先日投稿した記事の中で、手を動かさないと犬が動いてくれない生徒さんのお話をチラッとしました。
その生徒さんが今までずっと超えられなかったハードルを超えてきました。
先日のトレーニングでヒールポジションから1歩動く練習をしました。
トレーニング前に生徒さんがインスタを見ていて「こうなりたいんです!!」と見せて戴いた動画がありました。
海外の方がヒールウォークの練習をしている動画でした。
生徒さんの中に明確なイメージができたことを確信しました。
「では、そのイメージで脚側をやって見てください」
やってみて何が違うのかを問いかけると、
「もっと最初から集中してほしい」と。
そこで1歩目をやっていただくと僅かだけど犬の視線が前を向く。
脚側行進とはただ息を合わせて一緒に歩くことではありません。
犬にこんな風に歩いてほしいというイメージを伝え、それを実現していくものです。
つまり空手の演武みたいなものです。
脚側という基本の型を審査員や観客を魅了するために緩急やキレ、インパクトのある表現に作り上げていくものです。
犬の視線さえもコントロールし、繊細に作り上げていくものです。
犬が前を向いた時は黙ってやり直す。
自分が納得する形になるまでやり直す。
犬は黙ってやり直す飼い主さんにおかしいな?いつもならオヤツでてくるのに。。。
ちょっとフテ腐る。
それでも頑張った生徒さん。
犬が生徒さんのイメージを再現できる瞬間が増えてきました。
それと同時に生徒さんは犬のモチベーションが下がっても持ち直せる自信がついた。
そして同じ「アト」という言葉でもこちらが心の中に持ったイメージを犬は理解し実行できるということを体験として知った。
人はとても細かな動きや繊細な表現を犬に伝えることができます。
多くの人はそれを知らない。
生徒さんはそれを知ったのです。
犬という違う生き物に言葉を超えた繊細なコミュニケーションをとる。
深い溝を超え、大きな一歩を踏み出しました。