拘らず、このようないい加減な予算編成をするとは、どこまで行っても、このままでは「世界一の借金大国」から抜け出す事は、絶対にできない。例えば、公共事業の「入札」には、「競争入札」ではなく「談合」によって、限りなく100%に近い金額で「落札する仕組み」一つをとっても、これを完全な「競争入札」にする事によって、年間で数兆円の無駄遣いの削減になるだろう。