恋愛映画シリーズ第2弾~。
スサンネ・ビア監督の前作、未来を生きる君たちへ が良かったので最新作を上映終了ぎりぎりで
観てきました。
社会派と呼ばれているビア監督、こういうロマンチック・コメディは珍しいみたい。
わたしは同監督の作品は一作しか観ていませんが、確かに一見すると未来・・とはだいぶ毛色の違う作品でした。
※今回大いにネタバレしてますのでご注意ください。
闘病の末に夫に浮気されたイーダと、妻を事故で亡くして以来独身を通してきたフィリップ。
この二人の娘と息子が結婚することになり、二人は新婦母と新郎父という立場で出会って惹かれる大人のラブストーリーという触れ込みでした。
・・が。
どうも突っ込みどころの多い話でした。
まず二人の出会いですが、これが最悪で、娘のイタリアで行われる結婚式参加のため、空港に向かう途中でフィリップの車にぶつかってしまうという。
フィリップは彼女が息子の嫁となる女性の母だと知り、大人の対応を見せますが、
それに対しての彼女の態度にびっくり。
少しは申し訳なかった、と殊勝な姿勢を見せても良いところだと思うのですが
それどころか、彼に対してずけずけ言いたい放題。
その後もフィリップのカードを偶然手に入れたのをいいことに、結婚式参列用のドレスを買うのにお金が足りなかったからと、勝手に使って事後報告。
いくら後で返すつもりだと言っていても、これも普通にありえないと思うけど・・犯罪ですぞ。
イーダの旦那が本当にひどくて、彼女が治療を終えて自宅に戻ると、若い愛人を引っ張り込んでお取り込み真っ最中。(なんだか既視感を覚えるエピソードですがそれはさておき)
イーダに責められた夫が言った台詞がこともあろうに
「君が病気になってボクもつらかったんだ!」
・・だから浮気して良いってことにはなりませんよねぇ。
これだけでも十分クズいんですが、さらにこの夫、娘の結婚式にこの愛人同伴でやってくるっていう。
この夫があまりにくそ夫すぎて(言葉汚くてごめんなさい)
イーダの横暴ぶりをともすれば看過しそうになるんですが、
そうは言っても、やっぱり彼女もどうももうひとつ素敵な女性に見えないんだよねぇ。
とにかくイーダの娘がかわいそうでした。両親は上記の通りだし
親族の顔合わせでは、Lilicoそっくりのフィリップの義理の妹の残念さに振り回され、
かんじんの夫となるはずの彼は、彼女のゲイの男友達とおかしなことになるわ、重度のマリッジブルーになるわで結局二人の結婚はとりやめとなってしまう。
子供たちがこんな状態になってしまったら、自分の気持ちは押し殺すのが親ってもんじゃないかって思うんだけど、それは日本的感覚なのでしょうかねぇ。
いったんはお互い別々に帰国はするものの、ほどなくしてイーダに会いに行ってしまうフィリップ。
子供たちの気持ちより、自分の気持ちが優先??
せめてもうちょっと時間が経って、子供たちが立ち直ったのを見届けて・・という展開だったら良かったんですけどね。
色々と文句をつけましたが、全体的な物語としては、そんなにつまらなくはなかったです。
特にくそ夫とその愛人、それとLilico似の残念すぎる親戚が、徹底的に良かったです。
これから夫婦となろうとしているカップル、長く連れ添った夫婦、そしてそうした形式張った関係にはないけれども、ただ惹かれ合う二人・・それぞれを通して、本当に大切なことは何か、結婚という枠組みでつながることは出来ても、そこに実が伴わなければ意味ないでしょ的なことを、この作品は言いたかったんではないかとと思います。
そうした意図は十分くみ取れるんですが、やっぱりもろもろ引っかかりが残ってしまうお話でしたね。
でもおしなべて評価は高いので、いろいろ気になってしまったのはわたしたちだけなのかも。
ピアース・ブロスナンがイケメン過ぎるのもいけないのかも。
そりゃ、彼のがいいに決まってるってなっちゃうからなあ。
イーダを演じたトリーネ・ディアホルムが、友近扮するキャサリンにしか見えないとハチサン。
確かに似てるかな。
一度はよりを戻そうとするイーダが、やっぱり無理、と家を出る時夫に向かって言う台詞は、
なかなキョーレツでした。
でもそういうことが大事なんだよなあ、結局。
そこが一番リアリティあったかな。
![maoizm](https://stat.ameba.jp/user_images/20130711/12/hawaikon/21/65/j/t02200308_0400056012605851274.jpg?caw=800)
愛さえあれば
原題:DEN SKALDEDE FRISOR(英題:LOVE IS ALL YOU NEED・デンマーク)
監督:スサンネ・ビア
出演:ピアース・ブロスナン、トリーネ・ディアホルム、キム・ボドニア、他
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