5/6までの期間限定で、
公演映像を無料公開いたします。
2018年版『わたしの、領分』
作・演出:松澤くれは
【日程】2018年10月18〜21日
【会場】大泉学園ゆめりあホール
(公財)練馬区文化振興協会 舞台芸術支援事業(平成30年度後期)
『わたしの、領分』は発達障害について、
療育センターに勤める心理士の目を通して描いたものです。
社会全体がギスギスした空気になっていくのを見るにつれ、今こそ、この作品を観ていただきたいと思いました。
今日もSNS上には、様々な情報が氾濫しております。
ちょっと疲れてしまったなという人が、この作品を観て、前向きな気持ちになってくれたら嬉しいです。
見えないウィルスに対する恐怖や、非常事態宣言の発令に伴う不安から、一方的に誰かを攻撃したり、感染者を不当に差別するといった風潮を耳にします。
けれど今は、誰もが当事者です。一人ひとり、異なる状況に置かれている人たちが、大なり小なり苦境に立たされています。自分じゃない誰かのことは、どこまで想像力を巡らせても完全に知ることはできません。だからこそ、それでも可能な限り相手を思いやり、お互いが歩み寄っていくことが、この困難を乗り越えていくために必要だと感じております。
ひとは、ひとりじゃない。
世界には、誰かがいてくれる。
白か黒かを断定できない曖昧な未来を、あなたとわたしが、ともに手を取り合って、ゆっくりと生きていく--そんな理想を目指して『わたしの、領分』という作品を、仲間と一緒に作りました。多くのご支援も賜りました。
ぜひ、この公演動画をご覧いただき、皆さまのご感想をSNSにお寄せください。ハッシュタグは、#わたしの領分 です。
僕は、物語の力を信じています。
今は厳しくとも、この事態が収束した際には、明るい未来を作る一助を担うのがエンターテインメントの役割だと考えております。
これからも多くのキャスト、スタッフが、精力的に活動を行っていくと思います。
観客の皆さまにおかれましては、どうか引き続き、お見守りいただけますと幸いです。
2020.04.14 松澤くれは(作家・演出家)
2018年版『わたしの、領分』
【あらすじ】
療育センターで発達障害児を面談する、若き心理士の萩野。
「いつか治りますよね?」「うちの子を障害者にする気か!」
わが子を想って焦る親たちを前に、うまく面談は進まない。
萩野は子どもを作ることについて、夫ともすれ違ってしまう。
「自閉症は治すべき病気ではなく、支援すべき個性なんです」
特性を持ったまま大人になる子どもを、親御さんと一緒に見守りたい。
―萩野は折れることなく、目の前の人たちと向き合っていく。
ある日。かつてセンターに通っていた青年がやってくる。
彼の起こした傷害事件は「自閉症をめぐる問題」にまで発展……。
差別と偏見が膨らむなか、萩野はひとり、自分のこころと対峙する。
世界のあいまいさを許容して生きるための。
わたしたちから紡ぐ、「生きづらさ」の物語。
【キャスト】(Twitterアカウント)
萩野 福永マリカ(@fukunaga_marika )
夫 五十嵐啓輔(@igarappe715 )
[はるか] 榎あづさ(@adusa_kinoko )
原 宮原奨伍(@shogomiya0718 )
大井山 江幡朋子(@evata55 )
川上 早山可奈子(@gaacham )
ドクター 坪内悟(@tsuboru )
Aくんの母親 真嶋一歌(@majimaichika )
セラピスト 雨宮慎太朗
Bくんの父親 山田健太郎(@kentaroyamada36 )
Bくんの母親 三木万侑加(@Mayuka_Miki )
Cくん 松本旭平(@akihira_matsu )
恋人 久木田かな子(@cookiekukkie )
【スタッフ】
舞台監督:吉倉優喜、ワタナベユウタ/舞台美術:小林裕介/音響:斎藤裕喜(Québec)/照明:阿部将之(LICHT-ER)/衣装:早山可奈子/小道具:定塚由里香/宣伝美術:イラスト…谷川千佳/デザイン…milieu design/Web・記録:くろまく株式会社/Web戦略室:江幡朋子/演出助手:平本野百合/票券・当日運営:塩田友克/委員会事務:室田渓人、小野邉雅俊
【製作】
「わたしの、領分」製作委員会
代表:松澤くれは(@suama_sweetnam )
制作:森永たえこ(@taeko_morinaga )
公式サイト/https://watashi-no-ryobun.themedia.jp/
連絡先/pro.watashi@gmail.com
間もなく、舞台の幕が上がります。
この物語を書きはじめたのは2014年。
翌年に完成した『境骨』
戯曲は書きあがっているのに、物語を誰にも届けられない……
舞台を上演するのは、当たり前に思えて、
あれから6年。
この度、
必ずや代表作にすると誓いました。6年間で培った技術と経験を使
今、で良かったなと思います。
6年前に比べて、僕の舞台を観てくださるお客様も増えて、
こうして皆さまに『共骨』をお届けできることが幸せです。
もちろん、情勢として「いいタイミング」
同時に、メールやDMで、
努力は報われるとは限らないし、願いが全部叶うとも思いません。
オフィス上の空の森脇プロデューサーは、劇場側をはじめ、
森脇さんは「
劇場の衛生環境等は、細心の注意をはらって、
『共骨』には、今までのすべてを込めました。
家族のかたち、人生の価値、人との縁の物語。
ひとりの人生と、そのなかで交わる人々との縁。
人が死んで、人が生きるということを描きます。
物語とは死者のためではなく、生きている人のためにあります。
「やっとわかった。遠くまできたんだ」
そう言えるように。知らない景色をのぞむために。
あなたと、わたしの人生を、ラストシーンから再びはじめたい。
僕たちは劇場にいます。
悲しい顔なんて見せたくない。
今日も笑って生きている。
そんな姿を劇場で見てほしい。
同じ時代に生きる誰かと手を取り合い、前を向いて生きるために、
これ以上のものは作れないかもしれません。作るとしたら、今度は
ご来場、心よりお待ちしております。
2020.03.06
脚本・演出 松澤くれは