アロハ
爺の職場のパーティに、
連れていかれた、お休み2日目。
なんでも、2人のビックボスが、
リタイア、そしてアメリカ本土へと、
転勤することとなり、
職場の皆でポットラックパーティを、
開くこととなったそう。
お世話になったからと、
今回だけは一緒に行ってくれと頼まれ、
しぶしぶ承知したものの、
ハッキリ言って、
気乗りはしない.....
だって、
自慢じゃないが、幼稚園以下の我が英語。
パーティなんて、惨めこの上ない、、
マジで絶対にヤバい、、、
フリーウェイを飛ばし、
20分ほどで着いたのは、
ヨットハーバーが目の前の芝生が広がる場所。
いる、いる、
もうすでに4、50人ほど集まっている。
ヤバい ...すでにストレス。
ハーイ!はじめまして~
なんて必死で誤魔化しながらも、
握手やハグの御挨拶を終えて、
みんながいる場所に進み爺と座る。
ひぇー、
奥さんを連れてきてる人は数人じゃんか!
見渡すと、日本人は自分一人......
はぁ、、、、と、心の中で大きなため息を付く。
それでも爺の同僚の若い女の子達や、
ローカルの若い男の子達が、
ビールを片手に、
ニコニコと話しかけてくれる。
ローカルが半分以上。
本当に、みんな明るい!
食べ物も飲み物もいっぱい~で、
ワイキキガヤガヤと楽しい。
チキンにビーフ、フライドライスに、ヌードル、
紙皿に好きなモノをごっそりと取り、
日頃の栄養不足を補う(笑)
みんなとチョロチョロ簡単な英語で話しながら、
目の前のヨットハーバーの向こうに沈む、
サンセットを、
風に吹かれながら眺める。
きれいだなぁ、、、
そして、この海の向こうの遠い日本を想う....
南海トラフ....
あれから一週間が過ぎた。
何事も起こらなかった、、、
本当に良かった(泣)
若いロコ男性軍。
彼らはもう本当に陽気で、
その大きな体をゆさゆさ揺すりながら、
ずっと冗談を言い、
ずっと笑っている。
いいなぁ、、、みんな楽しそうだ。
そんな姿を見ながら、
しみじみ思う。
日本の若者は、
いつ起こるか分からない、
巨大地震の心配を、大津波の心配をしながら、
これから生きていく....
こうして、心の底から笑える日が、
いつの日かやって来るんだろうか....
生き延びる、
命懸けで家族を守る、、、
そんな使命を、
消えない恐怖を、
ずっと心の中に、頭の片隅におきながら、、、
爺に、
ローカルの子達は、みんな陽気だねぇ、
と、言うと、
アメリカ本土で生まれ育った爺は、
ビールを片手に、
そうだよ、
彼らは「ハッピーピーポー」だから、、、
と、目を細める。
婆のパート先の職場の一つ。
日本人のボスの奥さんも、ローカル。
丸い体を揺らしながら、
いつもいつも笑っている。
結構な心配な事があっても動じない。
ぐずぐず不平不満を言わない。
忘れもしない、
10年ほど前、
ボスが深刻な病気になり手術をした。
心配ですね、、、
と、日本語がわかる奥さんに言うと、
一言、
「しょうがない。」と笑った。
そうか....
そう.......もう、しょうがないのか....?
いくら泣いたって、
いくら心配したって、
いくら祈ったとて、、、
なるようにしかならないのだ....
カラオケが始まった。
当たり前だけど英語の歌ばっかり(笑)
みんなノリノリで楽しんでいる。
そんな歌を聴きながら、
爺にそっと耳打ちする。
リタイアしたらダメだよ。
こんなに若くて明るい元気なビタミン剤を、
あなたはいつも彼らから貰えるんだからね!
70代爺は、
黙って頷いた....
そうだよね、、、
って窓の外に向かって一人呟いてみる、、
が、ダイヤモンドヘッドは今朝もまた、
何にも言わず、
ただ黙って佇んでいるだけ....
続く。