[ハワイ] 老夫婦が格安空き家を買ったわけ | 婆様のハワイ日記

婆様のハワイ日記

ハワイの片隅で生きるアメリカ人爺夫と日本人婆妻の老夫婦デコボコ日記です。

アロハ



静かで海がきれい....

日本のそんな小さな島に住むのは、

爺と婆の憧れだった。

そんな憧れが、

現実となっていくのは、

爺が自転車で、うろうろしてできた友達の、

お家へBBQに招待されてからだった。

彼らの家は高台にあり、

そこからは、

ハワイとは全く違った、

小舟が浮かぶキラキラ光る穏やかな海が見えた。

夕暮れに見た海に沈む夕日は、

心が震えるほどきれいで、

言葉を失った。

自分達も家が欲しい。

小さな島に住んでみたい....と、

心に中で、ずっと思っていた。

生まれ育った田舎の古い実家も代は代わり、

若い世代が引き継いだ。

父は亡くなり母ももう90を越え、

施設に入った。

誰もいなくなった、

もう無用の広くて古い実家は、

既に取り壊されることが決まっている。

そうすると帰国しても、

滞在する場所はない。

いくら安い民宿でも1ヶ月滞在となると、

2人分で結構する....

どうも、空き家が余っている?

めちゃ安いらしい。

古くて小さな家なら、

もしかしたら自分達にも手に入るかもしれない。

予算は100万円(笑)

改装する金などないから、

そこそこ住める状態の平屋。

海が見える絶景...なんぞは論外。

値段がもちろん高くなる。

70代、60代の老夫婦。

残された時間はもうない。

不動産屋さんに紹介された数々の物件は、

安いけれど、

既に家は朽ち果てていたり、

水回りを全面に直さないと住めない物件が、

ほとんど...

予算を百万円から百万円台に変更する。

そんな時に、

友だちの知り合いの方のご実家の、

小さな空き家があるけれど、

どうか?って話があったのは、

ハワイへと帰国する3日ほど前だった。

全てはご縁とタイミング、、、

そうして見に行った家は、

35年以上経っているけれど、

二間続きの畳の座敷が、

とても明るくて気に入った。


トイレも様式に治してある。

お風呂も昔風の小さな丸いタイルで、

出来ていて、

子供の頃を懐かしく思い出す造りだ.....

家の前は荒れ地で、

誰も住んでいない。

静かだ....ウグイスの声が聞こえる。

迷ってる時間はない。

買おう....

こうして手に入れたこの小さな家に、

今回初めて滞在する。

あらかじめ友だちにはカギを預かってもらい、

この日のために知り合いの電気屋さんに、

冷蔵庫を、

そしてガス屋さんに頼み、

プロパンガスも設置してもらっている。

ガストで、

ロボットに食事を運んでもらい、

腹を満たした我ら3人組は、

レンタカーした、

小さな軽のバンにスーツケース4個を、

積込み、

一路、島の我が家へひた走った。

胸はドキドキ高鳴った。

夢が叶ったのだ。

小さいながらも我が家。

それもハワイでは夢の、庭付き、、、

そんな島の一軒家を手に入れた喜びで、

有頂天だった....2人。

道に迷いながらも、

何とか到着した我が家に、

3人そろって呆然とする。

庭には草が生い茂り、ぼうぼう、



玄関の引戸を何とか開ければ、

もう埃だらけで、

天井にはクモの巣が張っているじゃないか...

ひえー!!

マジか.....こんなとこに今夜から、

寝泊まりできるのか.....??



無理だよね?って、

海の向こうのダイヤモンドヘッドに、

問うてみる。

が、あまりにも遠すぎて返答は何もない。

続く。