[ハワイ] あれはハワイに住むお告げだったのか? | 婆様のハワイ日記

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ハワイの片隅で生きるアメリカ人爺夫と日本人婆妻の老夫婦デコボコ日記です。

アロハ



40年前、その頃にはなかった、

パワハラという言葉。

そのパワハラ元夫との結婚生活は、

20数年続いた。

訳のわからないことで急にスイッチが入り、

キレる。

そうすると、もう終わり。

これでもかと人のことを罵倒し続け、

そして、また普通に戻る。

コントロール出来ない感情。

今思えば、れっきとした病気なのだとわかるが、

当時、自分が我慢すれば、

この性格もきっと変わって行くはず。

と、ずっと思い込んでいた。



全てはお前のせいだ。

全部お前が悪い。

何回言ったら分かるんだ。

だからお前はダメなんだ。

永遠に聞かされたこの言葉に、

やっぱり自分が悪いのか?

と、洗脳され始める。

ストレスでいつも暗い顔をしていたあの頃。

そんなパワハラ夫だが、一歩外にでれば、

爽やかな笑顔の優しそうな旦那に大変身する。

それはそれはお見事で、

何も知らない人達が、

あんな優しいダンナさんで幸せね。

と、言ってくる。

その度に顔をひきつらせて、

ええ、まぁとだけ答える日々。


今思えば当然だけど、

中学に入り、中2から娘は不登校になった。

このある意味二重人格の異常な父親と

結局、その機嫌を伺うしかない情けない母。

そんな両親を見ていたら子供だって

普通じゃいられない。

パワハラ夫に不登校の娘....

涙も枯れ果てた、先の見えない日々。


そんな時、それなのに、何故だか、

時々青い芝生の上を、自分が

ジーンズを履き、

スニーカーで歩くシーンが、

何回も何回も頭に浮かんでくる。

スニーカーの色は真っ白。

いつも同じ膝下だけのシーンだが、

夢ではなくて、

瞬間的にパッと浮かんでくる。

例えば信号待ちでぼーっとしている時。

朝、窓から見える娘の同級生達の

元気な登校姿に涙が枯れるほど泣いた後。

一瞬あらわれてはすぐに消えるその情景。

何故だかわからなくて、

不思議でしょうがなかった。

その青い芝生と、光の加減は、

1度だけ新婚旅行で行った、

ハワイを思わせた。


「世間体が悪いから何とかしろよ」

この一言で離婚を決意し、

娘を何とかするために、学生ビザを取り

必死でやってきたハワイ。

全く英語がわからず、

母親の自分も不登校になりそうだった、

学校からの帰り道。

とぼとぼと歩き、着いたのは、

ダイヤモンドヘッドの麓の、

広大なカピオラニパーク。

そこで、息をのみ立ち止まる。

そう、

まさにあの時のあのシーン。

すっかり忘れていた、

あの情景がまざまざと甦った。

まさしく、あの芝生の上を歩く自分。

ジーンズと白いスニーカーで、

眩い光が降り注ぐ真っ青な芝生の上を、

歩いて行くあのシーン。

全く同じ。

寸分たりとも違わない、あのシーン。



あれは一体なんだったのか。

今は大変だけども、

その内こうして、ハワイの芝生の上を

白いスニーカーであなたは歩くのよ、、、

だから頑張るのよって、

お告げだったのか....

今でも忘れられない不思議な不思議な出来事。

続く。