常同行動とは、強迫性障害の一つです。
足先などを執拗に舐める(噛む)
ケージの中で左右に足踏みをし続ける
尻尾を追いかけぐるぐる回る
口の届く範囲の被毛の脱毛
など。
(パートナー犬はゆっくり休みたい時はケージに入っています)
原因としては、
長時間の留守番
スキンシップの不足
拘束(散歩に行かないとか)
退屈
運動不足
などがあげられます。
常同行動は病的に同じ行動を続け、繰り返す心の病気です。
以前、動物園の檻の中でトラが虚ろな目で左右にウロウロし続けているのを見たことがあります。
これも常同行動と言われています。
犬の場合、被毛が禿げたり、赤くなったり、くるくる尻尾を追いかけたりするのでとてもわかりやすい。
最近では動物園でも狭い檻に閉じ込めた展示のしたかは改善されて、ランドスケープ展示や行動展示のように動物の生態や活動に即した展示に変わってきた。
特に行動展示は動物がどのような環境でどのような行動で生活しているのかを研究して展示されている。
食べ物の与え方も、より自然に近い形で捕食できるように工夫されている。
犬は、本来なら狩をして食べ物を得る。
しかし、その行動は補償できない。
代わりに、遊びによって満足させることはできる。
ボールを追いかけとらえる。
捉えるために全集中して走る。
オモチャを噛む。自分のものとして持ち帰る。
引っ張りっこをして獲物に襲い掛かかる、
引きちぎる感覚を味わい、息の根を止めるという欲求を代償として満たすことができます。
もう一つ、犬が犬として人のそばで生きてきたということ。
それは人の話しや感情を理解し、その能力によって満足感を得てきたこと。
下の図は人のマズローの欲求階層
犬の場合に当てはめたもの。
1.生理的欲求(必須)
2.安全欲求(必須)
3.社会的欲求(必須)
4.健全性欲求(推奨)
5.認知的欲求(推奨)
4は環境に適応するスキルを身につけて安定した心を保ちたいという欲求
ポジティブトレーニングにより行動をサポートしていくことで満たすことができる。
5は認知機能を向上させ維持したい、種としての自然な行動のレパートリーを刺激したいという欲求。
(参考)
問題行動や常同行動に見られる病的な問題行動は、
5つの欲求とくに、推奨と書かれている4.5を満たすことで解決できることが多いように感じます。
犬のQOLの向上と犬の暮らしのエンリッチメントを考えても4.5は推奨ではなくて必須となるように工夫したトレーニングが求められていると思ったのでした。