[ハワイ] 島暮らし 嬉しく切ない最後の夜 | 婆様のハワイ日記

婆様のハワイ日記

ハワイの片隅で生きるアメリカ人爺夫と日本人婆妻の老夫婦デコボコ日記です。

アロハ



小さな島での1ヶ月の暮らし。


念願の古民家を遂に購入し、


1年間伸び放題だった草を刈り、


畳を襖を新しくし、


電気製品や、布団、鍋


身の回りの細々したものを買い続け、


何とか生活できるとこまでにやっとなった。


愛着が日々沸いてくる、


この小さな古民家。



そして、今日が島で暮らす最後の一日となる。


今夜のフェリーで、


大阪へと向かい、


明日関西空港からハワイへと戻るのだ...


最高のお天気の昨日。


お互い各々最後に島を味わうべく、


別行動。


爺は朝から支度をし、


自転車で島の隅々まで走り回った。


婆は、お昼過ぎまで庭に出たり、


入ったりと、


ウグイス達のさえずりを聞きながら、


家でボーッとしてたが、


ふと思い立ち、


本土へと車を走らせる。


この20年ずっと食べたかった、


故郷のラーメンを食べに行くべき向かう。


何故なら、


ここが食べたいものリストに、


最後まで残っていたから。


老舗のラーメン屋さん。


子供の時、学生の時、ことあるごとに、


ずっと食べてきたラーメン。


それは狭い路地に佇む、


小さな小さなラーメン屋さん


20年ぶりに見た外観は、


全く何にも変わらず、


入っただけでタイムスリップする。



一人で感動する、

全く何にも変わらない懐かしい味....

お金を出せば、

いとも簡単に何でも新しくできるけれど、

変わらずに、

そのままいることは本当に難しい。

ありがとうございました。

美味しかったです!とお礼を言い、

そして、帰国する度に通っていた、

海辺の小さなカフェにも寄った。

海を見ながら

ほっと一息。

もうこれで思い残すことはない。

最後までリストに残っていた、

行きたいとこに行き、

食べたいものを食べ尽くした。

そんなことを思いながら、

ボーッとコーヒーを飲む。


夕方、家に辿り着く。


町のスーパーで買ってきた、


爺の大好きな物、


そう、鰹のたたきが晩御飯だ。


炊飯器のスイッチだけを押して、


5時過ぎ、今度は一人で散歩に出る。


爺はなにやら帰る支度をしている。


歩いて3分ほどで、


着いた海。



目の前をゆっくり進んでいく小舟。


そんな穏やかな海を風を、

この島の景色を、

しっかり心に焼き付ける。

そして、ムラムラと気合いが入ってくる。

よっしゃ!!頑張るぞ!!

ハワイで頑張って働いて、

また来年必ず戻ってくるんだ!!!

そう誓い、

家に帰る。

2人で炊きたてご飯と、

鰹のたたきを食べていると、

誰かが玄関に。

なんと、島の友達の知り合いの、

お世話になったイケメンのガス屋さん。

もう帰られると聞いて来ました。

よかったらこれ、

食べて下さいと、

庭で採れた大粒のビワと、

漁師さんから貰った朝採れの茹で海老を、

わざわざ持ってきてくれたのだ....



嬉しくありがたくて胸がキュン♡とする。

では、また来年!!と

爺と握手して笑顔で別れる。

みんななんでこんなにも優しいんだ....

ヤバいじゃないか、、、

ここを離れるのがより一層つらくなるじゃん。

大好物の海老を頂きながら、

爺と無言で酒を交わす、

そんな島の夜は、

静かに更けていった。


そうだよね、、、

って空の向こうのダイヤモンドヘッドに、

問うてみるが、

あまりにも遠すぎて、

返事はまだ、ない。

続く。