アロハ
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あなたはガンです。
ドクターは爺の顔を見てはっきり言った。
突然おしっこが出なくなり、
激しい痛みで病院へ走った2ヶ月前。
あの日から、ずっと管を付け、
おしっこ袋をぶら下げてきた爺。
その間にまさかの感染症で40度の熱、
もう立ち上がれず車椅子で911、
エマージェンシーに運ばれた70代。
アメリカの高額医療。
手術しても、
通常はその日に帰らされる、この国。
病院に2泊したと言うと、
みんなに、
えぇー!??まじで.....大丈夫なの!!??
って超驚かれるほど、
状況的にも金銭的にも大変なこと...,になる。
1ヶ月待ってMRI,
その結果もガンの疑い全く無し。
それでもまた細胞の検査。
年が明ける。
やっと結果がわかる.....
そんなことが走馬灯のように思い出された。
きっと大丈夫だから、と、
待合室で待っていようとすると、
ドクターは奥さんもどうぞ、、
と、言う。
それでも何の心配もしてなかった。
早く手術して、とっとと治してくれ!
と、思っていた。
大きなパソコンの画面を見ながら、
色々説明した後、
ドクターははっきり爺の顔を見て言った。
あなたは、ガンです。
これは英語でもはっきりわかった。
2人で固まり、絶句する....
それからの細かい説明で、
ようやく初期であることがわかり、
とりあえず胸を撫で下ろす....
英語って結論を先ず言う。
それからその説明が続く。
日本語だと、先に色々説明をしてくれ、
状況がわかった上での、
最後に結論を言ってくれる。
この違いをまざまざと感じる。
ドクターは冷静に、
3つの選択肢を上げ、
どれにするか、それぞれのリスク等も、
細かく説明してくれた。
爺は、切らない方法の手術を選択、
手術日は22日。
その前にまたホームドクターに予約し、
麻酔が出来る身体か、
チェックをしろと言う。
そんなことここでやってくれればいいじゃん、
と、思うけど、
何もかも専門に別れているこの国。
あっちに行ってこっちを予約して、
もう本当に面倒でキレそうになるけど、
いちいちキレていたら身が持たない。
もうわかってるじゃん、、
ここは日本じゃないんだから...
と、何回も何回も、
老いた我が身に言い聞かせる。
いよいよ手術が決まった。
ガンだったけど.......初期で良かった、、
きっと大丈夫だよね?
って窓の外に向かって一人呟いてみる、、
が、ダイヤモンドヘッドは、今朝もまた、
何にも言わず、
ただ黙って佇んでいるだけ...
続く。