<カー>と<ケー> | あぶくさぶく

あぶくさぶく

トルコ語あれこれ

<カー>と<ケー>

トルコ語のアルファベットの読みは、母音は、"a" なら <アー>というように、母音を そのまま発音する. 子音については、"d" なら <デー>、"p" なら <ペー>というように、子音に <エー>を つけて発音するのが基本です.

当然、"k" は <ケー>です. ところが どっこい、学校や文法書では <ケー>だと 教わるのに、実際は 誰も <ケー>と 発音しません. テレビのアナウンサーですらです. では なんと言うかというと <カー>です. <テロリスト集団>として ニュースに しょっちゅう登場する ペーカーカー(Partiya Karkerên Kurdistan、クルディスタン労働者党)などは 耳にタコができてます.

なぜ "k"? という疑問が 湧くわけなんですが、これには 二つ可能性が ありそう.
① フランス語、ドイツ語など ヨーロッパの言語の影響.
② トルコ語の単語の中で "k" で 始まるものが 一番多い.

トルコ語の子音が 皆<エー>という音であるため、"k" で 始まる単語が 一番多いことから "k" を <カー>と 発音することで 聞き間違いが 減らせるという意味は あると 思います. また、独仏語とも <カ(ー)>なんですが、独仏語とも 例えば "n" は <エヌ>です. ところが トルコ語では <ネー>なので、独仏語より 紛らわしい名前のアルファベットが 多いことになります. したがって この点からも "k" を <カー>と 呼ぶ意味が あります.

ここまで来たら もう<カー>を 正式な読みと してしまった方が いいんじゃないかと 思うんですが.

先日 初めて "k" を <ケー>と 読む人を 知りました. 皮肉なことに、クルド人で、しかも 37年間 国外(ドイツ)で 過ごしてきた人物、ミュージシャンの Şivan Perwer 氏です. 彼が 今年 37年ぶりに トルコに一時帰国し CNN Türk に 出演しました. そのインタビューの中で ペーケーケーと 言ってました. ドイツ語社会に 長く住んできたのに 不思議ですね(ドイツ語なら ペーカーカー). 察するに、子供の頃 トルコの学校で <ケー>と 教わり、すぐに 国外に移住してしまったために それが そのまま 残ったのかも.

ところで、番組で 彼は 一昔前なら 考えられないほど 率直に クルド人としての 考えを述べてます. 昨今の抗議運動を マスコミが 当初 報道しなかったことが 批判されてますが、それでも トルコは Şivan Perwer 氏の そういう発言を 許容する社会に なったとは 言えますね. 一方、彼は まだ トルコに 戻るつもりは ないそうです. 「ドイツは 違った考えを 認める社会だから」というんですけど、ドイツにも トルコ人などの移住者に対する 蔑視・反感は あるのに それでも トルコよりいい・・・ということなんですね.


Wikipedia - ドイツ語アルファベット
Wikipedia - フランス語

Şivan Perwer が CNN Türk に 出演したときの動画




ドイツ・バイエルン州にあるノイ・シュバンシュタイン城
$あぶくさぶく