[ハワイ] 島暮らし 人生に必要な休息 | 婆様のハワイ日記

婆様のハワイ日記

ハワイの片隅で生きるアメリカ人爺夫と日本人婆妻の老夫婦デコボコ日記です。

アロハ



朝になった。

時々胃がもたれそうになった、

ヤツが作ってくれた朝ごはんの、

目玉焼きと大量のポテト。

レタスなんぞ、彩りにいいかなと思い、

勝手にその皿に盛ろうとすると、

アメリカじゃ朝に野菜なんぞ取らないんだ、

と、うるさい。

あーそうですか!

と引っ込める婆(笑)

そして、婆が淹れたコーヒー。

これは薄いと、のたまう。

自分は濃いコーヒーしか飲まないと、

コーヒーにもうるさく、

淹れ直した濃いのを

美味しそうに必ず2杯飲むヤツ。

体もでかいが、なかなか態度もでかい(笑)

一度、朝、婆がトーストとゆで卵を作った。

ヤツはゆで卵の白身だけ食べて、

黄身は要らないとのたまう。

は?? お前、目玉焼きは食ってんじゃんか!

と言うと、目玉焼きは別だと言う。

BBQでキノコを買おうとすると、

自分はマッシュルームは好きじゃないと、

横ではっきり言う、ヤツ。

お前なぁ.....

大きな体と大きな声、

身振り手振りを交えて、

早口の英語で、本当によく喋る。

聞いているだけで、

頭痛がしてくる。

で、ヤツの場合、

じーっと目を見て意見を求めてくる。

はぁ....面倒だ。

聞くだけでもしんどいのに、

考えて英語を話す行為すら、もうしんどい。

こちとらな、母国語じゃないんだぜ。

やっと我が祖国日本に帰ってきたのに、

ハワイにいる時より、

なんでこんなに英語を聞いて、

話さなあかんのや!!

勘弁してくれ...

それでも時々見せる可愛い笑顔、

面白いジョーク、

日本人はみんな若く見える、

特に女性はビューティフルだ...

と褒めてくれると、

まぁ、いいか、、、と、

なぜか憎めなくなるそんなヤツは、

大好きなこの島に別れを告げて、

ハワイへと帰っていった。


夜のフェリーで関西国際空港に向かう、

最後の夜、

一緒に走った爺の友達も集合してくれ、

皆で居酒屋でお別れ会をした。

港に着き、

みんなからお土産を貰い、

いよいよフェリーに乗り込む時、

一人一人に

サンキューベリーマッチと言い、

しっかりとハグをした。

最後の最後の、

もう見えなくなる最後の時、

ヤツは皆に大きく手を振り、

そして、消えていった。

毎朝、難しい顔をして、

持ってきたパソコンで、

なにやら仕事のメールに返信していたヤツ。

仕事のストレスでもう限界だったヤツ。

詳しくは聞いてないが、

去年、軽い脳梗塞を起こし、

今でも左半身、特に頭に痛みがあり、

耳が変な感じなんだよ、、と、

最後に居酒屋で皆に静かに語った、ヤツ。

今度は家族を連れて来たいよ。

ワイフに見せてやりたいとこが、

いっぱいあるんだ. ....


人生山あり谷あり....

疲れたら休めばいい。

そして、またゆっくり歩き出せば、いい。


ヤツよ、これからまた日常が戻るけれど、

元気でな、そして、、、頑張るんだよ....

そんなことを思いながら、

1時間の夜道を爺と2人、

軽のバンで我が島へと、

ひた走り着いたのは11時。

見上げた空には、

いつものように、瞬く無数の星が、

そして、

静かに月が輝いていた.....


そうだよね、、

って空の向こうのダイヤモンドヘッドに、

問うてみるが、

あまりにも遠すぎて、

返事はまだ、ない。

続く。